久米島
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久米島(くめじま)とは、沖縄県の離島で那覇市の西、約100Kmに位置する、人口1万人弱の島。 行政上は島全域が久米島町(くめじまちょう)に含まれる。ダイビング地として有名で国内の大手航空会社が共にリゾートホテルを展開しており(現在は撤退または撤退予定)、長く広がるイーフビーチには民宿なども多く点在する。また、東北楽天ゴールデンイーグルスが発足年度からこの地にキャンプを構えたことで、その方面でも広く知られるようにもなった。
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[編集] 地勢
- 面積55.69km㎡
- 周囲53.31km
火山島であるため全体に山がちではあるが、東海上には「ハテの浜」と呼ばれる全長5km以上ものサンゴ洲島(coral sand cay)が連なっている。
水が豊富で、古くから沖縄では米所として知られた。自然や生物は沖縄本島と共通する部分が多いが、固有種もある。クメジマボタルは幼虫が水棲のホタルとしてゲンジボタル、ヘイケボタルと共に例外的存在。現在は保護のために久米島ホタル館が中心となって活動をしている。他に、キクザトサワヘビなど。また、久米島のハブは独特の斑紋の個体があり、クメジマハブと呼ばれることがある。
久米島の名を持つ生物に、以下のようなものがある。
- クメトカゲモドキ
- クメジマボタル・クメジマミナミボタル・クメコシビロザトウムシ
- クメジマミナミサワガニ・クメジマドウクツガザミ
- クメジママイマイ
- クメザンショウ
[編集] 交通
[編集] 道路
[編集] 路線バス
- 久米島町営バスが一周線・島尻線・空港線の3路線が運行しており、空港線は飛行機のダイヤに合わせている。
- 路線バスではないが久米島交通が観光バスを運行している。
[編集] 船便
- 久米商船が毎日午前と午後の2便、島内の兼城港と那覇港(泊ふ頭)との間を運航しており、うち午前便は渡名喜島を経由する(3月~11月の週末は兼城港発のみ午後便も渡名喜島を経由)。なおゴールデンウィークと8月を除く月曜日と一方の船がドック入りの期間中は午前のみの運航。
- (かつては4月~10月の季節運航で高速船も運航していたが2004年で廃止され、2005年から既存の大型フェリーの運航を現在の1日2便に増便した)
[編集] 航空便
- 日本トランスオーシャン航空(JTA)のB737-400と琉球エアーコミューター(RAC)のDHC-8-100が久米島空港と那覇空港との間を1日数便運航しており(需要時期によって使用機材と便数に変動あり、2007年4月よりDHC-8-300が新たに就航予定)、毎年7月半ば~9月にはさらにJTAが東京の羽田空港へ1便運航している(久米島空港発は那覇空港経由。2006年までは6月~9月の運航で久米島空港発も経由地なしだった)。1997年に久米島空港がジェット化する前はYS-11が長年にわたって運航していた。
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- ヒデンチガマ (洞窟潜水)
- イーフビーチ 島の東部にある砂浜。長さ2kmにおよぶ白い砂浜は、「日本の渚百選」にも選ばれた。近くには航空会社系のリゾートホテルをはじめ、民宿・飲食店・コンビニなどがある。
- ハテの浜 イーフビーチの沖合に浮かぶ長さ約7kmの3つの砂洲。島に近い方から「前の浜(メーヌハマ)」「中の浜(ナカヌハマ)」「果ての浜(ハティヌハマ)」と名付けられているが、総称して「ハテの浜」と呼ばれている。イーフビーチから観光業者の送迎舟で渡ることができ、海水浴やシュノーケリングを楽しむことができる。日差しが強いため、遊ぶ際は日焼け止めが必需品だ。
- 畳石 島の東にある奥武島(おうじま)の海岸に、五角形や六角形に区切られた石が整然と並ぶ。近年浸食による風化が著しい。
- 五枝の松 島の中西部、久間地の集落にある天然記念物。国内でも1本の松がこれだけ枝を広げ悠々とした姿は他では見られない。台風のメッカである事を考えればとても信じられない勇壮かつ美しい姿である。
- 太陽石
- 上江州家住宅
- おばけ坂 島西部にある短い坂。下り坂に見えるが、実際は上り坂。心霊スポットではない。
- 鍾乳洞(ヤジャーガマ)島西部にある鍾乳洞。観光ガイドにはほとんど載っていないが、全長800メートルにも及ぶかなりの大きさである(現在は途中迄で折り返し)。明治時代まで風葬に使われていたという説があり、洞窟内には今でも骨壷や人骨が見られる。入場料要。
現在、久米島と奥武島との間には1982年開通の海中道路があるが、以前は奥武島住人は徒歩や潮の満ちた時間には竹馬で渡島し久米島へ通勤通学していた。海中道路の完成以降、潮の流れが大きく変わってしまい中間点にあった砂州や海底が非常に深くえぐり取られ危険なため潮の干満に関わらずそのような渡島は禁止されている。
[編集] 放送
- テレビは1964年に琉球放送(RBC)テレビが県内では初めてテレビ中継局を設置、県内民放テレビでは唯一VHFの中継局。その後NHK(設置当時は復帰前の1971年で沖縄放送協会(OHK)だった)、沖縄テレビ(OTV)が設置したが、OTVが設置したのは本土復帰後の1977年でUHFによる中継局だった。当時はNHKもVHFだったため、リモコン式テレビが導入されるまでOTVは親局の8ではなく、Uにセットされていた。その後1995年にNHKはEスポによる混信解消でUHFに変更。琉球朝日放送(QAB)は同年秋の開局と同時に中継局を設置。また最初からUHFだったOTVと、後からUHFに変更したNHKは町役場のある島の東側にも中継局した(RBCは久米島局で十分カバーできるため、QABは開局したばかりで設置しなかったが、今でも設置されてない)。
- 2006年から沖縄県内でも開始された地上デジタルテレビジョン放送、久米島では2007年に久米島中継局、2008年に久米島東中継局でも開局することが予定されいる(現在のアナログ放送で後者の中継局が未設置のRBC・QABでもデジタル新局として開局予定)。
- ラジオはNHKFMのみ設置されており(84.2MHz)、AM局は沖縄本島の那覇本局から直接受信している。またFM沖縄も那覇本局からの放送エリアにギリギリ入っているため受信可能。
- 中継局周波数一覧(TVの単位はCH)
所在地 | 総合 | 教育 | RBC | OTV | QAB |
---|---|---|---|---|---|
久米島 | 36 | 34 | 4 | 57 | 42 |
久米島東 | 51 | 49 | 61 |
[編集] 備考
- 古くから稀に降雪が伝えられてきたが、1977年2月17日、沖縄で唯一の降雪が正式に観測された。
[編集] 関連項目
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