タチコマ
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タチコマとは、テレビアニメ 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』及び、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』ならびに『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』に登場する架空の戦闘車両(クモ型多脚戦車)。劇中ではAI搭載型戦車は『思考戦車』と呼ばれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 概要
アニメのタチコマは漫画の『攻殻機動隊』に登場するフチコマとはデザインが変えられている(後述)。
目の様に見える3つの光学素子を持つ球形の外部観測機器と口の様に見える擲弾発射器(グレネードランチャー)を特徴とする。通常、擲弾砲には円筒形の砲口カバーが掛けられており固定器具で封印されている。使用する前に人の手で固定器具を取り外さなければならない。擲弾発射器はガトリングガンに換装することが可能である。
アニメの設定では公安9課が保有する思考戦車である。色は濃い水色。光学迷彩機能を搭載している。人工ニューロチップを用いた人工知能(AI)を搭載し、自ら思考し自律的に行動することができる。自然言語だけでなくボディーランゲージまで使いこなすため妙に人間臭く見える。何故か子供のような言動に設定されている。タチコマのAIは当初本体に内蔵されていたが、『2nd GIG』以降のいわゆる「ニュータチコマ」となってからは、草薙素子の思惑によりニューロチップ開発者の有須田博士によってAIは改良され、米帝の人工衛星に積み込まれた(つまりタチコマ本体は脳無し状態である。しかしタチコマ自身はそれを自覚していない節がある)。タチコマの声優は玉川紗己子で、彼女の喋ったセリフを機械加工して使用している。
後部ポッド部と中央胴体部からなり、胴体には1組2本のマニピュレーター付きの腕と2組4本の脚、擲弾発射器と外部観測機器が接続されている。マニピュレーターは3本指でオセロを打つ程度の器用さを備え、右腕にはチェーンガンが固定装備されている。機体各所にワイヤー発射装置があり、空気に晒されると瞬時に固化する液体ワイヤーを発射して空中を移動することができる。足にはタイヤがあり、足による歩行、タイヤによる走行が可能である。後部のポッドは人が乗り操縦が可能である。装甲はせいぜい小口径のライフル弾を弾く程度で(それでも数発被弾すると装甲がへこむ)、機関砲等の射撃は簡単に貫通してしまう。
なお『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』と『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』とではタチコマのデザインなどが若干異なり、続編の『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』ではタイヤゴムの変形などが加えられ、機能面では、エージェント機能を備えネットワークへダイブすることが可能になったほか、共有化の際は必要なものだけを共有化できるようにもなり、個性の分化が激しくなっていった。なお、ゴースト(魂や心、自我)を持ったのかは不明であるが、アニメS.A.C.ではバトーをかばう為に自己犠牲していくタチコマたちを見て素子は「彼らはゴーストを得た」と語っている。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』ではエージェント状態でそれぞれ違った配色となり、コミックス2巻のような「ロキ」「コナン」「マックス」「ムサシ」などの個体名も与えられている。
販売されているアニメの DVD には『タチコマな日々』という題名の新作ショートアニメが購入特典として収録されている。題名の通りタチコマを主役としたタチコマ以外の登場人物がいない5分アニメである(ただしジェイムスン社長が登場するなどの例外もあり)。
[編集] 名称
コナミが「フチコマ」を商標登録しているため、タチコマに変わったという説があるが特許電子図書館で調べる限り、「フチコマ」の商標登録の出願はされていない。また、「タチコマ」も出願されていない。
他に考えられる説としては声優が「フチコマ」と発音し難いため、「タチコマ」に変えられたなどがある。
[編集] その他の機体
- ウチコマ
- ウチコマは『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』最終回のラストシーンと『攻殻機動隊 S.A.C Solid State Society』に出てきた緑色の戦車で、デザインは原作のフチコマとアニメのタチコマを合わせたような(ボディーの真ん中から下はタチコマと完全に同一)デザインになっている。声優はタチコマと同じく玉川紗己子が担当し、AIが成長途上にあるためタチコマよりも機械的な声になっており、『攻殻機動隊 S.A.C Solid State Society』では、配備後2年を経てもタチコマ程の成長は見せていない。AI自体はタチコマと同等のものが搭載されているようである。『ウチコマナ日々』では自虐ネタ『AI愚連隊ウチコマンズ』を披露した。
- ジガバチAV
- 高性能戦闘ヘリコプターの一つで、海上自衛軍の支援戦闘ヘリ「ジガバチ」の改良・発展型として陸上自衛軍に配備されている。人工知能 (AI) を搭載しており、タチコマとは違い人間が搭乗することを前提とした支援型AIであるが、無人でも操縦・戦闘が出来る。名称は実在の昆虫「似我蜂」からきている。その名のとおり、外見は蜂のように見え、蜂の尾に当たる部分にはガトリングガンを装備していてあらゆる方向に撃つことができる。ジガバチは認識コードが与えられ、自分の認識コードを持つ機体や、ジガバチに攻撃を仕掛けるもの(自機と違う形状のヘリも?)に攻撃をする。なお、喋らないが『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』でタチコマが「根暗なAI」と称した。
- HAW-206
- 加護タケシにより設計された剣菱重工製の新型多脚戦車。足や光学素子?のデザインにタチコマと共通点が見られるが、倍以上の大きさがある。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』第2話において、加護の同僚であるオーバ・トシオが、死んだ加護の脳を戦車のAIに繋ぎ、暴走した。その後、経緯は不明だが陸上自衛軍に正式採用され、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』にも試作車の白ではなくオリーブドラブ(軍用車両に使われる緑色の1種)のカラーリングで登場する。
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