ミニスカート
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ミニスカート(Miniskirt, ドイツ語 Minirock)は膝上丈のスカートの総称。 「ミニスカ」、あるいは単に「ミニ」と略される。
1965年、英国のアパレル会社が「マリー・クヮント」ブランドでファッションショーを行い、ミニスカートを売り出したのが始まり。イギリス出身のモデル、ツイッギー(1949年 - )がミニスカートをはき、ブームを呼び起こした。1967年10月に来日し、日本にもツイッギー旋風が起こり、ミニスカートがブームになった。
その後、さらに短いスカートが流行することもあり、スカートの短さと経済の好況不況が関連付けて論じられることもある。
膝上丈よりもさらに短い、太股の中央よりも上の極端に短いスカートのことを、近年ではマイクロミニスカートと呼ぶ傾向もある。漫画の女性キャラは大抵、通常のミニスカートよりも短いスカートを穿く傾向が強い。
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[編集] 日本での流行
1960年代後半、ミニスカートが日本全土を席巻する。 かの美空ひばりが「真っ赤な太陽」でマイクロミニスカート姿で唄ったことも後押しをしたと言われている。 この時は、あまりに流行したせいで、世代を問わず着用した事実が写真等で残っている。ただし、多くの女性のミニスカートはひざ丈よりやや短い程度にとどまっていた。 また、既製品を購入するほかに、元々持っていた長めの丈のスカートの裾を短くしてミニスカートにすることも多かった。この描写はサザエさんの中でもしばしば書かれている。
この第一次ミニスカートブームは、各種の制服(交通機関・女性警官・1970年の大阪万博での多くのパビリオンのコンパニオンなど)にも反映された。 しかし、1973~1974年頃には終焉した。
その後、1982年頃に若干復活したが、第一次ミニスカートブームや後述するそれ以降のブームには至らなかった。
1990年頃、またスカート丈が短くなる。ついにひざ上30~35cmとなる、アライアの発表したボディコンシャスなスタイルが日本で流行した為と推測される。同時に好況感も流行を押し上げた。
[編集] 女子高生のスカート
1990年代後半から2000年代にかけては、女子高生らにとって「スカートは短いほどカワイイ」とされ、制服のスカートは短く丈詰めしたり、ウエスト部分で折って短くして着用されている。 また、オリジナルの制服もそれまではやや膝下が定番であったが膝丈程度の学校が多くなった。
1960年代後半~1970年代前半にもある程度学校の制服のスカート丈が短くなった時期があったが、社会規範がまだ厳しかったため、流行と言えども制服を改造する学生は極めて希であった。 そして1970年代後半~1990年頃は、制服のスカートをかなり長くすることが「格好良い」とされていた。同様に普通の生徒が制服をいじることは少なかったが、不良と呼ばれる生徒達はこぞって長いスカートを着用した。なめ猫やスケバン刑事などに代表されるツッパリブームの一環といえる。 この事を考えると、日本の社会と教育の変質がスカート丈からも読み取れる。
[編集] 日本での現状
近年はミニスカートを着用する女性が減少傾向となっている。減少の理由として
- ジーンズなどのパンツスタイルが流行している
- 女性の職業やライフスタイルが多様化したためファッションも多様化している
- 盗撮の被害に遭いやすいため避けられている
等が挙げられる。
前述の制服のスカートの丈を短く改造する女子高生も一時期に比べて減っていると言われている。
1990年代後半以降はパンツのデザインに1960年代に見られたヒップハンガーやブーツカットが復活し、下半身を綺麗に見せることの出来るパンツ、いわゆる「美脚パンツ」ブームが起こった。 そのため相対的にスカートを着用する女性の割合は減少している。 中でもミニスカートは、パンツに比べて購買層も限定される為売り上げも落ちてきている。
[編集] ミニスカートを着用する職業
女性警察官、OLなど制服で職務を行うことの多い職業では今も丈の短いスカートや、ミニスカートを制服に採用しているところもある。
民間企業では最近はOLの制服制度を廃止しているところも増えているが、制服が存在する場合はほとんどがスカートである。動きやすさを重視して短めのスカートが採用されるが、学校とは違い幅広い年齢層の女性がいるため、膝丈程度にとどまる場合が多い。
女性警察官の場合は、単にファッション上の都合で短めなスカートにしているわけではない。 外勤が多く、さらに走ったり被疑者を追いかけたり、またパトカー等の運転をする機会も多い女性警察官のスカート丈は他の公務員や民間企業のOLの制服と比較してもかなり短めなものが採用されており、公務員の制服の中では最も短いとされる。 ちなみにその次に短いスカートの制服は女性自衛官のものである。同様の理由で職務においてとっさの時の動きやすさが求められるためである。ただし女性自衛官は女性警察官と違って市民に接触する機会が少ないのであまり認知されていないようである。
スチュワーデス(客室乗務員)の制服もスカートが多いが、スラックスの制服を起用している航空会社もあり一概には言えない。 スカート丈も航空会社によってまちまちであるが、日本ではOLの制服と同じぐらいの膝丈前後が多い。
昭和時代はテレビのクイズ・ゲーム等のバラエティ番組でフリップを持ったり、賞品を運んだりするアシスタントの女性にテニススコート型のミニスカートを穿かせているのをよく見かけた(「アップダウンクイズ」・「クイズドレミファドン」など)。しかし平成に入って以降姿を消し、現在では見かけることができない。
[編集] ファッションか?誘惑か?
ミニスカートに対しての男女の意見は、女性は一種のファッション、女性らしさ等を強調している為にあると主張する人が多いが、男性は色気を出す、誘惑のためにあるのではないかと思っている人が多い。よって階段を登る時にバッグなどで後ろを隠したり、ミニスカートの下にスパッツやハーフパンツ等をはいている女性を見ると「ミニスカートの意味がない」等の批判もある。女性が見せたいのが脚部やスタイル全体であるのに対して、男性が見たがるのが臀部及び股間であるという根本的な違いが根源にあると考えられる。
[編集] 関連項目
- 脚線美
- 萩本欽一 - 自身の著書の中でミニスカートが嫌いだと語っている。
- 又吉イエス - ミニスカートやそれに類する物の廃止を訴えている。
- 出動!ミニスカポリス
- 田代まさし- ミニスカートの女性に対する盗撮で逮捕された際、「ミニにタコ」というギャグを残した。