春日野さくら
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
春日野さくら プロフィール
春日野さくら(かすがの-)は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターZERO』シリーズに登場するキャラクター。また、同シリーズの外伝漫画『さくらがんばる!』(中平正彦)の主人公。
目次 |
[編集] キャラクターの設定
世田谷区に住むごくふつうの女子高生だったが、ある日偶然出会った「あのひと」の戦う姿に憧れ、もう一度出会うために自らストリートファイトの世界に身を投じる。
「あのひと」とは、『ストリートファイター』シリーズの主人公であるリュウのことであり、さくらもそれに似た技を用いる。設定上では、それらの技はリュウの同門に当たる火引弾からレクチャーされたことになっている。だがその性能は師匠のそれよりも数段上であり、弾の教えの賜物というよりは彼女自身の卓抜した格闘センスによるところが大きいようである。
なお、リュウとさくらの出会いについては詳しい説明がなされていない。中平正彦の漫画『ストリートファイターZERO』の中では、リュウとベガの戦いに巻き込まれたさくらをリュウが助けるシーンが存在するものの、あくまで独自のストーリーであり公式設定ではない。ただし、同作品や『さくらがんばる!』、中平の他作品である『RYU FINAL』(『ストリートファイターIII』のコミカライズ)では、コミックに触発されたカプコン側が続編に設定の一部を取り入れるといった逆転現象が起きているため、コミックスで描かれた出会いのシーンも「半公式」と位置づけられなくもない。
運動神経は抜群だが、いろいろなスポーツを試すものの飽きっぽい性格のせいでどれも長続きしない。ストリートファイトに対する興味が今までの最長記録である。
友人に、同じ玉川南高校に通う千歳(ちとせ)ケイ、神月かりんがいる(かりんからは一方的にライバル視されている)。また、『私立ジャスティス学園』の設定では若葉ひなた、鮎原夏とも友人関係にある。『NAMCO x CAPCOM』では、ワンダーモモとフェリシアのファンという設定がされている。
企画の船水紀孝が、あきまんに新キャラクターの製作を依頼したところ、「何やってもいい」という約束を取り付けた結果上がってきたキャラ。硬派なカプコン格闘らしからぬキャラクターに、「逆にアリ」とゴーサインが出た。
[編集] 人物
リュウの写真とインスタントカメラを常に携帯している。
親友のケイはさくらの行動にいつも手を焼かされている。さくらが約束をすっぽかす事もしょっちゅうらしい。
神月かりんにライバル視されている事には少し迷惑しており、さくらとしては普通に友達としても付き合いたいようである。
[編集] キャラクターの特徴
リュウに憧れてストリートファイターとなったため、リュウと似た技を使う。ただしいずれも独自のアレンジが加えられている。
波動拳の性能が本家に劣る分、通常技が強めに設定されており、癖も少ないので初心者に扱いやすい。また、弱攻撃(ジャブ等)に連打が効きリーチも比較的長いため、これを連打して相手がガードしていたら攻撃を中止、ヒットしていたらそのまま必殺技に移行、とローリスクな戦法をとることができる。
また、挑発で相手に向かって指を差して笑うが、この指先にわずかながら攻撃判定がある。『ストリートファイターEX』シリーズでは必殺技扱いになっていて、「あはは」という技名になっている。
[編集] 技の解説
[編集] 必殺技
- 波動拳〔はどうけん〕
- 本家と同じ飛び道具だが、出るまでが遅く画面端まで届く前に消えてしまう。力を溜めて大きな波動拳を出すことも出来るが、それに反比例して射程はさらに短くなる。MARVEL VS.シリーズでは斜め上に撃ち(ただし「日焼けした」場合は除く)、空中からも発射できる。このタイプの波動拳はジャスティス学園でも使用し、それぞれ「天仰波動拳〔てんぎょうはどうけん〕」「蒼空波動拳〔そうくうはどうけん〕」という名前が付いている。『CAPCOM VS. SNK』(以下カプエス)シリーズの初代及びPROでのノーマル版は、気を飛ばさず目の前に放出する「波動掌〔はどうしょう〕」になっている。
- 咲桜拳〔しょうおうけん〕
- 昇龍拳に相当する。本家のような対空迎撃能力はないが、相手に向かって前進し多段ヒットするため連続技用として優れる。MARVEL VS.シリーズでは衝撃波を纏いながら突進する技になっており、初代カプエス及びPROではノーマル版のみ全く飛び上がらない「紅桜拳〔こうおうけん〕」になっている。さらに『ポケットファイター』では、傘を持って突進する「咲桜傘〔しょうおうさん〕」になっている。
