山岸一章
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山岸 一章(やまぎし いっしょう、1923年(大正12年)5月13日 - 1995年(平成7年)9月17日)は、日本の作家である。
東京に生まれる。国鉄大井工場に勤務していたが、1950年のレッド・パージのなかで職場を去ることになる。このとき、彼は煙突の上にのぼって、抗議の意思を明らかにしたという。そのときに作詞した〈民族独立行動隊の歌〉は、その後労働運動のなかでよく歌われた。
その後、『赤旗』の記者としての勤務のかたわら小説を書き始め、1965年に発表した「黙秘」が、警察の取調べに屈しない主人公の造形で評判となり、本格的な作家活動にはいる。小説としては、国鉄の反合理化闘争に題材を得た「赤い月が昇る」(1972年)、みずからのレッドパージを題材にした「逆流わが面を洗え」(1975年)が知られるが、本領はルポルタージュにあった。北爆開始直前のベトナムを取材した「ベトナム」(1966年)、全動労の結成を追った「鳴らせ自由の号笛」(1974年)、戦前の日本共産党の軍隊のなかの活動の実態を追跡した「聳ゆるマスト」(1981年)、新潟の小作争議を調べた「発掘 木崎争議」(1987年)が評価されている。「聳ゆるマスト」は、多喜二・百合子賞を受賞した。
長年、日本民主主義文学同盟の常任幹事をつとめ、文学運動の発展にも寄与した。