フレディ・マーキュリー追悼コンサート
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フレディ・マーキュリー追悼コンサート(Freddie Mercury Tribute Concert)は1992年4月20日、イギリス、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで、クイーンのボーカリストであるフレディ・マーキュリーの追悼のために行われた大規模なコンサート。
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[編集] 概要
フレディ・マーキュリーの死因がエイズによるカリニ肺炎であることから、残されたクイーンのメンバー3人ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンが中心となり、エイズ撲滅のためのチャリティー・コンサートとして行われた。 会場はクイーンの1986年ツアーでも使用され、1985年のライヴ・エイドでもクイーンが伝説的なパフォーマンスを行ったウェンブリー・スタジアムとなった。
収容人数は72000人であり、チケットは発売開始から二時間で完売となったという。
チャリティーの意識は徹頭徹尾貫かれており、マスコミやフォトグラファーなどの関係者であってもチケットを購入し、その上でパスが発行されていた。 コンサード・グッズなどの商品の収益もチャリティーに回された。 最終的な数字は現在も継続中なのではっきりしないが、各アーティストが後にCDなどでリリースした収益なども含めると50億円以上が集まったとされ、マーキュリー・フェニックス・トラストのフレディ・マーキュリー基金に寄付された。
このコンサートの模様は、日本ではWOWOWで放送され、その後オフィシャルビデオとして発売され、後にDVDがリリースされたものの、DVDに収められているのは、抜粋されたものになっている。
[編集] 出演者と曲目(出演順)
(メンバーが流動的なバンドがあるので出演当時のメンバーも併せて表記)
- メタリカ
1.Enter Sandman 2.Sad But True 3.Nothing Else Matters
ジェイムズ・ヘットフィールド(ギター、ボーカル)、ラーズ・ウルリッヒ(ドラムス)、カーク・ハメット(ギター)、ジェイソン・ニューステッド(ベース) - エクストリーム
1.Queen Medley:Mustapha/Bohemian Rhapsody/Keep yourself Alive/I Want To Break Free/Fat Bottomed Girls/Bicycle Race/Another One Bites The Dust/We Will Rock You/Stone Cold Crazy/Radio Ga Ga/Bohemian Rhapsody
2.Love Of My Life(クイーンのカバー) 3.More Than Words
ゲイリー・シェローン(ボーカル)、ヌーノ・ベッテンコート(ギター)、パット・パジャー(ベース)、ポール・ギアリー(ドラムス) - デフ・レパード
1.Animal 2.Let's Get Rocked 3.Now I'm Here(ブライアン・メイがギターで参加)
ジョー・エリオット(ボーカル)、フィル・コリン(ギター)、ヴィヴィアン・キャンベル(ギター)、リック・"サヴ"・サヴェージ(ベース)、リック・アレン(ドラムス)。(新加入のヴィヴィアンのお披露目でもあった) - ボブ・ゲルドフ&ヒズ・フレンズ
1.Too Late God - スパイナル・タップ
1.Majesty Of Rock - U2
1.Until The End Of The World(サクラメントからの衛星中継で、ビデオ・スクリーンによる出演) - ガンズ・アンド・ローゼス
1.Paradise City 2.Knockin' On Heaven's Door - アクセル・ローズ(ボーカル)、スラッシュ(ギター)、ギルビー・クラーク(ギター)、ダフ・マッケイガン(ベース)、マット・ソーラム(ドラム)、ディジー・リード(キーボード)。
- South Africa's Aids Benefit Concertより(ヨハネスブルグからの中継)
- エリザベス・テイラー
エイズの危険性に対するスピーチ
以下は、クイーンのメンバー三人+クイーンのライヴでサポート・ミュージシャンとして活躍したスパイク・エドニー等を加えたバック・ミュージシャン+著名なアーティストがジョイントする形で行われた。
- 「タイ・ユア・マザー・ダウン Tie Your Mother Down」
クイーン+ジョー・エリオット(ヴォーカル)+スラッシュ(ギター)
- 「アイ・ウォント・イット・オール I Want It All」
クイーン+ロジャー・ダルトリー(ヴォーカル)+トニー・アイオミ(ギター)
- 「愛の言葉 Las Palabras De Amor」
クイーン+ズッケロ(ヴォーカル)
- 「ハンマー・トゥー・フォール Hammer To Fall」
クイーン+ゲイリー・シェローン(ヴォーカル)+トニー・アイオミ(ギター)
- 「ストーン・コールド・クレイジー Stone Cold Crazy」
クイーン+ジェイムズ・ヘットフィールド(ヴォーカル)+トニー・アイオミ(ギター)
- 「イニュエンドウ Innuendo」※DVD未収録
- 「愛という名の欲望 Crazy Little Thing Called Love」
クイーン+ロバート・プラント(ヴォーカル)
