ヘルマン・ブール
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ヘルマン・ブール(Hermann Buhl、1924年9月21日 - 1957年6月27日)はオーストリアの登山家。
オーストリアチロル地方インスブルック生まれ。1953年、「魔の山」と呼ばれたナンガパルバットに単独無酸素での人類初登頂を果たして、証拠として山頂にピッケルを残した(が、当時は信じられなかった。理由として単独で登頂した事が挙げられる)。4年後、ブロード・ピーク近くのチョゴリサ峰を登山している最中に雪崩に巻き込まれ帰らぬ人となった。
その後、ピッケルは日本人登山家の池田壮彦によって発見され、ピッケル発見の情報を受けたチロル州政府は、在日オーストリア大使館を通じて写真を入手。製造元フルプメス社で鍛冶職人らが鑑定したところ、ピッケルの刻印などから、ブールの登山隊用の特製品と確認された。亡夫の登頂を支えたピッケルに対面した妻のオイゲニーは「奇跡のようだ。私が手にした一番大切なもの」と感激した。なお、ピッケルはオーストリアの山岳博物館に収められた。