日本開化小史
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日本開化小史（にほんかいかしょうし）は、田口卯吉（鼎軒）の歴史書。1877年（明治10年）から1882年（明治15年）にかけて刊行。十三章で、全6巻。
田口は旧幕臣出身の在野史家で、大蔵省翻訳局時代に執筆された処女作。福沢諭吉『文明論之概略』（明治8年）とともに日本近代史学史に位置づけられ、在野史学にも影響を与えた明治初期における在野史書の代表作と評される。
原本は和装で六分冊。明治10年7月に出版が許可され、9月に第一巻が刊行。田口は新井白石『読史余論』などを愛読し評価しており、上古から書き起こされるスタイルは北畠親房『神皇正統記』などの伝統を引くものであるが、翻訳局時代に親しんだギゾー『ヨーロッパ文明史』パックル『英国文明史』など西洋文明史の影響を受けており、文明史観の立場に立つ。序において歴史著述の目的を歴史的事象の原因の探求であると説き、文明発展の法則を貨財発展と相関させる経済学の理論を応用している。また、文化史を扱っているところも特徴。
1927年（昭和2年）刊行の『鼎軒田口卯吉全集』、昭和9年には「岩波文庫」に収録。
