ジョン・ロー
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ジョン・ロー(John Law 1671年4月21日 - 1729年5月21日)は、英スコットランドの経済思想家。真手形主義(The Real Bills Doctrine of Money)や稀少価値論(The Scarcity Theory of Value)を提唱した嚆矢とされる。
貨幣(金銀)が価値をもつのはその交換性においてであり、貨幣そのものには価値は無い、国富を増強するには国内外の交易を活発化させることであって、貨幣(金銀)を蓄積することそれ自身に意味はないとした。通貨の信用性を初めて強調し、重金主義の批判者としてフランスのコルベール主義を批判し、フランス王立銀行(Banque Générale 1716)の設立に寄与した。フランス領ミシシッピー開発を担保とした不換紙幣の発行を主唱し、ルイ14世が生み出した多大な財政赤字の解消に寄与した一方、1720年の取り付け騒ぎを招きフランス大革命の遠因を作り出すこととなった。