サツマハオリムシ
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サツマハオリムシ(薩摩羽織虫、学名Lamellibrachia satsuma)は、ハオリムシの一種(チューブワーム)であり、鹿児島湾(錦江湾)の海底にのみ生息する有髭動物の一種。ミミズやゴカイの仲間である環形動物とする説もある。
1977年に行われた鹿児島湾北部の調査で海底に群生する様子が撮影された。1993年2月の再調査において水深82mの海底で見つかった群生からの採取に成功し、ハオリムシの一種と確認された。1997年に新種としてサツマハオリムシと命名された。ハオリムシの仲間では世界で最も浅い海に棲む新種である。一見すると植物の枝か根っこの集まりのように見える細長い管状の殻の中に入って生活をしている。桜島北部の海底にある若尊の噴気活動に伴った海底からの温水噴出孔の近辺に生息し、硫化水素を栄養分とするバクテリアと共生しており、口や消化器官を持たない不思議な生物である。
いおワールドかごしま水族館(鹿児島県)・新江ノ島水族館(神奈川県)・海洋研究開発機構(神奈川県)の3箇所でサツマハオリムシの飼育・常設展示をおこなっている。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 大木公彦 『かごしま文庫61 鹿児島湾の謎を追って』 春苑堂出版、2000年、ISBN 4-915093-68-9。
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