在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁
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在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁(ざいちょうせんあめりかりくぐんぐんせいちょう、英語:The United States Army Military Government in Korea; USAMGIK)、またはアメリカ軍政庁(あめりかぐんせいちょう)は、1945年9月8日から1948年8月15日の大韓民国建国までの間、北緯38度線以南の朝鮮(南朝鮮)を統治していた公式な行政機関。軍政庁の統治期間に、大韓民国の社会制度の基盤が数多く建設された。
軍政庁統治期の南朝鮮は、さまざまな要因から生じた政治・経済上の大混乱に苦しめられた。ソ連軍統治下の朝鮮(北朝鮮)も含め、当時の朝鮮には日本統治時代の余波が未だ残っていた。また、アメリカ軍は朝鮮統治を開始する際に、統治のための周到な準備が用意できておらず、朝鮮の言語的・政治的事情に関する知識がないまま朝鮮に到着した。そのため、軍政庁による政策の多くは、軍政庁の意図に反して南朝鮮に不安定要素をもたらす効果を持っていた。更には、北朝鮮からの越南者(脱北者)や、朝鮮国外からの帰国者が多数流入したことが、南朝鮮の混乱をより継続させる原因となった。