ジョージ・ブレット

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ジョージ・ブレット（George Howard Brett , 1953年5月15日 - ）は、アメリカ合衆国ウエストバージニア州出身。カンザスシティ・ロイヤルズで活躍していた元メジャーリーガー（三塁手）である。

目次 1 来歴 2 パインタール・バット事件 2.1 参考資料 3 背番号 4 タイトル 5 年度別打撃成績

[編集] 来歴

1971年ドラフト29位でロイヤルズに入団。その2年後1973年メジャー昇格。

1976年に初の首位打者に輝く（打率.333）。1番打者としてシーズン200安打を2度記録するなど、メジャーを代表するバッターに成長し、同年からの3年連続アメリカンリーグ西地区優勝に貢献。いずれもニューヨーク・ヤンキースとのリーグ優勝決定戦に敗れたが、4度目の対決でヤ軍を破り、初のワールドシリーズ出場を果たした1980年はブレット最高のシーズンと言え、打率3割9分以上を65年ぶりに記録し、テッド・ウィリアムズ以来の打率4割を達成できるかと期待されたが、夏場に不調に陥り、結局このシーズンは打率.390にとどまったものの2度目の首位打者に輝いた。またこの年アメリカンリーグMVPを受賞している。

その5年後の1985年には、悲願のワールドシリーズ制覇に貢献し、ゴールデングラブ賞も獲得した。1990年に3度目となる首位打者を獲得（打率.329）。3ディケイド（1970年代、1980年代、1990年代）で首位打者に輝いたのは現在もブレットただ一人のみである。1992年には3000本安打を達成した。1993年シーズンを最後に現役を引退した。

通算3154安打　317本塁打　1595打点など、ニックネームゴージャス・ジョージに相応しいロイヤルズでの数々の球団記録を保持し、1999年には資格1年目にしてアメリカ野球殿堂入りを果たした。現在は、ロイヤルズの副社長を務めている。

また、親日家としても有名で、1981年の日米野球等たびたび来日することも多い。

[編集] パインタール・バット事件

ジョージ・ブレットの野球人生で一番有名なのがこの事件である。発端は1983年7月24日、ヤンキー・スタジアムでのニューヨーク・ヤンキース対カンザスシティ・ロイヤルズの試合だった。4対3とヤンキース1点リードで迎えた9回表2アウト、ランナーを1人置いてブレットに打席が回ってきた。ブレットは起死回生のホームランを放ち、4対5と逆転した。

すると、ヤンキースの監督であるビリー・マーチンが抗議をした。マーチンは、ブレットのバットに塗られた松脂（パインタール）が18インチという規定の範囲を超えていると主張した。球審はそれを認め、違反バットを使ったブレットはアウト、すでに2アウトだったので試合終了という判定を下した。ブレットは猛抗議したが判定は覆らなかった。

実は、マーチンはブレットのバットが違反であることを以前から知っていた。そのことを持ち出す好機をずっとうかがっており、これ以上ない場面で指摘したのだった。

ロイヤルズはこの裁定について提訴した。試合の4日後、アメリカン・リーグのリー・マクファイル会長は、ブレットはルールの精神を犯したわけではないとしてロイヤルズの提訴を支持した。つまりホームランは有効なので、5対4の9回表2アウトから試合を再開しなければならないことになった。

また主催者であるヤンキースは、再試合は残り4アウトしか残っていないのに入場料は普通の試合と変わらない額にすると発表した。すると怒ったファンが裁判所に訴え出て、それが認められた。ある裁判所などは、正式な試合をするようにという判決を下した。とうとう裁判はニューヨーク最高裁の上訴審まで持ち込まれることになった。結局、裁判長のジョセフ・P・サリバンは「プレー・ボール」という判決を下し、料金は割安で9回表2アウトから試合は再開されることになった。

ブレットのホームランから25日後の8月18日、試合の残りは10分足らずで終了し、騒ぎはようやく決着したのだった。

[編集] 参考資料

• ブルース･ナッシュ、アラン･ズーロ『アメリカ野球珍事件珍記録大全』東京書籍、1991年

[編集] 背番号

• 5（ロイヤルズの永久欠番）

[編集] タイトル

• MVP:1回 1980年
• 首位打者:3回 1976年(.333)、1980年(.390)、1990年(.329)
• 最多安打:3回 1975年(195)、1976年(215)、1979年(212)
• 最高出塁率:3回 1981年(.361)、1982年(.378)、1983年(.385)
• ゴールドグラブ賞:1回 1985年
• シルバースラッガー賞:2回 1980年、1985年

[編集] 年度別打撃成績

年度	チーム	試合	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	打点	盗塁	四球	三振	打率	出塁率	長打率
1973	KC	13	40	2	5	2	0	0	0	0	0	5	.125	.125	.175
1974	KC	133	457	49	129	21	5	2	47	8	21	38	.282	.313	.363
1975	KC	159	634	84	195	35	13	11	89	13	46	49	.308	.353	.456
1976	KC	159	645	94	215	34	14	7	67	21	49	36	.333	.377	.462
1977	KC	139	564	105	176	32	13	22	88	14	55	24	.312	.373	.532
1978	KC	128	510	79	150	45	8	9	62	23	39	35	.294	.342	.467
1979	KC	154	645	119	212	42	20	23	107	17	51	36	.329	.376	.563
1980	KC	117	449	87	175	33	9	24	118	15	58	22	.390	.454	.664
1981	KC	89	347	42	109	27	7	6	43	14	27	23	.314	.361	.484
1982	KC	144	552	101	166	32	9	21	82	6	71	51	.301	.378	.505
1983	KC	123	464	90	144	38	2	25	93	0	57	39	.310	.385	.563
1984	KC	104	377	42	107	21	3	13	69	0	38	37	.284	.344	.459
1985	KC	155	550	108	184	38	5	30	112	9	103	49	.335	.436	.585
1986	KC	124	441	70	128	28	4	16	73	1	80	45	.290	.401	.481
1987	KC	115	427	71	124	18	2	22	78	6	72	47	.290	.388	.496
1988	KC	157	589	90	180	42	3	24	103	14	82	51	.306	.389	.509
1989	KC	124	457	67	129	26	3	12	80	14	59	47	.282	.362	.431
1990	KC	142	544	82	179	45	7	14	87	9	56	63	.329	.387	.515
1991	KC	131	505	77	129	40	2	10	61	2	58	75	.255	.327	.402
1992	KC	152	592	55	169	35	5	7	61	8	35	69	.285	.330	.397
1993	KC	145	560	69	149	31	3	19	75	7	39	67	.266	.312	.434
Total	'	2707	10349	1583	3154	665	137	317	1595	201	1096	908	.305	.369	.487