ハッピー☆マテリアル
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『ハッピー☆マテリアル』はテレビ東京系列で放送されたテレビアニメ「魔法先生ネギま!」(以下「ネギま!」)の主題歌。ファンの間では「ハピマテ」と略されて呼ばれることが多い。
- 作詞:うらん
- 作曲:大川茂伸
- 編曲:大久保薫
- 歌:麻帆良学園中等部2-A
- 発売:キングレコード・スターチャイルドレーベル
目次 |
[編集] 歌に関する概要
「ネギま!」という作品自体が、麻帆良学園中等部2-Aの生徒31人を中心とした、数多くのキャラクターを前面に押し出した内容であるのを受けて、この曲も麻帆良学園中等部2-Aの生徒たちが唄う歌(キャラクターソング)として位置づけられている。特徴的なのは6ヶ月の放送期間の中で、毎月唄うキャラクター(すなわち唄う担当声優)を換えてきているという点である。これによって好きなキャラクター(もしくは声優)が唄うバージョンを選んで手に入れるという事が言える。しかし、ただキャラクターを換えるだけではなく、曲のアレンジや2番以降の歌詞にも変更が加えられているのも注目点だと言える。なおこの6枚のバージョン以外にも、アニメ最終回で使用された2-Aの生徒全員が唄う最終バージョン、DVD1巻の初回版特典CDに収録された主人公のネギ達が唄うバージョン、イベント「大麻帆良祭」のライブ盤のボーナストラックに収録された各月の歌詞を繋げたメドレーバージョンと、計9バージョンがリリースされるという、1つの楽曲においては珍しい事例となった(なお、前述のライブ盤にはライブバージョンも2バージョン収録されており、それも含めると計11バージョンが何らかの形でCD収録されている事になる)。またFARM RECORDSから発売された「LOVE PARAPARA2 パラパラ踊る大捜査編」にはEuro Mix盤がノンストップ形式ではあるが収録されており(歌はRAYTO)、同梱のDVDには同曲を使ったパラパラが収録されている。
[編集] 各バージョンの担当キャラクター
各キャラクターの詳細・担当声優については当該項目を参照。
シングルCDとしてリリースされた曲
発売日 | 担当キャラクター | |
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1月放送分 | 2月16日 | 相坂さよ・明石裕奈・朝倉和美・綾瀬夕映・和泉亜子・大河内アキラ |
2月放送分 | 3月2日 | 柿崎美砂・神楽坂明日菜・春日美空・絡繰茶々丸・釘宮円 |
3月放送分 | 4月6日 | 古菲・近衛木乃香・早乙女ハルナ・桜咲刹那・佐々木まき絵 |
4月放送分 | 5月11日 | 椎名桜子・龍宮真名・超鈴音・長瀬楓・那波千鶴 |
5月放送分 | 6月8日 | 鳴滝風香・鳴滝史伽・葉加瀬聡美・長谷川千雨・Evangeline. A. K. McDowell |
6月放送分 | 7月6日 | 宮崎のどか・村上夏美・雪広あやか・四葉五月・Zazie Rainyday |
最終ヴァージョン | 8月3日 | 上述の全31名 |
DVD第1巻(6月22日)発売特典CD収録曲
- 魔法の国トリオ:メルディアナ合唱団 (ネギ・スプリングフィールド、アーニャ、ネカネ・スプリングフィールド)
ライブアルバム「麻帆良学園 大麻帆良祭」(発売:2006年3月29日)収録曲
- メドレーバージョン(1月1・2番→2月2番→3月2番→4月2番→5月2番→6月2番・ラスト)
- メドレー・ライブバージョン(上記のライブバージョン)
- アンコール・ライブバージョン(31名全員とネギ役の声優が全員参加。歌詞・アレンジはメルディアナバージョンと同一、2番のみネギ役の佐藤利奈がソロで歌唱)
[編集] ランキングの状況とネットでの購入運動
[編集] 連続チャートイン
「ネギま!」アニメ放送前から既にキャラクターソングがオリコンなどのCD売り上げチャートにランクインしていた状況からこの時点でランクインの素地はあったといえる。そして実際に発売されると、バージョン違いながら、同じ曲が毎月チャート上位にランクインするという、異例の状況となった。これには元々の作品のファンやキャラクターの担当声優のファンなど、「ネギま!」のファン層が集中して購入しているという大前提があるからである。また、初回プレス版限定の封入特典を目的とした購入者も多数いた事も想定できる。事実、中古CD市場では初回版が高額取り引きされている。
その一方で、一般層が他の用途(特に携帯電話の通信費)にお金を費やしている、音楽配信やP2Pなどによるファイルのやり取りを始めとしたインターネットを使った楽曲の入手など、様々な要素でCDを買わなくなったという事情も影響し、こうしたアニメソングが容易にランクインしやすい状態があるといえる。実際に、以前ではミリオンセールス確実と思われていた有名アーティストの楽曲が、容易に達成できないという現状がある。
また、2000年代初め頃からオリコンでは一部のアニメ専門店での売り上げが加算されるようになり、アニメ専門店での購入が多い高年齢のアニメファン向けのアニメソングに有利な状況になった(この頃からあまり知名度のないアニメ関連楽曲でも下位ながらよくランキングされるようになった).実際、アニメ専門店での売り上げを加算しないプラネットやJAPAN COUNTDOWN等のランキングではオリコンよりかなり下の順位になったり、ランクインすらしないこともある。
[編集] ネットから巻き起こった運動
