ジャイアント (自転車メーカー)
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ジャイアント(GIANT、捷安特、巨大機械工業)は、1972年に台湾で設立された自転車製造メーカー。本社は台中県大甲鎮。主要な生産物は中・低価格帯のマウンテンバイク、クロスバイク、ロードレーサーで、その他にもレース用自転車や折り畳み自転車など様々な自転車を開発・生産・販売している。また松下電器、フォード、ルノーと共同で電動アシスト自転車の開発にも携わった。
1980年に台湾第一位の自転車メーカーとなって以降、1986年にはヨーロッパ、1987年にはアメリカに進出。1989年から日本法人も構える。生産された自転車のほとんどは国外輸出向けで、他社のODM、OEM生産も積極的に携わっている。
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[編集] 製品
手頃な価格帯の製品に強みを持つ同社であるが、Tig溶接のアルミフレームやカーボンフレームの製造に関しては世界屈指の技術力をもつ。高度に機械化された生産ラインは同社の最大の特徴で、低価格高品質な製品の製造を可能にしている。スローピングフレームと呼ばれる極端にトップチューブの傾いたフレーム設計は同社が開発した技術で、これは世界的に普及し、他社からも多くのスローピングフレームが発売されている。またコンポーネントメーカーのSRAMや、ブレーキのテクトロ、ホイールのフォーミュラなどといった台湾の自転車部品メーカーとの繋がりも深く、より一層のコストダウンを可能にしている。
現在では高い技術力を生かして、プロのロードレースにも積極的に進出している。かつてスペインのプロ自転車チームであるオンセにフレームを供給したこともあり、2006年現在、ヤン・ウルリッヒ選手などを擁するドイツの有力プロ自転車チームT-モバイルにフレーム供給を行っている。また、ODM・OEM生産ではコルナゴなどヨーロッパ名門ブランドの比較的低価格な製品の生産も行なっている。
また、一般への普及も特筆すべきものがある。「ジャイアントなら同じ値段でワンランク上の自転車が手に入る」とも言われ、スポーツとしての自転車の普及に貢献していたが、近年では以前ほどの優位性は無くなりつつある。
[編集] 批判
同社には日本国内に熱心なアンチが存在することでも知られている。同社に批判的な人々の代表的な意見は「近年、初心者受けの良いシフターやディレーラーなどの変速系に他社よりもワンランク上の製品を採用し、ホイールに低価格で見かけもよいが重たいホイール、ブレーキにも低価格な製品を採用するという戦略を、主に10万円以下の製品において取っている。実際には変速系の性能差はわかりにくいがホイールやブレーキの性能差は大変重要である」というものである。
一方、こういった意見に対しては「10万円以下のクラスの他メーカー製バイクもブレーキやホイールは同程度の物が多く採用されており、ジャイアント製の10万円以下クラスのバイクが他のメーカーに比べて特に悪いブレーキやホイールを採用しているわけではない。同価格帯で比較した場合、変速機・シフターが他のメーカー製よりもワンクラス高いグレードが採用されている分、アンバランスな傾向が目立ちやすいだけである」という反論もある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 参考文献
- 中華圏企業ハンドブック 2002年夏号 (ISBN 4-434-02228-8)
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