手塚治虫文化賞
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手塚治虫文化賞(てづかおさむぶんかしょう)は、朝日新聞社が主催する、漫画に与える各賞の総称。1997年に創設。集英社の「手塚賞」とは異なる。
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[編集] 選考
選考委員として、業界の重鎮ではなく「現在の漫画をよく読む人物」が選ばれている点、選考委員の推薦・投票内容が公開される点が特徴である。
選考年の前年に発売され、読者・選考委員から推薦された単行本が対象。(この選考対象のため、2005年の大賞作品『PLUTO(プルートウ)』は、2004年に発売された1巻のみで判断されるべきだが、1巻以降の内容も考慮されたことは確実である)で、選考委員および読者推薦による第一次選考の後、選考委員の投票(1位6点から6位1点を配分)により決定される。選考委員の推薦・投票内容は公開される。 また漫画文化の貢献者や団体に特別賞が贈られる。
2003年の第7回手塚治虫文化賞からマンガ優秀賞が廃止され、新生賞・短編賞が加わった。
浦沢直樹、井上雄彦、こうの史代、吾妻ひでお、西原理恵子、岡崎京子など、文化庁メディア芸術祭マンガ部門を受賞した後に手塚治虫文化賞を受賞する作家・作品が極めて多く、「後追いではないか」「独自性がない」との批判がある。
[編集] 賞金・賞品
正賞と副賞が贈られる。
正賞は造形作家・横山宏による鉄腕アトムをイメージしたブロンズの賞牌
- マンガ大賞
正賞: ブロンズ像、副賞: 2,000,000円 - 新生賞
正賞: ブロンズ像、副賞: 1,000,000円 - 短編賞
正賞: ブロンズ像、副賞: 1,000,000円 - 特別賞
正賞: ブロンズ像、副賞: 1,000,000円
[編集] 手塚治虫文化賞 歴代受賞作品
第1回(1997年)
- マンガ大賞: 藤子・F・不二雄 『ドラえもん』
- マンガ優秀賞: 萩尾望都 『残酷な神が支配する』
- 特別賞: 内記稔夫(現代マンガ図書館の設立と運営に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、石上三登志、いしかわじゅん、大月隆寛、岡田斗司夫、印口崇、唐沢俊一、呉智英、小松左京、斉藤由貴、里中満智子、三代目魚武濱田成夫、鈴木光司、関川夏央、高橋源一郎、タケカワユキヒデ、鶴見済、長谷邦夫、荷宮和子、古川益蔵、フレデリック・ショット、村上知彦、夢枕獏、養老孟司、米澤嘉博
第2回(1998年)
- マンガ大賞: 谷口ジロー、原作:関川夏央 『「坊っちゃん」の時代』
- マンガ優秀賞: 青木雄二 『ナニワ金融道』
- 特別賞: 石ノ森章太郎(マンガとマンガ界への長年の貢献に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、石上三登志、いしかわじゅん、大月隆寛、岡田斗司夫、印口崇、唐沢俊一、呉智英、小松左京、斉藤由貴、里中満智子、三代目魚武濱田成夫、鈴木光司、関川夏央、高橋源一郎、タケカワユキヒデ、鶴見済、長谷邦夫、荷宮和子、古川益蔵、フレデリック・ショット、村上知彦、夢枕獏、養老孟司、米澤嘉博
第3回(1999年)
- マンガ大賞: 浦沢直樹 『MONSTER』
- マンガ優秀賞: さそうあきら 『神童』
- 特別賞: 夏目房之介(マンガ批評の優れた業績に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、石上三登志、いしかわじゅん、大月隆寛、岡田斗司夫、印口崇、唐沢俊一、呉智英、小松左京、斉藤由貴、里中満智子、三代目魚武濱田成夫、鈴木光司、関川夏央、高橋源一郎、タケカワユキヒデ、長谷邦夫、荷宮和子、古川益蔵、フレデリック・ショット、村上知彦、夢枕獏、養老孟司、米澤嘉博
第4回(2000年)
- マンガ大賞: 諸星大二郎 『西遊妖猿伝』
