平和的政権交代
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平和的政権交代(へいわてきせいけんこうたい)とは、武力によらない政権交代を指す。近代以前の平和的政権交代と、近代以降の平和的政権交代とでは、意味合いが異なる。
[編集] 近代以前の平和的政権交代
権力の世襲が原則であった近代以前においては、非血縁者に対し、平和的に政権交代を行うことは例外であった。古代中国では、武力で非血縁者から政権を奪うことを放伐、合意で譲り受けることを禅譲と呼んだ。
[編集] 近代以降の平和的政権交代
世襲ではなく、権力者を国民による選挙で選ぶ制度を確立するためには、流血によることも少なくなかった。
先進国では、武力ではなく、公平な選挙を実施し、より多くの国民の支持を得た者が権力を担い、支持を得られなかった者が下野することに異論を唱えられることはほとんどない。
しかし、開発途上国では、脅迫・買収・不正投票で選挙の結果を左右したり、選挙そのものを実施しないで武力を背景に政権の座に居座るなど、平和的政権交代を達成していない国も多い。また、憲法で特定の政党の存在しか認めていない、あるいは特定の政党による執権を規定している場合にも、平和的政権交代の道は開かれていないことになる。