揚羽武
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揚羽 武(あげは たけし)は、テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場する架空の人物。新乗組員であり、航空班(コスモタイガー)隊の若きホープ。
地球防衛軍に影響力を持つ揚羽財閥の御曹司であったが、宇宙パイロットにあこがれ、少年宇宙戦士訓練学校を優秀な成績(トップ?)で卒業、志望した航空班に配属された。ヤマト出航直前、次期社長としての将来を嘱望する父親の反対で一時はヤマト勤務ができなくなりそうになったが、病床にあった母親の命がけでの願いによってヤマト勤務が叶い、第二の地球探しにおける航空班の任務に就くことになった。 同期で生活班に所属になった土門竜介とは仲が良く、旧作での古代のキャラクターを彷彿とさせる土門との親友関係と、揚羽自身の優等生タイプで沈着な性格とが相俟って、旧作での島を思わせる面もある。育ちのよさを見ても、志望通りの配属を果たせなかった土門に比べて、その境遇は恵まれたものがあると言える。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
惑星ファンタムにおいてルダ王女のまぼろしに出会い、ファンタムとルダ王女のまぼろしに導かれ、ファンタム中心生命体の場所までいく。そこで、土門とともにルダ王女をファンタムから直接あずけられる。スカラゲック海峡星団β星の探査で、第二の地球が発見できないことが確定した際、「マザー=シャルバート、どうか地球を・・地球を救けて下さい!」と涙ながらに叫び、その純粋な願いを聞き届けたルダ王女は、彼を、そして今や民族の運命極まろうとする地球人類の、絶体絶命の運命を背負うヤマトを、シャルバート本星へと誘う決意をするのだった。 (こうして彼は地球人での最初のシャルバート信者になった?とも推定される)
ルダ王女改めルダ・シャルバートと別れた後、太陽制御直前のボラー連邦との戦いのなかで、ベムラーゼ首相の機動要塞ゼスパーゼのブラックホール砲に苦しめられるヤマト(と間接的にはガルマン・ガミラス帝国デスラー親衛艦隊)の危機を命がけで打開するため、またこの戦いのさなかハイドロコスモジェン砲の修理を死を賭して敢行し敵機の機銃掃射に倒れた親友土門の仇をとるため、ルダ・シャルバートに祈りを捧げつつそして彼女への愛情を秘めたまま、ゼスパーゼのブラックホール砲口に特攻をかけて戦死した。彼の命を賭して開いた活路が、ゼスパーゼ陥落によるボラー連邦軍の妨害の消滅、ひいては太陽制御作戦の成功へと繋がっていったのである。闘いの中、死力を尽くして散っていった生き方、それは彼自身の選んだ、哀しくも悔いのない壮烈な生き様であったのかもしれない。
太陽が元の姿に戻った際、ルダ・シャルバートは揚羽の亡骸を抱えながらその模様を見守っていた。