- マンガ優秀賞: 望月峯太郎 『ドラゴンヘッド』
- 特別賞: フレデリック・L・ショット(日本マンガを海外に広く紹介した功績に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、石上三登志、いしかわじゅん、印口崇、呉智英、里中満智子、J・ベルント、関川夏央、竹内オサム、藤本由香里、細萱敦、水野英子、村上知彦、夢枕獏、米澤嘉博
第5回(2001年)
- マンガ大賞: 岡野玲子、原作:夢枕獏 『陰陽師』
- マンガ優秀賞: しりあがり寿 『弥次喜多 in DEEP』
- 特別賞: 丸山昭(トキワ荘に集った多くの作家を育てた功績に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、石上三登志、いしかわじゅん、大月隆寛、岡田斗司夫、印口崇、唐沢俊一、呉智英、小松左京、斉藤由貴、里中満智子、三代目魚武濱田成夫、鈴木光司、関川夏央、高橋源一郎、タケカワユキヒデ、鶴見済、長谷邦夫、荷宮和子、古川益蔵、フレデリック・ショット、村上知彦、夢枕獏、養老孟司、米澤嘉博
第6回(2002年)
- マンガ大賞: 井上雄彦『バガボンド』
- マンガ優秀賞: 三浦建太郎『ベルセルク』
- 特別賞: なし
- 選考委員: 荒俣宏、石上三登志、いしかわじゅん、印口崇、呉智英、里中満智子、関川夏央、J・ベルント、竹内オサム、細萱敦、藤本由香里、水野英子、村上知彦、夢枕獏、米澤嘉博
第7回(2003年)
- マンガ大賞: 高野文子 『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』
- 新生賞: 小畑健、原作:ほったゆみ『ヒカルの碁』
- 短編賞: いしいひさいち (『現代思想の遭難者たち』『ののちゃん』など一連の作品に対して)
- 特別賞: 水木しげる(独創的な画業と長年の活躍に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、いしかわじゅん、香山リカ、呉智英、清水勲、関川夏央、マット・ソーン、萩尾望都
第8回(2004年)
- マンガ大賞: 岡崎京子 『ヘルタースケルター』
- 新生賞: もりもと崇 『難波鉦異本(なにわどらいほん)』
- 短編賞: 秋月りす 『OL進化論』など一連の作品
- 特別賞: みなもと太郎 (歴史マンガの新境地開拓とマンガ文化への貢献に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、いしかわじゅん、香山リカ、呉智英、清水勲、関川夏央、マット・ソーン、萩尾望都
第9回(2005年)
- マンガ大賞: 浦沢直樹・手塚治虫『PLUTO(プルートウ)』
- 新生賞: こうの史代『夕凪の街 桜の国』
- 短編賞: 西原理恵子『毎日かあさん』『上京ものがたり』
- 特別賞: 川崎市市民ミュージアム (江戸から現代までのマンガ作品・資料の収集および企画展示などに対して)
- 選考委員: 荒俣宏、いしかわじゅん、香山リカ、呉智英、清水勲、関川夏央、マット・ソーン、萩尾望都
第10回(2006年)
- マンガ大賞: 吾妻ひでお 『失踪日記』
- 新生賞: ひぐちアサ 『おおきく振りかぶって』
- 短編賞: 伊藤理佐 『女いっぴき猫ふたり』など一連の作品に対して
- 特別賞: 小野耕世 (長年の海外コミックの日本への紹介と評論活動に対して)
- 選考委員: 荒俣宏、いしかわじゅん、印口崇、香山リカ、呉智英、萩尾望都、藤本由香里、村上知彦
[編集] 辞退者
- 第5回 一次選考の時点で花輪和一『刑務所の中』が最有力候補であったが、「自分はマイナー作家であるから」との理由で辞退した。
- 第8回 やはり一次選考の時点で佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく』が2位以下を大きく引き離していたが、「仕事に専念したい」との理由により辞退した。