有価証券報告書
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有価証券報告書(ゆうかしょうけんほうこくしょ)は、証券取引法第24条で規定される、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料である。略して「有報(ゆうほう)」と呼ばれることもある。
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[編集] 報告書提出の義務
次のような株式会社について、各事業年度終了後、3カ月以内に金融庁への提出を義務づけられている。
- 証券取引所に株式公開している会社
- 有価証券届出書提出会社 - 1億円以上の有価証券(株券や社債券など)の募集(新規発行)又は売出しを行う際に、有価証券の発行者が証券取引法第4条・5条に基づき、内閣総理大臣(窓口は財務局)に提出することが義務づけられている書類。発行する会社の営業状況や事業の内容、および有価証券の発行条件などが記載されている。
- 過去5年間において、事業年度末日時点の株券もしくは優先出資証券の保有者数が500人以上となったことがある会社(ただし、資本金5億円未満の会社を除く)
2004年6月より各財務局に提出される報告書は原則として電子提出が義務付けられ、これまでの紙面による提出はできなくなった。
[編集] 報告書の内容
主な項目は、次のようなものである
- 事業の内容
- 沿革
- 主要な経営指標等の推移
他
同様に、要約されたものを半期ごとに金融庁に提出する「半期報告書」もある。
報告書の内容は、財務局や証券取引所で閲覧できるほか、自社のウェブサイトにPDFファイルの形で登録してあることも多い。また、金融庁の電子開示・提出システム (EDINET) を通じて電子提出された報告書は、同庁が設置したウェブサーバ経由での縦覧が可能。
[編集] その他
有価証券報告書の虚偽記載は証券取引法に違反する犯罪行為である(証券取引法197条)。また証券取引所の上場廃止基準に抵触する。最近では、2004年の西武鉄道、2006年のライブドアおよびライブドアマーケティング(現 メディアイノベーション)がそれぞれ東京証券取引所の1部およびマザーズ上場廃止になっている。また日本テレビも渡邉恒雄の名義とされる株式が讀賣新聞社の実質所有する株式である事を公表し有価証券報告書を訂正した。日本テレビ株も監理ポストに転落してしまったが後に復帰している。