先輩
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先輩(せんぱい)とは、学校や職場などにおいて、入学や就職の年度が自分より1年でも早い者を指すことばで、同じ学年なら生年月日がいくら早くとも先輩にはならないが、就職または入学の年度が早ければ、誕生日がたとえ遅くても先輩になる。逆に入学または就職年度の遅い者は後輩といい、年度が同じ者は同輩・等輩などというが、同輩や等輩は使われる頻度が低いためかあまり一般的な言葉ではない。
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[編集] 先輩とその影響
特に積み上げが重視される中学校以上の運動部などでは、先輩を立てることが求められる。本来は見返りに先輩は後輩の面倒を見る義務があり、酒の席で全額を払わされることも多々あるという。しかしそういった慣習を無視し、ただ後輩をこき使うような悪い先輩もいる。軍隊においては先輩を古参兵と呼び、古参兵が後輩に当たる新兵をいじめることも、古今東西共通したことである。一部だが、部活動において先輩であることを利用して後輩に対し人権を無視するような行為を行うこともあり、いじめの一部として問題視されている。
一方、当然ながら後輩の面倒を一生懸命みるこころやさしい先輩もおり、このような先輩が後輩の支え・助けとなることも存在する。先輩というものは、後輩の人生や精神に良くも悪くも影響を齎すのである。
[編集] 学校生活における先輩
学校生活において自分以外のものは大別して「同輩」「後輩」「先輩」「先生」であるが、同輩は親しい仲間内の関係であるし、先生もまたある意味で超越したところに立っているわけで、学校生活における身近な上下関係といえば「後輩」「先輩」の関係であろう。上の節で述べた通り、そこには先輩は後輩を保護し後輩は先輩を立てるという社会の最も基本的な慣習のひとつがある。「先輩」「後輩」というものは、学校においてまだ見ぬ社会の構造を学ぶには、本来うってつけのものであるともいえよう。
[編集] 先輩萌え
萌え文化においては、年上の女性に恋愛感情を抱くことを一つの理想として描くことがある。主人公男性を思春期の学校の生徒とした場合、姉や女教師というほど年が離れすぎておらず、年の近い先輩の女性から弟分として扱ってもらうことを憧れの対象として描かれることが多い。その場合、馴れ初めには先輩女性キャラクターが精神的に年上で有利のように振舞っているが、恋人として付き合うにしたがって意外な弱みや主人公にとって有利な面、実際には年上であるのに年下のように錯覚するような振る舞いを演出することにより、先輩女性への恋愛的親近感を強調する向きもある。
[編集] 社会における先輩
社会においては、後輩が先輩のことを地位などの面で追い越す例が非常に多くなるというのが特徴であるといえる。このため「先輩」「後輩」の関係は学校生活における純粋なそれではなく、非常に複雑なものとなる。しかし新入社員に会社のルールなどを教えるのはやはり「先輩」であり、ここにまだ純粋な「先輩」「後輩」関係が成り立っているともいえる。
[編集] 日本における先輩の敬称
後輩は先輩を立てるものだから、自分と同等の者や自分より下のものに対して行うような、「くん」附けで呼んだり呼び捨てにするような呼びかけは通常行われない。しかし「さま」などをつけるほどよそよそしいものでもないため「さん」を用いたり「先輩」を用いたりする(例:「山田先輩」「山田さん」)。