上下関係
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上下関係(じょうげかんけい)とは、人間関係において身分あるいは立場の順列が絶対的、相対的に規定された関係・状況である。縦割りとも呼ばれる。
身分、立場が優位にあるときに「上」、身分、立場が劣位にあるときに「下」をあてはめる。一般に上下関係が「上」の人間は決済などの権限を多く有するとともに責任を負う。会社組織では上下関係と給料が比例することも多い。
上下関係を規定する要因は多岐にわたる。時代によって価値観の変化により上下関係が変化する場合もある。
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[編集] 上と下を規定する基準の例
[編集] 学校における上下関係
小学校ではあまり見られないが、中学校になると先輩と後輩の明確な上下関係が生じる。特に運動部や女子はこれが強い場合が多い。
[編集] 宗教における上下関係
厳格な上下関係を課す宗教としてはカースト制度が有名である。また、儒教も上下関係を強く重んじる。
[編集] 縦社会
日本の社会では、個人の上下関係が社会における主要な関係になっているとして、このような社会を縦社会ということがある。中根千枝が著書「タテ社会の人間関係―単一社会の理論」で論じて有名になった。
[編集] 上下関係の弊害
上司・上官・先輩への下からの異論を許さず、下を萎縮させるような厳格な上下関係は、軍隊や仕事やスポーツにおけるチーム内の意思疎通をさまたげる。結果として「上の判断ミスが誰にも修正されない」「下の者が気づいた異変や状況変化が上に伝わらない」といったことから、チーム全体の破滅(敗北など)を導きやすい。
- 外科医が手術部位ではない側の手足や目を切除するのを、看護婦が誤りと知りながら傍観する
- 船舶の操船において、「船長が座礁させるか、他の船と衝突するまで甲板士官らは目を丸くしたまま沈黙を守る」ことは異常とは言えない[1]
航空業界に上意下達の弊害を思い知らせたのは、1977年に起こったジャンボ機同士の衝突事故、テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故であった。この事故は双方の飛行機および管制官の間にさまざまな思い込みがあったことが原因となっているが、特に一方の当事者となったKLM機内では、クルーの内の航空機関士がパンナム機との衝突の可能性に気づいていたにもかかわらず、上司である機長がその可能性を否定したために再度機長に口を挟むことに萎縮してしまい、結果両機が正面衝突する悲劇につながった。
この事故以後、航空業界では上意下達より、乗員相互の合意による意思決定が強調されるようになった。これは航空業界でCRM(crew/cockpit resource management、人的資源の管理)として知られているもので、現在ではすべての航空会社の基礎的な安全管理方式や訓練体系となっている。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 『機長の真実』 デヴィッド・ビーティー 講談社 2002年 228頁