- 春風脚〔しゅんぷうきゃく〕
- 竜巻旋風脚に相当する。すぐに着地してしまう分隙は少なめ。カプエス以降はさらに追加入力で着地後蹴りを出す「春風連脚〔しゅんぷうれんきゃく〕」になっている(これも初代カプエス及びPROのEX版は除く)。
- さくら落とし〔さくらおとし〕
- さくらのオリジナル技で、ZERO2 ALPHA以降から登場。飛び込んでダブルチョップを最大三連続で出す。また、飛び道具を跳び箱のように飛び越す事もできる。
- 桜華脚〔おうかきゃく〕
- これもオリジナル技で、空中からの急降下蹴り。カプエス以降の技であり、モーションは初代及びPROではそれまでのジャンプ強キックのものが流用されていたが、2以降新たなものに変更された。
- 春火襲倒〔しゅんかしゅうとう〕
- ポケットファイターの技。手足をジタバタさせながら相手に突進する。
[編集] スーパーコンボ
- 真空波動拳〔しんくうはどうけん〕
- 波動拳数発分を一度に出すスーパーコンボ。ただしリュウと異なり、飛距離が遠くなるにつれて威力は下がってしまう。MARVEL VS.シリーズでは斜め上に乱れ打つ(やはり「日焼けした」場合横方向に切り替わり、見た目もリュウ等と同じになる)。ジャスティス学園では斜め上に向けたものが「真空天仰波動拳〔しんくうてんぎょうはどうけん〕」、空中からのものが「真空蒼空波動拳〔しんくうそうくうはどうけん〕」という名前になっている。
- 乱れ桜〔みだれざくら〕
- 咲桜拳を連続で出すスーパーコンボ。ケンの昇龍裂破に相当。MARVEL VS.シリーズではダッシュで突進して咲桜拳でフィニッシュする乱舞技。ポケットファイターでは傘で攻撃する「乱れ春雨〔みだれはるさめ〕」という技になっている。
- 春一番〔はるいちばん〕
- 春風脚のような足払いを連続で出すスーパーコンボ。MARVEL VS.シリーズでは、ZERO2のサイドストーリーの「真空竜巻旋風脚を真似しようとした」技という設定に基き、豪鬼の「滅殺豪螺旋」のような技になっている(さくらの方が元祖)。カプエスでは微妙なバージョン違いの「春一旋〔はるいっせん〕」もある。
- 春獄殺〔しゅんごくさつ〕
- 豪鬼の瞬獄殺のパロディ技。ストリートファイターEXシリーズ、およびMARVEL VS.シリーズ(「日焼けしたさくら」限定)で使用可能。ジャスティス学園シリーズでは「愛と友情のツープラトン」に設定されており、こちらはプレイヤーキャラが相手を羽交い絞めにした後に春獄殺を放つ。
- 春爛漫〔はるらんまん〕
- ポケットファイターのマイティコンボ。謎の男二人組が現れ、相手を画面外で袋叩きにして去っていく。食らった相手は目がハート型になる。
- 熱血波動拳〔ねっけつはどうけん〕
- ストリートファイターEX3のメテオコンボ。超強力な波動拳を放つ。
- 元気一番〔げんきいちばん〕
- ストリートファイターEX3の隠しメテオコンボ。相手に近付き挑発し、ガード不能の指先を当てる。
この他、EX3ではリュウと協力して相手を攻撃する、専用のメテオタッグコンボも存在する。
[編集] 主な登場作品
- ストリートファイターZEROシリーズ(ZERO2から登場)
- VS.シリーズ
- 私立ジャスティス学園
- ポケットファイター
- CAPCOM FIGHTING Jam
[編集] その他
- マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイターには、ZEROシリーズの隠しキャラ「殺意の波動に目覚めたリュウ」のパロディとして「日焼けしたさくら」が登場する。見た目と技の性質が変化し、阿修羅閃空と瞬獄殺のパロディ「春獄殺」を使う。MARVEL VS. CAPCOM 2ではハイパーコンボゲージを消費して任意に「日焼けしたさくら」に変身する事ができる。
- 家庭用『スーパーパズルファイターIIX』には、「ストリートパズルモード」の隠し要素の1つとしてさくら(笹本優子)が歌うテーマソング「この思いを伝えたい」が収録されている。これはZERO2でのさくらステージのBGMをアレンジして歌をつけたもの。
- 『ブレス オブ ファイアIII』では、漢羅強烈大武会という大会の決勝戦で、主人公・リュウとガーラントの対決時の観客席にて一瞬だけゲスト出演する。
[編集] 漫画
中平正彦著。