大仏切通

大仏切通1

大仏切通 （だいぶつきりとおし）は鎌倉七口のひとつで、長谷大仏の脇の道を尾根を越えて常盤・深沢・藤沢方面に抜ける旧道。

現在は新道がトンネルを抜けており、旧道はその北側に一部が残っているが、現在我々が見る姿は実際には明治12年（1879年）から翌年にかけて工事されたもので、このとき5丁（545ｍ）の山道を3丈（9m）切り下げて人力車が通れるようにしたと大仏入口右側にある石碑に書かれている。

一般には鎌倉時代からのものだろうと言われるが、発掘調査では「かわらけ」（素焼きの小皿）が出た以外見るべきものはなく、また鎌倉時代に京などから鎌倉に来る記録では初期にはほとんどが稲村路を通っており、後期には極楽寺坂切通しを通ったと思われる文献もある。

ただし、現在の長谷の大仏のあたりは「長谷」と言われる以前には「深沢」と言われており、尾根の西もまたモノレールの駅に「湘南深沢駅」と言う名が残りかつては深沢村であったことからその間には平安時代末期からローカルな道があったのかもしれない。

ここ大仏切通が文献に現れるのは江戸時代初期からであり、初見は1624-1647年頃に刊行された「玉舟和尚鎌倉記」に「大仏坂（藤沢口）」と現れる。

よく知られるのは1685年の「新編鎌倉志」で「大仏切通：大仏西の方なり。この切通を越えれば、常盤里へ出るなり。」とある。

現在の大仏切通は鎌倉側から常盤の出口に近くなるほど切通しが深くなり明治12年の3丈（9m）切り下げと一致するが、その後の関東大震災での倒壊などでとても人力車が走ったとは思えない野趣あふれる雰囲気があるが、平行して走る新道の掘り下げとそちらへの倒壊もあり一部は通るにはかなり危険な状態である。

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大仏切通2