エスプガルーダ
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『エスプガルーダ』は、ケイブが製作した業務用縦スクロールシューティングゲームのシリーズ、またはその第1作目のタイトルで、同社のエスプレイドの姉妹作に当たる。
ラインナップは以下の通り。
- エスプガルーダ
- エスプガルーダII
目次 |
[編集] エスプガルーダ
ジャンル | 弾幕系シューティング |
対応機種 | アーケード[AC] プレイステーション2[PS2] |
開発元 | [AC]:ケイブ [PS2]:アリカ(移植) |
発売元 | [AC]:エイエムアイ [PS2]:アリカ |
人数 | 1~2人 |
メディア | [AC]:業務用基板 [PS2]:DVD-ROM |
発売日 | [AC]:2003年 [PS2]:2004年6月17日 |
価格 | [PS2]:7,140円(税込) |
対象年齢 | CERO:12歳以上 |
2003年稼働開始。総発売元はエイエムアイ。2004年にはアリカからプレイステーション2版が発売されている。キャラクターデザインはかどつかさ。
[編集] 解説
育ての親を軍隊に殺され不思議な力に目覚めた兄「アゲハ」と妹「タテハ」が主人公で、ケイブとしては珍しい純ファンタジー系の世界観を持つ。
エスプレイドでも採用された、破壊力と使用回数に優れたボム「ガードバリア」に加え、発動中は敵弾速度の低下や自動ボムなどの恩恵を得られる新システム「覚聖」などのシステム面でのサポート、また敵の攻撃も比較的緩いことから、ケイブのシューティングゲームにしては難易度は抑え目となっている。
[編集] ストーリー
時代は乱世。シンラ国王であるジャコウは、自国をより強大なものにするため、「プロジェクト・エスプガルーダ」と名付けられた、人と聖霊を結びつけて新たな力を得る計画を発案。プロジェクトの成果としてアゲハとタテハの2人のガルーダが生み出される。
ジャコウの野望が達成されようとしたとき、プロジェクトの中心人物であったヒオドシが2人を連れて逃亡。ジャコウはその行方を捜し出すため執拗に追っ手を差し向ける。
そして16年がたち、ついに3人の隠れ住む町にシンラが侵攻してきたところから物語は始まる。
[編集] システム
- 覚聖
- 本作の中核をなすシステムである。覚醒中は覚聖死界が展開され、敵弾速度が低下し、被弾した場合でも自動ボムが行われる。また、覚醒中に敵を倒すと、その敵が出した玉を金塊に変えることができる。そのため、初心者は難易度を押さえることができ、上級者はより多くのスコアを稼ぐことができる。なお、覚醒中は覚聖カウンタ(敵を破壊して取得した聖霊石の数)が時間とともに減少していき、ゼロになると上記の効果はなくなる上に敵弾が赤色になり高速化するので注意が必要。また、故意に覚聖ゲージを0にする危険なプレイを通称「赤走行」と言う。
- ガードバリア
- エスプレイドでも採用されたボムシステムである。ガードバリア展開中は無敵となり、ガードバリアに触れた敵弾を消すことができる。展開中にボタンを放すと、押していた時間に応じた威力のガードバリアアタックを使用することができる。アレンジモードでは、ガードバリアに触れた敵弾を聖霊石や金塊に変換可能。
- ガードバリアアタック
- ガードバリア展開時にボタンを放すと発動。覚聖はガードバリアゲージが残っていれば被弾時に自動発動される。発動時のガードバリアゲージ使用量は通常時よりも覚聖中の自動使用時の方が高く、またアレンジモードではさらに使用量が高くなっている。
- エクステンド
- エクステンドは400万点と1400万点時およびステージ3のエクステンドアイテム取得時に行われる。なお、アレンジモードでは8000万点と2億8000万点でエクステンドされる。
[編集] 主要登場人物
- アゲハ(声優:小泉豊(覚聖前)/松久保維穂(覚聖後))
- 18歳でタテハの兄。攻撃タイプは前方集中型で、覚醒中はレイピアが強化される。
- タテハ(声優:永山悟久梨(覚聖前)/儀武祐子(覚聖後))
- 16歳でアゲハの妹。攻撃タイプは広範囲型で、覚醒中はショットが強化される。
- セセリ(声優:二宮圭美)
- ステージ1およびステージ5-1のボス。12歳でジャコウの娘。アゲハ・タテハとは兄姉。
- ジャコウ(声優:山崎大志(覚聖前)/若泉絵子(覚聖後))
- ステージ5-2のボス。シンラの国皇であり、遺伝子上ではアゲハとタテハの父。
- 千裕
