オリンパス
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 163-0914 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス (登記上は渋谷区幡ヶ谷2-43-2) |
電話番号 | 03-3340-2111 |
設立 | 1919年(大正8年)10月12日 |
業種 | 精密機器 |
事業内容 | 精密機械器具の製造販売 |
代表者 | 代表取締役会長 菊川剛 |
資本金 | 483億3100万円(2006年3月31日現在) |
売上高 | 単独 932億8,400万円 連結 9,781億2,700万円 (2006年3月期) |
従業員数 | 単独 2,886人 連結 33,022人 (2006年3月31日現在) |
決算期 | 3月末日 |
外部リンク | http://www.olympus.co.jp/ |
オリンパス株式会社(英文名称:Olympus Corporation)は、カメラ、デジタルカメラ、顕微鏡、胃カメラ、内視鏡、血液分析器、小型録音機など光学機器、電子機器を製造する日本の大手メーカーである。カメラ部門ではニコン、キヤノンの後塵を拝しているが、医療用の光学機器や顕微鏡では世界のトップシェアを誇る。特に内視鏡は世界シェア75%以上を占める。以前は光磁気ディスクドライブ(MO)も製造していたが市場の縮小に伴い、現在は生産を終了している。
社名は、ギリシャ神話の神々が住む山オリンポス山にちなむ。これは創業当時の社名である高千穂製作所の由来となる高千穂山が日本神話において神々が集う山といわれ、それを西洋神話になぞらえた場合オリンポス山にあたることから、顕微鏡などのブランドネームに使用したことに起因する。
コーポレートスローガンは「Your Vision, Our Future.」
目次 |
[編集] 沿革
- 1919年 - 高千穂製作所発足、顕微鏡の国産化に乗り出す。
- 1942年 - 高千穂光学工業株式会社に社名変更。
- 1949年 - オリンパス光学工業株式会社に社名変更。
- 2003年10月1日 - オリンパス株式会社に社名変更。
- 2004年10月1日 - 映像事業をオリンパスイメージング株式会社、医療事業をオリンパスメディカルシステムズ株式会社に分社。
- 2005年 - 松下電器産業と一眼レフデジタルカメラの開発で業務提携を結ぶと発表した。
[編集] 製品
[編集] 銀塩カメラ
[編集] OM-SYSTEM (M-SYSTEM)
1972年、「OLYMPUS M-1」を発売、「OLYMPUS M-SYSTEM」として発表。1973年に独ライツ社からのクレームにより、「OLYMPUS OM-1」および「OM-SYSTEM」に改名。小型軽量ながらその膨大なシステム群で定評があった。「宇宙からバクテリアまで」と謳ったそのシステム群は、ネイチャーフォト分野でプロフェッショナルから厚い信頼を得ていた。しかし、AF化の波に乗り損なったこと(AFボディは発売された)で一眼レフの市場シェアを失い、1990年代以降は一部の熱狂的ファンのみが使うシステムと化し、2003年にシステム販売終了となった(システム消滅時には残った在庫をマニアが奪い合う光景も見られた)。OMシステムの消滅とともにオリンパスは銀塩一眼レフ市場から撤退した。
[編集] オリンパス・ペン/ペンF
1959年5月6日発表、9月に発売したハーフサイズカメラ「オリンパス・ペン」は、「ライカのサブカメラとして使える小型カメラ」というコンセプトで開発された大衆向けカメラであった。廉価なカメラだが使いやすく設計され、高コストなズイコーレンズをあえて装備するなどの良心的な作りによって性能も優秀で、当時の大衆と専門家の双方から大歓迎された。一連のペン・シリーズは1960年代を通じたベストセラーとなってオリンパスの名を広め、「ペン」はハーフサイズカメラの代名詞になった。1963年5月、ハーフサイズカメラ唯一の一眼レフカメラとなった野心作「オリンパス・ペンF」を送り出している。
[編集] XA
スライド式のレンズバリアーを設けることでレンズキャップを不要にするという、画期的なデザインのコンパクトカメラ。このシリーズは XA、XA2、XA3、XA4、XA1 と5機種がある。中でも XA2 はそのデザインとコンセプトにより、カメラでは初めてグッドデザイン大賞(1981年度)を受賞している。
[編集] μ(ミュー)
35mmコンパクトカメラ。現在、「μ-III」まで発売されている。カメラでは珍しい防滴機能や、一眼レフと同じように視界がさえぎられることで、シャッターの音が聞こえなくても撮影されたことが分かる「ビジュアルファインダー(VF)」機能は有名。
[編集] デジタルカメラ
[編集] OLYMPUS E-SYSTEM
コダックとともに規格提唱をおこなったデジタル一眼レフカメラの新システムフォーサーズ・システムを採用し、現在までに「E-1」「E-300」「E-500」「E-330」「E-400」を発売し、実質的に35mmフイルム一眼レフカメラシステム「OM-SYSTEM」の後継ラインナップとしての役割を担っている。
