ガンフロンティア (ゲーム)
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『ガンフロンティア』はタイトーから1991年に発売されたアーケードゲームでキャッチコピーは「シューティングの醍醐味」。オーソドックスで極めてシンプルな縦スクロールシューティングゲーム。非常に凝った演出効果を随所に盛り込んだことが話題となった。
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[編集] 演出
ゲーム内容を盛り上げるものや、一見無関係な世界描写が細部に渡って行なわれた。当時のゲームにはこれほど意欲的な演出を施したものは無く、演出による付加価値や臨場感の表現の可能性を提唱した。
戦争映画の予告編のようなタイトルアトラクト。災禍にたたずむ少年が「僕たちは、待っていたんだ」とつぶやく。雲海を切り裂いての自機登場。岩山を砕くボス。森林から飛び立つ野鳥の群れ。接岸した船から走る兵士。ダム決壊に巻き込まれて轟沈するボス。谷底に落ちていく敵戦車。各ボスの登場シーンと爆発シーン。画面全体を巻き込む巨大な爆風。眼下に見える敵軍団。最終ボスと6発の弾丸による西部劇を模した決闘。
全5面という短い内容だが、その全てが特徴的な演出技法で語られている。これらの演出はその後のゲームでかなり直接的なオマージュが行なわれている。
[編集] キャラクターデザイン
全ての登場キャラクター(兵器)は全て銃をモチーフにデザインされている。西部劇の時代の銃のみをモチーフにしているかどうかの確認は困難だが、概ね西部劇の時代設定に近いとされている。
[編集] ボム
オーソドックスなシューティングゲームだったが、唯一特徴的だった仕様はボムを操作できるという点。ボムの爆風は画面下部から中心辺りまで進んだ時点でコントロールが可能になる。一定時間内はレバー入力と逆方向に進行し、絨毯爆撃やピンポイント爆撃が直感的に行なえる。
また、ボムをストックするためにアイテムを集め、25個集めた時点でボムが完成する。ストックされていないボムも発射可能だが、威力や射程距離が低下している。
[編集] 連射
自機の発射した弾が命中せず画面外に出るとランク(難易度)が上昇する。当時ゲームセンターに登場した連射装置への対策と思われるが、続編の『メタルブラック』共々この試みは成功したとは言い難い。
[編集] 敵の攻撃
後のシューティングゲームに最も強い影響を与えたのは敵弾の形状。敵の撃って来る弾が棒型で直感的に進行方向を判断できるというもの。
当時としては圧倒的な弾幕量であり、弾幕系シューティングのきっかけを作ったシューティングゲームであるという見方もある。因みに本作を開発したのは東亜プランではなく、タイトーである。
見越し射撃(先読み)による攻撃の行なわれる数少ないシューティングゲームの一つ。逆T字な上に縦長の当たり判定を持つ自機での回避は癖が強いとされる。
[編集] バトルガレッガ
1996年に登場した『バトルガレッガ』は『ガンフロンティア』のゲーム的要素を高度に昇華している。『バトルガレッガ』の製作者のコメントにも「『ガンフロンティア』のようなゲームを作りたかった」とある。
[編集] コンシューマー移植
- エクシングエンタテイメントより発売のセガサターン版。移植内容に問題がありファンからの評価は低い。トライアングル・サービスを立ち上げた藤野俊昭氏が開発に関わっていた。
- タイトーの過去の名作25本を収録したプレイステーション2用ソフト。『ガンフロンティア』は最初は遊べない追加タイトルで、一定条件を満たすか隠しコマンドを入力することでプレイ可能。(2006年9月7日に発売された廉価版では最初からプレイできる)