ケツイ ~絆地獄たち~
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ジャンル | シューティング |
対応機種 | アーケード[AC] |
開発元 | ケイブ |
発売元 | AMI |
人数 | 1~2人 |
メディア | 業務用基板 |
稼働時期 | 2003年1月 |
『ケツイ ~絆地獄たち~』(けつい きずなじごくたち)は、ケイブの業務用縦スクロールシューティングゲームで、2003年発売。総発売元はAMI。
世界中に兵器を輸出し莫大な利益を得ている企業「EVAC Industry」を壊滅させるため、国連主導の特殊部隊が極秘裏に武力介入するという筋立て。敵味方とも実在の兵器をモチーフにした硬派な作品で、売上こそ今一つだったものの、点数稼ぎの奥深さや、加減速やカーブを取り入れたトリッキーな弾幕などから、今でも一部ユーザーの間で根強い人気を誇る作品である。
音楽は並木学が担当し、ファンの高い評価を得た。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] システム
操作は1レバー+3ボタン(ショット、ボム、ショット連射のフルオート)で行う。
- ロックショット
- ショットボタン押しっぱなしでロックショットとなる。大まかには「怒首領蜂」シリーズのレーザーと同様の武器。中央のレーザーを当てることで敵機をロックし、横のオプションがその敵機を破壊するまで攻撃する。
- また、レーザーを当て続けるとその敵機を多重ロックし、攻撃するオプションが増加する。ただし、当て続けなければならない時間は敵機に近いほど短くなるため、手早く倒すためには接近戦が重要となる。また、レーザー自体の射程も短くなる。
- 倍率カウンター
- 敵を破壊すると出現する「倍率チップ」を獲得すると、倍率カウンターに数値が加算される。ロックショットで敵を破壊したとき、敵破壊得点にカウンターの分だけ倍率がかかり、カウンターが減少する。
- 倍率チップは最大5倍で、ショットで破壊した時は敵機に近ければ近いほど高倍率のチップが出現する。ロックショット使用時は、倍率チップを獲得した直後であれば、その倍率チップが爆風から出現する(派手な爆発を起こす敵機からはより多く出現する)。ロックショットでどの倍率チップが出現するかは倍率カウンターの下部にタイマーとともに表示される。
- また、倍率チップの合計が倍率カウンターの上部に表示され、ボス戦ではこちらが倍率カウンターとして適用される。
- 倍率カウンターはミスしたりボムを使用すると減る他、ステージ終了時に1に戻る。
- 2周目は倍率チップが廃止され、敵破壊時に自機から遠い爆風から撃ち返し弾が飛んでくるようになる。撃ち返し弾の数だけ倍率カウンターが上昇するため、稼ぐ場合は(1周目と異なり)できるだけ離れて倒すことが必要になってくる。
[編集] 自機
- 自機の種類と性能は、以下の通り。また、ロックショットの威力は両機共に同じ。
- TYPE-A AH-Y72 ティーゲルシュベルト
- 搭乗者;パイロット=アリス・ブラックバーン、ガンナー=ロイド・エヴァンズマン
- スピード;遅い
- ショットタイプ;威力の低い広範囲型
- ロック速度;速い
- TYPE-B FH-X4 パンツァーイェーガー
- 搭乗者;パイロット=スティール・ユレク、ガンナー=ユウマ・ナナセ
- スピード;速い
- ショットタイプ;威力の高い一点集中型
- ロック速度;遅い
- TYPE-Bは一度にロックする速度が遅いが、接近すればロック速度を速めることが出来る。
- また作中での敵として、この自機の量産型仕様と考えられる「AH-172-A ティーゲルハーゲン」と「FH-5-A パンツァーシュナイダー」が登場する。
[編集] 2周目にまつわる話
本作は開発時には「1周エンドの作品になる」と言われていたが、何らかの事情により製品版では特定条件を満たすと2周目に突入できる仕様になっていた。5面が他の面に比べて道中が長く、本作で登場する敵キャラがほとんど勢ぞろいするのがその名残ともいえるだろう。
また、本作では2周目自体が表2周目と裏2周目の2種類存在するという、他では類を見ない試みが行われている。
各2周目の突入条件は以下の通りである。なお、突入には以下の条件のほかに1人プレイでノーコンティニューで1周クリアするという最低条件を満たさなければならない。
- 表2周目=1周クリア時にミス数とボム使用回数を足した値が6以下で突入。
- 裏2周目=ノーミス、ノーボムでかつ1億2000万点以上で1周クリアすると突入。
表と裏の違いは以下の通り。
- 裏では突入時に「WELCOME TO SPECIAL ROUND」というテロップが表示される。
- 撃ち返し弾の量が表より裏の方が多い(その分、敵破壊時の倍率カウンタの上昇量も表よりも多くなる)。また、撃ち返し弾の色も赤から青に変化するほか、封印範囲が表より狭くなる。
- 裏では面クリア時にもらえるボーナス点数が2倍になる。
- 裏では5面ボスである試作型重機動戦闘要塞“エヴァッカニア”の最終形態がない代わりに、破壊後に本作の真ボスである光翼型近接支援残酷戦闘機“エヴァッカニア・ドゥーム”との戦闘に入る(なお真ボス戦突入後はコンティニューが不可能になる)。
[編集] 攻略DVDにまつわる話
当初はプレイステーション2に怒首領蜂 大往生やエスプガルーダを移植したアリカから本作の攻略DVDを発売される予定であった。しかし制作の過程である問題が起きたことにより発売中止となってしまい、ファンの間ではその存在が幻になりつつあった。
それからしばらく間が空いた2005年8月にバトルガレッガやライデンファイターズシリーズの攻略DVDを発売し、ファンから高い信頼を得ていたINHが本作の攻略DVDを発売すると発表。その予告映像が同時期に発表された虫姫さまの攻略DVDの予告映像と共に2005年度のアミューズメントマシンショーのケイブブースで出展され、2005年10月31日にこれまでの数々の困難を乗り越え、晴れて発売となった。
[編集] 移植にまつわる話
アリカが本作の移植をたびたび話題に出すが、実現には未だ至っていない。その要因として、当時の現行ゲーム機(プレイステーション2など)では完全な移植が難しかったことや、シューティング市場の衰退が背景にあるようだ。2007年1月現在、プレイステーション2版の開発中止がアナウンスされ、他機種への移植は商業面での理由から厳しいとし、消極的な状況になっている。
また、プレイステーション3でケツイを移植しようとした所、ソニーが制作を許可しなかったという噂も流れたが詳細不明。
2007年3月末には、アリカ副社長・三原一郎氏のブログにてニンテンドーDS上で動作する試作版の映像が公開されたが、こちらも製品化は未定とのことである。
[編集] その他の話
- EVACを逆から読むとCAVEとなる。
- 本作のタイトル『ケツイ ~絆地獄たち~』が示すものはゲーム上では判然としないが、パイロット同士、あるいは彼らの関係する人間との「絆」を表しているとされる。
- 自機、敵機ともに航空機はほとんどがヘリコプターになっている。そのためか、主人公の名前もブラックホーク・ダウンからとられている。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: シューティングゲーム | アーケードゲーム | 2003年のコンピュータゲーム | ケイブ