グレン・マトロック

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グレン・マトロック（Glen Matlock、1956年8月27日 - ）は、セックス・ピストルズオリジナルメンバーでシド・ヴィシャス加入前のベーシスト。メンバー中、唯一作曲能力があり、初期ピストルズのヒットナンバーに貢献した。

「プリティ・ヴェイカント」の作曲者であり、ライブでも、「ライアー」などでは超タイトでグルーヴするベースラインを弾いている。しかし、他のメンバーと比べ、世間的常識があり、月並みの向上心があったため、メンバー内で浮き上がってしまう。ジョニー・ロットンとの仲が最悪になり、1977年に脱退。

マネージャーのマルコム・マクラーレンは、プレスにグレンの脱退理由を「ポール・マッカートニーのファンであることが判明したため」と説明した。「実際、バンドとしては、演奏ができるよりは出来ない方がよいのだ」と確信を持って語るマクラーレンにしてみれば、唯一演奏のうまいグレンの脱退と演奏能力ゼロのシドの加入は、もってこいの展開だったに違いない。グレンはその後、リッチ・キッズ結成、さらにイギー・ポップのバックに参加したりしているが、やはり際立った存在にはなれなかった。またシド・ヴィシャスのソロプロジェクト「ヴィシャス・ホワイト・キッズ」にも参加している。しかし、ピストルズも、シド加入後、ロックンロール・サーカスを繰り返した後、空中分解。後年、スティーブ・ジョーンズが「グレンの脱退がなければピストルズもあんなに早くは解散しなかった」と語ったとおり、グレンの脱退はピストルズ・グレン双方に不幸な出来事であった（しかし、このバンドが現在まで語り継がれるセンセーショナルな存在になったのはシドの影響が大きいのも確かであり、このあたりの判断は微妙である）。

1996年ピストルズ再結成時に、グレンはベーシストとして参加。ちなみに、グレン執筆の「オレはティーンエィジャーのピストルズだった」は、おそらくピストルズの内幕を一番正しく伝えている内容の本であり、ピストルズファン必読である。