ユーノー作戦
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ユーノー作戦(Unternehmen Juno)は第二次世界大戦中のドイツ軍の作戦の一つ。
ドイツ軍は1940年4月にノルウェー各地に侵攻を開始した。各地の占領に成功したドイツ軍であるが、ノルウェー北部のナルヴィクでは、上陸したドイツ軍は連合国軍の攻撃により孤立していた。その状況でナルヴィクの部隊を支援するため、海軍部隊によって連合国軍を攻撃するという作戦が実行されることになった。これがユーノー作戦である。
6月4日、巡洋戦艦シャルンホルスト、グナイゼナウ、駆逐艦ハンス・ロディ、ヘルマン・シェーマン、エーリヒ・シュタインプリンク、カルル・ガルスターがキールを出撃した。さらに途中で重巡洋艦アドミラル・ヒッパーが合流した。艦隊はマルシャル大将が指揮していた。艦隊は7日にハルスター沖に到達し、その後偵察の結果などから連合国軍は撤退中であると考えたマルシャル大将は連合国軍の船団の攻撃に向かった。
6月8日の午前中、ドイツ艦隊はノルウェーのタンカー・オイルパイオニア、トロール船ジュナイパーを沈めた。それからさらに偵察機が兵員輸送船オラマと、病院船アトランティスを発見し、アドミラル・ヒッパーとハンス・ロディがオラマを沈めた。その後、アドミラル・ヒッパーと駆逐艦はトロンヘイムへ向かい、巡洋戦艦2隻は傍受した通信から北方にいると思われたた敵船団を求めて北上した。そしてイギリスの空母グローリアス、護衛の駆逐艦2隻と遭遇し、3隻とも撃沈した(ノルウェー沖海戦)。だが、シャルンホルストも魚雷1発が命中して損傷したため、作戦は中止された。
シャルンホルストはトロンヘイムへ送られた。マルシャル大将はその後もグナイゼナウとアドミラル・ヒッパーを率いて出撃したが戦果はあげられず、6月20日にグナイゼナウもイギリスの潜水艦クライドに雷撃されて魚雷1本が命中し損傷してしまった。