ゴアトランス
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ゴアトランス(英語 Goa Trance)は電子音楽の1種のトランスの1ジャンルである。そのまま、ゴアと呼ばれたり、604などと呼ばれたりもする。90年代始めにインドのゴアで生まれた。ゴアトランスは、1994~98年ごろに最盛期を迎え、その後、製作・人気の両方の面で急激な衰退を迎えた。それに代わるように、サイケデリックトランス、またはサイトランスと呼ばれるジャンルの隆盛が始まった。ゴアトランスは、90年代後半から2000年初頭にかけてのサイトランスの出現に大きな影響を及ぼしている。この時期は、この2つのジャンルが融合を果たした時期といえる。専門的な定義を除けば、ゴアトランスとサイトランスの区別は、個人の好みの問題となっている。よって、その2つを同義語として使う者いれば、それを聞き分ける者もいる。例えば、「無機質なサイトランス」と「有機的なゴアトランス」のように区別する者がいる。但し、この2つのジャンルは、調性の質、構造、感覚において、音波的な区別ができることも事実である。多くの国において、ゴアトランスは、他のジャンルのトランス音楽と比較すると、アンダーグランドな存在であり、あまり商業的な音楽であるとは言えない。ゴアトランスは、クラブでかけられるというよりは、野外パーティー(レイヴと呼ばれることが多い)や野外フェスタで耳にすることが多い。一般的なトランス音楽と異なるものとして、ゴアトランスを聞くことのできる重要なコンピレーションやアルバムとしては、「Project II Trance」や「Order Odonata」を挙げることができる。