ヒアデス星団
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ヒアデス星団(Mel 25 - Hyades)はおうし座にある散開星団。一等星アルデバランを含むV字形の星の集団で、おうし座の顔の位置にある。日本ではその形状から釣鐘星(つりがねぼし)と呼ばれていた。 距離は1982年にオリン・エッゲンによって145光年の値が求められ、今日では150光年と考えられている。実質上のサイズ(直径)は30光年ほどと推定されている。
2007年には日本の国立天文台を中心とする研究グループによって、星団を構成するeps Tau(おうし座イプシロン星)に巨大ガス惑星「eps Tau b」が発見された。
この星団は、メシエカタログにもニュージェネラルカタログ(NGC)にもリストされていない。同じおうし座の散開星団であるプレアデス星団よりも若干地味ではあるが、約40個ほどの明るい星がある。目視上星団内に位置しているアルデバランの距離は65光年ほどであり、星団の位置する150光年よりもずっと手前に位置している。従って、アルデバランは同じ方向にあるように見えるだけで、この星団自体には属していない。星団はいっかくじゅう座ε星の方向に向かって秒速40kmほどで移動している。
ギリシア神話では、ヒアデスは巨人アトラスとアエトラの間に生まれた7人姉妹とされており、プレアデスの7人姉妹とは異母姉妹の関係にある。