俗に「コダックブルー」「オリンパスブルー」と称される豊かな発色や、OM-SYSTEMの当時を髣髴とさせる高品位性に定評がある商品ラインナップを構築している。また「E-330」は、レンズ交換式デジタル一眼レフとして初めて撮影時のライブビューに対応し、レンズ一体型デジタルカメラでは一般的な、ボディ背面の液晶モニタでのフレーミングも可能になった。純正状態での手ぶれ補正機構や、超音波モーターによるAF駆動への対応が遅れているなどの一部弱点はあったが、2007年7月発売予定の「E-510」によってボディ内手ぶれ補正機構の搭載、さらに2007年以降順次超音波モーター「SWD(Supersonic Wave Drive)」搭載レンズの開発・発売表明などによって克服されつつある。
なお、オリンパスのデジタルカメラには、前述の機種以外にも「E-○○」という型式名のモデルが存在したが、こちらはE-SYSTEM登場以前のCAMEDIA Eシリーズという非フォーサーズシステム規格のレンズ一体型デジタルカメラに分類される。
[編集] CAMEDIA(キャメディア)
コンパクトデジタルカメラとしてトップブランドを確立している。しかし、近年ではE-SYSTEMやμシリーズの陰に隠れるようになっている。
[編集] μ-DIGITAL(ミュー・デジタル)
生活防水機能を備えたμシリーズのデジタルカメラ版。コンパクトデジタルカメラとしてトップブランドを確立している。
最近では、デジカメも単に「μ」(DIGITALをつけない)として発売されている。
[編集] 防水プロテクター
カメラ単体での防水機能搭載や防水プロテクターの純正オプション提供など、オリンパスは伝統的にデジタルカメラの防水性の確保に注力している。
特に防水プロテクターに関しては、各時期の商品ラインナップのほぼすべてに対し、40~60mの耐圧水深を確保する本格的なモデルを個別に用意し、さらにはスピードライトやコンバージョンレンズの防水プロテクターまでも純正オプションとして提供するほどの力の入れようで、海水浴やファンダイビングからプロフェッショナル用途まで、水辺や水中での写真撮影に対する幅広いニーズに応え続けている。
[編集] 顕微鏡
1920年の「旭号」に始まる顕微鏡は、オリンパスの光学技術の原点であり、そのクオリティの高さから、研究分野では必須の存在となっている。1928年から製造された「精華号GE」は、昭和天皇が愛用していた事でも知られている。 現在では生物用顕微鏡と工業用顕微鏡の2分野に分かれている。 工業用途の顕微鏡では半導体や電子部品、液晶分野など幅広い用途に応じた製品を出している。 特に注力している製品として、工業用の走査型共焦点レーザー顕微鏡LEXTシリーズがあり市場の高い評価を得ている。
[編集] LEXT
2003年に市場投入されたオリンパスの工業用レーザ顕微鏡シリーズ。
[編集] LEXT OLS3100
408nm半導体レーザーの使用により、高分解能で微小領域の表面形状観察・計測が可能。誰にでも理想的な3次元画像が取得可能なオートマティック操作を実現している。 主な計測項目は平面計測、段差計測、非接触表面粗さ解析、膜厚計測。 2007年1月発売。
[編集] LEXT OLS3500
OLS3100とSPMが一体になったタイプ。ミリからナノまで1台で観察や計測が可能。
[編集] LEXT OLS3000-IR
波長の長い赤外レーザーを使い、シリコンを透過し裏側が観察・計測できる特殊なレーザー顕微鏡
[編集] 内視鏡
1950年に胃カメラの試作1号機を製作、以後様々な改良を進め、現在では日本のみならず世界でもトップシェアを誇る。近年ではカプセル型の内視鏡の開発にも成功している。
[編集] その他
マイクロカセットを開発したことで知られる(レコーダーは「パールコーダー(Pearlcorder)」の商標を持つ)。マイクロカセットの後継といえるICレコーダー、MOドライブ、工業用ビデオスコープ、理想科学工業との合弁による産業用大型プリンターなどを手がけている。なお、MOドライブについては市場縮小の影響を受けて、撤退する事が発表された。 (stub)
[編集] イメージキャラクター
(国内)
- 滝沢秀明:デジタルカメライメージキャラクター
- 浅田真央、浅田舞:μ-DIGITALイメージキャラクター
- 宮崎あおい:E-410/510イメージキャラクター
- 真田広之:企業広告「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ」CMキャラクター
- 加藤和彦、ANRI、平原綾香「“BRAVE CIRCLE”大腸がん撲滅キャンペーン」イメージキャラクター(イメージソングも担当)
(国外)
- BoA:韓国のオリンパス(Olympus Korea Co.,LTD.)で、μ-DIGITALのイメージキャラクターを務める。
[編集] 外部リンク
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