時空のクロス・ロード
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『時空のクロス・ロード』は、電撃文庫から発行されている鷹見一幸のライトノベルのシリーズ。イラストはあんみつ草。
目次 |
[編集] 概要
このシリーズは大きく3つに分かれる。
一つ目は『ピクニックは終末に』『サマーキャンプは突然に』『バースディは永遠に』である。 これはそれぞれの主人公達が謎の老人(イェヒロム)の導きにより、『三日熱』(これははしかの設定になっている)が流行している世界で、彼らと親しい人々が生き残る為に『選ばし者』と呼ばれる組織と戦うのを彼らなりの力で助けるストーリーである。 この世界では「はしか」に対する免疫力がない為世界的流行に人類が耐える事ができず、文明を維持するのが困難な状態になった世界と設定されている。
二つ目は『緑の指の女の子』『黄色い瞳の男の子』『赤い心の女の子』である。 前シリーズが病気による世界の滅亡を描いたのに対し、こちらは人々が積み重ねてきたモノ(環境破壊等)や心の荒廃による社会性不安を背景にした『世紀末』に近い描かれ方であり、主人公または彼らに近しい者達による「正しい方向への矯正」のようなものが描かれている。
最終巻となる『一番列車は朝焼けに』は最初のシリーズに登場した『三日熱が蔓延した世界』を舞台にしている。 しかし最初のシリーズと異なる点は、主人公は『最初からその世界に暮らしていた』人物である。 ある国で発生した原因不明・治療法不明の病気、それが世界にあっという間に広まっていき、文明というものが無力なものになって行く様が描かれる。 これは偶然にも同時期に現実世界で起こった『サーズ』の事件と重なる事もあり、重厚な仕上がりになっている。
[編集] シリーズ一覧
- 時空のクロス・ロード ピクニックは終末に (2000年) ISBN 484021610X
- 時空のクロス・ロード 2 サマーキャンプは突然に (2001年) ISBN 4840217599
- 時空のクロス・ロード 3 バースディは永遠に (2001年) ISBN 4840218986
- 新・時空のクロス・ロード 緑の指の女の子 (2002年) ISBN 4840220778
- 新・時空のクロス・ロード 2 黄色い瞳の男の子 (2002年) ISBN 4840221936
- 新・時空のクロス・ロード 3 赤い心の女の子 (2003年) ISBN 4840223122
- 時空のクロス・ロード 最終譚 一番列車は朝焼けに (2003年) ISBN 4840224404
[編集] 登場人物
- 木梨幸水(きなし ゆきみず)
- 『ピクニックは終末に』の主人公。写真部部員。小学生時代に書いた作品の将来の夢は『消火器』。
- 偶然撮影したイェロヒムの写真から三日熱が蔓延した平行世界へ行く。キャンプ料理が得意。
- 高校卒業後は薬学部へ進学、薬剤師となり最上真一の母が勤務する病院に就職する。
- 『バースディは永遠に』『赤い心の女の子』でも登場。
- 水樫香織(みずかし かおり)
- 『ピクニックは終末に』のヒロイン。幸水の幼馴染。幸水を「コースイ」と呼ぶ。写真部所属。
- 高校卒業後は看護師になっている。
- 平行世界ではキャンプでお母さん的存在となり、子供達を守る。
- 栗野武士(くりの たけし)
- 『ピクニックは終末に』より登場。幸水達とは同級生。サバイバルオタク。
- 平行世界ではキャンプの警備主任のような立場。
- 朝霧夏実(あさぎり なつみ)
- 『サマーキャンプは突然に』の主人公。イェヒロムの導きで平行世界へ行く、杖術を使う活発な少女。整体師を目指す。平行世界では三日熱に感染した模様だが、生死は不明。
- 『バースディは永遠に』『赤い心の女の子』でも登場。
- 結城立也(ゆうき たつや)
- 『サマーキャンプは突然に』より登場。小さい頃夏実の近所に住んでいた。有数の進学校に進学。
- 平行世界では両親・弟共に死亡するが彼だけが生き残り、父が残したコンピュータを駆使して皆をサポートする。平行世界では数少ない医者となる。
- 楠本樟(くすもと しょう)
- 『バースディは永遠に』の主人公。平行世界では三日熱が起こる10年前に既に死んでいる。
- 自分の居場所が見つからなかった時イェヒロムに出会い平行世界へ行く。幸水、夏実とは違い平行世界での自分の居場所を見つけ残る。
- 幸原雅之(こうばら まさゆき)
- 『緑の指の女の子』の主人公。瑞穂の学校に勤務する姉が一人。
- 神永瑞穂(かみなが みずほ)
- 『緑の指の女の子』のヒロイン。植物に触れる事により、その感情を読み取る事ができる。
- 幸原雅美(こうばら まさみ)
- 雅之の姉。瑞穂が通う女子高に勤務。
- 柿田川千夏(かきたがわ ちなつ)
- 本名はカミナガ・千夏。平行世界における雅之と瑞穂の孫。
- 浅間健一(あさま けんいち)
- 『黄色い瞳の男の子』の主人公。意識を集中すると物の『構成』を視る事ができる。その際薄く瞳が黄色になるが、この色はその『力』に比例する。『赤い心の女の子』にも登場。
- 榛名朋恵(はるな ともえ)
- 『黄色い瞳の男の子』のヒロイン。コロッケ屋の一人娘。
- 日向邦之(ひゅうが くにゆき)
- 『黄色い瞳の男の子』。身体能力が高く、健一と一緒に組んで活躍する。『赤い心の女の子』にも登場。
- 山城奈美(やましろ なみ)
- 『黄色い瞳の男の子』に登場。
- 浅間智美(あさま ともみ)
- 『黄色い瞳の男の子』に登場。平行世界における健一と朋恵の娘。
- 最上真一(もがみ しんいち)
- 『赤い心の女の子』の主人公。父は流通関係に勤め、母は看護師。鼻がよく利く。
- 鈴谷有紀(すずや ゆき)
- 『赤い心の女の子』のヒロイン。真一の中学時代の同級生。
- 筑摩和彦(ちくま かずひこ)
- 『一番列車は朝焼けに』の主人公。三日熱の流行により、鉄道マンの父と母、妹を失う。流行するまでは鉄道の技術者等を育成する高校に通っていた。
- 流行による町の荒廃により希美を連れ逃げ出す。
- 長崎みどり(ながさき-)
- 和彦の中学時代の同級生。両親を三日熱で失い和彦の家に同居するが間も無く罹患、他界する。
- 希美(のぞみ)
- 和彦の妹、美鈴の友人。三日熱が流行し出す少し前に和彦と会っていた。両親が死に自宅の門前で立ち尽くしていた所を和彦に拾われる。
- イェロヒム
- 時空管理機構の並行軸管理官。階級はナサニエルより上。名前は『赤い心の女の子』で判明。
- ナサニエル
- 時空管理機構の管理官。主人公達が存在するエリルセナント線に沿った並行世界を担当している。
- 洗馬(せば)
- 正式名称はセバスチャン。一見ただの老人に見えるが、実はバイオテクノロジーが発達した世界で生まれたバイオノイド。