プラットフォーム事業者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

プラットフォーム事業者（ぷらっとふぉーむじぎょうしゃ）とは、CS放送に於けるプラットフォーム事業（チャンネルパックなどの編成、宣伝広告による視聴者の募集、視聴者と放送事業者の仲介などの事業）を行う者である。

プラットフォーム事業者そのものは、放送法に規定する放送事業者や電気通信役務利用放送法に規定する電気通信役務利用放送事業者ではない。但し、日本に於ける唯一のプラットフォーム事業者である株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズは電気通信役務利用放送事業者でもある。

[編集] プラットフォーム事業者の法的な位置付け

CS放送は、放送法に基づいて行う場合は、委託放送事業者が、電波法の規定により免許を受けている受託放送事業者に委託して放送番組を放送させる。電気通信役務利用放送法に基づいて行う場合も同様に、電気通信役務利用放送事業者が、電波法の規定により免許を受けている電気通信事業者の提供する電気通信役務を利用して衛星役務利用放送を行う。

例えば、株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズのプラットフォームの一つである SKY PerfecTV! のチャンネルの一つであるディスカバリーチャンネルの場合は、受託放送事業者はJSAT株式会社であり、委託放送事業者はジュピターサテライト放送株式会社である（放送番組の供給はディスカバリー・ジャパン株式会社が行う）。

このように、プラットフォーム事業者は、現行の放送法制において何ら位置付けがなされていないのが現状である。これについて、「本来の視聴者との契約の前面に立つ者が何ら法の規律を受けていない事により、視聴者の利益を侵害する虞がある」「プラットフォーム事業者の権利が明確でなく、チャンネルパック編成で十分なプレゼンスを発揮できない」等との声がある。このような声を受け、所管する総務省は、2003年 4月に「衛星放送におけるプラットフォーム事業者の業務に係るガイドラインに関する指針」を公表する等の取組を進めている。