国債報償運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国債報償運動(こくさいほうしょううんどう)は、韓国国民の自主的な募金活動によって、日本からの借金を返済し、ひいては経済的独立を守ろうとした運動。
目次 |
[編集] 概要
日清戦争以後、韓国政府は日本から巨額の借款を受け入れて、近代化を推し進めようとした。
大邱の書籍店社長・金光済は、経済的隷属に繋がると危機感を感じ、韓国政府が借りた総額1300万円を募金で返還する運動を始めた。
金光済らは、「タバコを購入する代わりに国債を報償しよう」と喫煙廃止を主唱した。韓国国民2000万人が1ヶ月あたり20銭を消費するタバコの喫煙を止めれば、3ヶ月で優に1300万円を返済することが出来るというのである。
この運動は大きな反響を呼び、タバコを止める人が大勢出現した。同時に募金活動も行われ、一時は16万4200円も集まった。
ところが、この運動に賛同しながら影でこっそりとタバコを吸ったり、募金を着服する不祥事が発覚した。そのため、この運動はいつしか立ち消えとなった。
安重根も当時、この運動に参加していたという。
[編集] 参考資料
- 『統監府政況報告ならびに雑報』(アジア歴史資料センターレファレンスコード:B03041513600より)