- 「トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー Too Much Love Will Kill You」
クイーン+スパイク・エドニー
- 「レディオ・ガ・ガ Radio Ga Ga」
クイーン+ポール・ヤング(ヴォーカル)
- 「リヴ・フォーエヴァー Who Wants To Live Forever」
クイーン+シール(ヴォーカル)
- 「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)I Want To Break Free」
クイーン+リサ・スタンスフィールド(ヴォーカル)
- 「すべての若き野郎ども All the Young Dudes」 (モット・ザ・フープルの曲)
クイーン+イアン・ハンター(ヴォーカル、ギター)+ミック・ロンソン(ギター)+デヴィッド・ボウイ(サックス)+ジョー・エリオット(コーラス)+フィル・コリン
- 「ヒーローズ "Heroes"」 (デヴィッド・ボウイの曲)+主の祈り
クイーン+デヴィッド・ボウイ(ヴォーカル)+ミック・ロンソン(ギター)
- 「'39」
クイーン+ジョージ・マイケル(ヴォーカル)
- 「輝ける日々 These Are The Days Of Our Lives」
クイーン+ジョージ・マイケル+リサ・スタンスフィールド(ヴォーカル)
- 「愛にすべてを Somebody To Love」
クイーン+ジョージ・マイケル(ヴォーカル)+ザ・ロンドン・コミュニティ・ゴスペル・クワイアー
- 「ボヘミアン・ラプソディ Bohemian Rhapsody」
クイーン+エルトン・ジョン+アクセル・ローズ(ヴォーカル)
- 「ショー・マスト・ゴー・オン The Show Must Go On 」
クイーン+エルトン・ジョン(ヴォーカル)+トニー・アイオミ
- 「ウィ・ウィル・ロック・ユー We Will Rock You」
クイーン+アクセル・ローズ(ヴォーカル)
- 「伝説のチャンピオン We Are The Champions」、「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」
クイーン+ライザ・ミネリ(ヴォーカル)+全キャスト
[編集] エピソード
当時でも大物といわれるアーティストが次々と出演したことや、クイーンでもライブでは演奏したことのない楽曲が多かったためか、十分なリハーサルが行われたものの、生ならではの演奏ミスが少なからずあった。主な部分はジェームス・ヘットフィールドとのStone Cold Crazyの中間部、ロバート・プラントとのInnuendoの中間部、ズッケロとのLas Palabras De Amorのイントロなどで、映像作品として公式に商品として流通しているものでは、演奏はきれいに修正されている。
超大物アーティストの出演の際はその人物にちなんだ曲のさわりが各所で披露され、ロジャー・ダルトリー出演時に「ピンボールの魔術師」、トニー・アイオミには「ヘヴン・アンド・ヘル」、ローバート・プラントには「カシミール」と「サンキュー」などの曲をわずかに聞くことができる
収録時間の都合により当初VHS2巻で発売されたこのコンサートのビデオでは、エクストリームの後半2曲やロバート・プラントとのInnuendoなどはカットされていた。Innuendoに関しては、ロバート・プラントが自分の声がうまく出ていないという理由が取り上げられている場合もあるが、演奏ミスも大きな原因ではなかったかと推察される。また、DVD版にも収録されていない。
フィナーレのライザ・ミネリによるWe Are The Championsで、関係者やアーティストたちがステージに集まった。中にはスコーピオンズのクラウス・マイネとルドルフ・シェンカー、ビリー・スクワイア、ステイタス・クオーのリック・パーフィット、ニール・マーレイの姿もあり、実際に出演者として演奏することはなかったもののこのコンサートの主旨に賛同し参加したと思われる。
Too Much Love Will Kill Youはのちにブライアン・メイのソロ・アルバム「バック・トゥ・ザ・ライト」に収録され、のちにクイーンのアルバム「メイド・イン・ヘヴン」に収録されるが、公に初披露となったのはこのコンサートである。
[編集] 出演アーティストとクイーンをつなぐエピソード
- 出演者のうち、メタリカ、デフ・レパード、ロジャー・ダルトリーのザ・フー、ロバート・プラントのレッド・ツェッペリンなどは、クイーンと同様にメンバーを亡くした経験を持っている。
- メタリカはこの出演以前にStone Cold Crazyをカバーしている。
- アクセル・ローズは「俺が死んだら、クイーンのセカンド・アルバムを棺桶に入れてくれ」と語ったというエピソードがあり、ガンズ・アンド・ローゼスの来日公演時に何の前触れもなくクイーンのSail Away Sweet Sisterを口ずさんだことがある。
- デフ・レパードは彼らの楽曲Pour Some Suger On Meについて、クイーンのWe Will Rock Youのリズムを拝借したとメンバー自身が語ったことがある。
- ジョージ・マイケルはフレディと同じ人からボーカル・レッスンを受けていたことがある。
- エクストリームはクイーンの後継者としてブライアンが高く評価していた。
- クイーンは初期にモット・ザ・フープルの前座としてツアーとしたことがある。
- デヴィッド・ボウイは1981年に「アンダー・プレッシャー Under Pressure」を共作・レコーディングしている(『ホット・スペース』収録)。
- ライザ・ミネリは、フレディが自筆のバイオグラフィーにおいて好きなアーティストとして名前を挙げていた。