司法巡査
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司法巡査(しほうじゅんさ)とは、司法警察活動(捜査)を行なう司法警察職員の中の役職の一つである。
司法警察活動とは、犯罪の捜査や被疑者を逮捕すること等により、公判廷で事案の真相を明らかにする一環の活動を意味するが、こうした司法警察活動に従事する者が司法警察職員である。司法警察職員は、司法警察員と司法巡査に分けられる。司法巡査が司法警察員と異なるところは、犯罪捜査や被疑者の逮捕など司法警察活動を行う際の権限が制約されることである。
制限される権限は主に、
- 被疑者逮捕時の弁解の録取
- 証拠品の還付
- 告訴・告発事件の受理
等が上げられる。
司法警察職員の代表である警察官は、階級によって司法警察員か司法巡査かが区別される。原則として、巡査及び巡査長の階級の者は司法巡査、巡査部長以上の階級の者は司法警察員とされている。しかし、捜査上必要がある場合には、巡査及び巡査長の階級の者を司法警察員に認定することができる。
具体的に挙げれば、
- 刑事課、生活安全課、交通課、警備課等の職務に従事する者
- 駐在所等でへき地で職務を従事する地域警察官
- その他司法警察員の認定が必要であると認められる者
である。
自衛隊警務官は3曹以上の階級の者が司法警察員、士長以下の階級の者が司法巡査、海上保安官は一等海上保安士以上の階級の者が司法警察員、二等海上保安士以下の階級の者が司法巡査となっている。
司法巡査とは階級名ではなく司法警察職員としての役名であり、書類作成の際は司法警察員は司法警察員警部補、巡査に合っては司法警察員巡査と記載するが、司法巡査の場合は階級を省略する。