- アレンジモードでの自機。攻撃タイプは前方集中型でエスプレイドの美作いろりのものと同じ。設定は公開されていない。
- Black
- アレンジモードでの自機。攻撃タイプは広範囲型でエスプレイドのJ-B 5thのものと同じ。千裕と同じく設定は公開されていない。
- ヒオドシ
- プロジェクト・エスプガルーダの中心人物の一人でアゲハとタテハの育ての親。錬金術師でもある。
[編集] アレンジモード
プレイステーション2版では、アーケードで稼働していたものを移植したアーケードモードに加え、各種の変更が加えられたアレンジモードが収録されている。アレンジモードでは、自機はアーケードモードとは異なり「千裕(ちひろ)」と「Black(ブラック)」となり、エスプレイドのパワーショットが使用可能となっている。また、BGMもスーパースウィープによりアレンジされたものになる。難易度は他のケイブ作品の2周目と同程度。コンティニューは出来ない。なお、なぜかアレンジモードではショットとガードバリアのボタンがアーケードモードと逆になる。
[編集] エスプガルーダII
『エスプガルーダII』は2005年稼働開始。発売元はエイエムアイ。
[編集] 解説
エスプガルーダの続編。前作にて母親と再会できた主人公「アゲハ」と「タテハ」の兄妹は平和な日々を送っていた。そこに第三の主人公が現れたところから物語は始まる。
基本システムは前作を踏襲。前作はかなり易しい難易度だったのに対し、本作では若干難易度が引き上げられた。
画像と音の演出は新基板(虫姫さまや鋳薔薇と同じ)を用いることで、前作から大幅に進化。
新たに第三の主人公「アサギ」と、新システム「覚聖絶死界」が加わった。
2007年現在、家庭用機には移植されていない。
[編集] 追加・変更されたシステム
- ボタン
- 前作では店舗側の作業が必要だったDボタン(ショット連射)が、標準装備となった。
- 覚聖絶死界
- Bボタンを長く押す事で発動。通常の覚聖に比べて敵の攻撃が激しくなる。また、消した敵弾が金塊ではなく撃ち返し弾に変化する。敵を破壊するたびに撃ち返し弾がどんどん増えていくため、いかに撃ち返し弾を引きつけて高得点を狙うかが決め手であり、通常覚聖よりもかなり慣れを要求するシステムとなっている。絶死界使用中は聖霊石だけでなく金塊も減っていくが、代わりに敵を破壊しても聖霊石が減ることはない。また、敵弾を消した時のボーナスが最大500倍。
- エクステンド
- エクステンドは1500万点と3500万点時およびステージ3のエクステンドアイテム取得時に行われる。
[編集] 主要登場人物
[編集] プレイヤーキャラクター
- アサギ (声優:藤原郁美(覚聖前)/藤井ゆき(覚聖後))
- ソーマにより生み出された3人目のガルーダ。12歳。通常時の威力は3キャラ中最弱だが、覚聖死界及び絶死界時に爆発的な威力を発揮する。覚聖中はレイピアが強化される。
- アゲハ (声優:岸本周也(覚聖前)/五十嵐愛子(覚聖後))
- 前作より引き続き登場。21歳。攻撃タイプは前方集中型で、覚聖中はレイピアが強化される。
- タテハ (声優:河内映美(覚聖前)/坂井響(覚聖後))
- 前作より引き続き登場。19歳。攻撃タイプは広範囲型で、覚聖中はショットが強化される。
[編集] 敵キャラクター
- ツバメ (声優:関根香桜里)
- ステージ1のボス。ソーマ国王子で、左目に聖霊石を持つ。ソーマ王と真精霊機関によりガルーダ研究の材料にされていたがガルーダには成り得なかった。王の死後、軍の指揮官となり自らが前線に立って戦う決意をする。10歳。
- マダラ (声優:南雲武烈)
- ステージ2の中ボスおよびステージ4のボス。ソーマ王に忠誠を誓う屈強な機械化部隊特佐。ツバメ・ジャノメの代わりに自ら進んでガルーダ融合実験を受け、片目を失った過去を持つ。アサギにより、半身を損傷する。27歳。一部のファンからはウェッハと呼ばれ、愛されている。「ウェッハッハッハッ」と笑いながら登場したことが由来
- ジャノメ (声優:佐藤めぐみ)
- ステージ3のボス。ソーマ王国の姫でツバメの姉。右目に聖霊石を持つ。ツバメと同じくガルーダには成り得なかった。花や動物を愛する。11歳。
- セセリ (声優:羽田由香)
- ステージ5のボス。特定条件を満たした場合は憎悪に満ちたセセリとなる。前作で瀕死となっていたところをソーマ軍によって救われる。アゲハ・タテハに対する恨みは3年経った今でも消えていない。15歳。
- 真ガルーダ・クジャク
- ステージ6のボス。ジャノメとツバメが融合した姿。