内閣総務官
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内閣総務官(ないかくそうむかん、Director-General of Cabiet Affairs Office)は、中央省庁再編に伴い内閣官房内閣総務官室にその長として新設された官職である。再編前の首席内閣参事官に当たる。内閣官房副長官補、内閣広報官、内閣情報官などがいずれも内閣法に基づく「法律職」の特別職国家公務員として内閣官房長官を補佐し政策の立案や実施に参画するのに対し、内閣総務官は法律より一段下の内閣官房組織令に基づく「政令職」の一般職国家公務員であり、内閣官房の庶務的な事項を処理することを主な職務とする。宮中への上奏、国会との連絡調整など重要な任務もつかさどる。
内閣に関係する公文書の発受・保管・管理、首相や官房長官の官印・公印の保管、内閣又は首相が任命する認証官(国務大臣、大使など)の人事に関する事務手続き、国会答弁の割り振りなどもこの内閣総務官室で行われる。
内閣総務官も、内閣官房副長官(事務担当)と同じ旧・内務省系の官僚が任命されることが多い。最近では厚生労働省の幹部が務めており、その経験者はいずれも事務次官まで上り詰めるエリートコースとなっている。内閣総務官の周りには、各省庁から出向した内閣審議官(局次長級)や内閣参事官(課長級)が存在している。内閣全体ではこうした審議官や参事官が50人以上在籍し、内閣総務官室のほか、内閣官房副長官補や内閣広報官、内閣情報官の下で執務している。
[編集] 備考
内閣総務官室にはその下部組織として総理大臣官邸事務所が置かれ、建物としての官邸の庶務(修繕・整備等)を専門に扱っている。長として総理大臣官邸事務所長が、その補佐として総理大臣官邸事務所副所長(ともに定数1)が置かれる。