この事に付随してネット上で購入運動が起きた事も興味深い点だと言える。元来アニメソングは、現在多数の番組が行っているような有名アーティストが唄う主題歌は別としても、『名探偵コナン』・『クレヨンしんちゃん』や『ポケットモンスター』などといった一般認知度の高いアニメ作品の主題歌か、さもなければ林原めぐみなどいわゆる人気声優がリリースしたアルバムがランク上位に来た時ぐらいしか注目を浴びない。逆に言えばこの曲のようなアニメファンには著名でも一般にはマイナーなアニメ作品の主題歌はアニメの楽曲を扱うメディアでは注目されるが、一般メディアでは無視される状況にある。テレビの音楽番組では紹介されても数秒どまり、また番組によってはレコード売り上げ以外の要素(有線やリクエスト等)が加味されるランキングを紹介している場合があり、この場合はランクインすらされないケースがある(発売元のレコード会社が一般メディア向けに積極的にプロモーションを行わないことや、この種のアニメソングはプロモーション・ビデオがない場合が多くテレビの音楽番組では扱いにくいというのが理由として挙げられる。また、コアなファンがいる一方で、ライト層が殆どいないため、テレビで紹介しても売り上げ上昇に繋がらないと判断されている可能性もある(ちょうど、新興宗教の代表の著書がベストセラーランキング上位でもテレビのベストセラー紹介では無視されるのと同様に)。あるいは、アニメに密接にリンクした楽曲だとその番組の宣伝になる、しかもそれが他局の番組だとなおさら、という意識も働いているものという説もあるが、前述のとおり、一般層に知名度のあるアニメの主題歌であればこの種の楽曲であっても一般メディアで取り上げられることも多いことから、この可能性はやや薄い)。
こうした冷遇の状態に対して、インターネット掲示板2ちゃんねるのニュース速報(VIP)板において「5月版を皆で購入し、オリコン1位にして音楽番組で注目させよう」という運動が発生する。この運動は面白がった他の2ちゃんねらーにも飛び火し、さらには2ch外の他のネット全体を巻き込んだ一大ムーブメントとなった。さらに同時期にこの曲を取り上げたラジオ番組であるアーティストがアニメソングのランクイン批判や萌え系・アキバ系蔑視ともとれる発言をした事もこの運動を加速させた。しかし、結果としては初回プレス枚数が5万枚止まりだったこと、発売元のキングレコードが「こういったCDはコアな層を対象にしてリリースされるもので、一般層向けではない」と、一般メディア向けに積極的にプロモーションを行わなかった事もあり、シリーズとしては初動記録を更新したものの、発売日当日のオリコンデイリーチャートでは3位、6月14日付ウィークリーチャートでは4位に留まった。
また、任天堂から発売されている音楽ゲーム『大合奏!バンドブラザーズ』(DS)の追加曲のリクエストが任天堂のホームページ上で行われた時、上記の運動ほどではないが、『ハッピー☆マテリアルをバンブラに入れる運動』が一部でおこり、見事追加曲カートリッジへの収録を果たした。
[編集] メディアの反応
この運動が始まった頃、5月31日にはIT系ニュースサイト「ITmedia」が「「アニメソングをチャート1位に」 ネット運動勃発」として伝えている。このニュース記事は同日から配信提携を結んだ「YOMIURI ONLINE」でも配信されたことが話題となった。
ウィークリーチャートが発表された6月14日には、前述のITmedia以外に、オリコンがこの曲に関するニュース記事を配信、その中でこの運動のことを伝えた他、6月15日付東京新聞朝刊芸能面でこの運動に関する記事を掲載、この中でCDショップや関係者に取材している。
[編集] データ
オリコンチャート | 最高位 | 初動売上 | 累計売上 |
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1月放送分 | 最高位8位 | 29,576枚 | 55,067枚 |
2月放送分 | 最高位11位 | 23,488枚 | 47,530枚 |
3月放送分 | 最高位5位 | 30,939枚 | 49,379枚 |
4月放送分 | 最高位3位 | 33,387枚 | 48,143枚 |
5月放送分 | 最高位4位 | 45,324枚 | 57,990枚 |
6月放送分 | 最高位3位 | 38,682枚 | 50,492枚 |
最終ヴァージョン | 最高位9位 | 34,056枚 | 47,794枚 |
- World Singles Chartでは、4月放送分が世界ランク20位、5月放送分が世界ランク14位
- 2005年の第10回アニメーション神戸 ラジオ関西賞(主題歌賞)受賞曲
- 2005年にNHKが実施したスキウタ~紅白みんなでアンケート~で紅組50位
- 2005年6月、『ハッピー☆マテリアル』を含めた『ネギま!』関連のマキシシングルの累計販売枚数が100万枚を突破(スターチャイルドの発表による)
- アニメ第2シリーズ「ネギま!?」のオープニングテーマ曲「1000% SPARKING!」でも、オリコンチャートで同じ現象が起こると考えられていたが、あまり積極的な運動が起きるには到らず(作者サイドも起こすつもりはなかったらしい)最高位7位(初動15,821枚)だった。
[編集] 関連項目
- この曲が収録されている。
- 追加曲カートリッジに、この曲が収録されている。
- 企画盤「Hyper Yocomix2」にこの曲が収録されている。
- 神楽坂明日菜役としてこの曲に元々参加しており、神田のベストアルバム「Bitter Sweet Friday」にこの曲のソロバージョンが収録されている。
[編集] 外部リンク
魔法先生ネギま! | |||||
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メディア展開: | 関連商品 - ハッピー☆マテリアル - ネギまほラジお - ヒミツの放課後 | ||||
アニメ: | 第1作 - ネギま!? | ||||
設定: | 魔法・技 - パクティオーカード - 京都神鳴流 - 麻帆良学園都市 | ||||
魔法先生ネギま!の登場人物 | |||||
担任: ネギ・スプリングフィールド | |||||
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