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東京優駿 - Wikipedia

東京優駿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

東京優駿(日本ダービー)
距離 芝2400m
開催地 東京競馬場
グレード JpnI
条件 3歳牡・牝(指定)
1着賞金 15,000万円
負担重量 牡馬57kg、牝馬55kg
創設 1932年4月24日
2006年度の東京優駿(手前・メイショウサムソン 奥・アドマイヤメイン)
2006年度の東京優駿(手前・メイショウサムソン 奥・アドマイヤメイン

東京優駿(とうきょうゆうしゅん)は、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場2400mで施行する競馬重賞JpnI競走である。正賞は内閣総理大臣賞・日本馬主協会連合会会長賞・東京馬主協会賞、優勝騎手には朝日新聞社より優勝旗が与えられる。

一般的には日本ダービー(にっぽんダービー)と呼ばれ、現在の日本の競馬においてその代名詞とも言える競走である。

JRAが配布するレーシングプログラムや競馬新聞などでは、1950年以降「東京優駿(第X回日本ダービー)」または「東京優駿(日本ダービー)」と表記される。

目次

[編集] 概要

1929年昭和4年)以前に東京競馬倶楽部会長の安田伊左衛門が競走馬生産者達から「イギリスクラシック競走であるダービーステークスのような高額賞金の大競走を設けて馬産の奨励をしてほしい」と言う意見を真摯に受け止め、馬産の衰退を食い止める手段として、イギリスのエプソム競馬場のダービーステークスを範した

  1. 4歳(現3歳)牡馬牝馬の最高の能力試験であること。
  2. 競走距離が2400m、又は2400mに限り無く近いこと。
  3. (開催国で催される競馬の)最高の賞金額を設定すること。
  4. 2歳(現1歳)秋から4回の出走登録を出走資格の条件とすること。
  5. 負担重量は馬齢重量とすること。
  6. 施行時期は原則的に春季とすること。
  7. 以上1.から6.を満たす競走は、国内において本競走のみとすること。

という7大原則のもと、1932年(昭和7年)に4歳(現3歳)牡馬・牝馬限定の定量の重賞競走、東京優駿大競走として創設、第1回は目黒競馬場(旧東京競馬場)の芝2400mで施行された。初回登録は1930年(昭和5年)4月24日に行われた。

1934年(昭和9年)からは目黒競馬場の廃止により東京競馬場に施行場を変更、1938年(昭和13年)からは前年の帝国競馬協会解散に伴う日本競馬会への移管により、名称を東京優駿競走に変更、また日本競馬会による「4歳(現3歳)5大競走」の形成に伴い、同年に新設された京都農林省賞典4歳呼馬阪神優駿牝馬1939年(昭和14年)に新設された横濱農林省賞典4歳呼馬中山4歳牝馬特別とともに日本のクラシック競走を確立するとともに、イギリスのクラシック三冠競走を範して、4歳(現3歳)のクラシック三冠競走も形成、クラシック三冠競走の第2戦として位置付けられ、また4歳(現3歳)の競走馬及び日本中のホースマンの憧れ及び目標となり、競馬ファンからは「競馬の祭典」とも言われる大競走として位置付けられた。

1944年(昭和19年)は太平洋戦争(戦時中)の影響で勝馬投票券の販売なしの競馬開催の中、能力検定競走として施行、1945年(昭和20年)・1946年(昭和21年)は太平洋戦争および終戦におけるアメリカ進駐軍の競馬場の占領により開催中止、1947年(昭和22年)からは前年の10月17日からの国営競馬再開に伴い、他のクラシック競走(桜花賞・農林省賞典・優駿牝馬・農林省賞典4歳馬)と天皇賞(春・秋)とともに再開された。

1948年(昭和23年)からは名称を優駿競走に変更、1949年(昭和24年)からは日本競馬会の運営が、独占禁止法に触れるとの声から、日本競馬会の解散及び国営競馬へ移管した。

1950年(昭和25年)からは名称を現在の「東京優駿」に変更、また「日本ダービー」という副称も付けられ、正式名称を超える競馬の代名詞とも言える認知度に至った。

1953年(昭和28年)は本競走で初のNHKによるテレビ中継を行った。

1968年(昭和43年)は東京競馬場のスタンド改築工事による順延開催で7月7日に、また1972年(昭和47年)もストライキや流行性のインフルエンザの影響で7月9日に順延開催し、両年の本競走は7月に施行されたことから「七夕ダービー」と呼ばれた。

1974年(昭和49年)からは競馬関係者による不祥事などから枠順抽選がマスコミに公開されるようになり、1984年(昭和59年)からはグレード制施行により最高位のGIに格付け、1993年平成5年)は徳仁親王小和田雅子の結婚を祝い、皇太子殿下御成婚奉祝の副称が付けられ、1995年(平成7年)からは指定競走となり、地方競馬所属の競走馬も出走可能になった。

2001年(平成13年)からは外国産馬の活躍による出走資格の見直しの一環により、総収得賞金額上位2頭の外国産馬が出走可能になり、2005年(平成17年)からは青葉賞での優先出走権の取得を設けたことにより上位4頭に拡大され、2006年(平成18年)はさらに上位5頭までに拡大された。これによりクロフネシンボリクリスエスといった後に日本を代表する外国産馬も出走したが、2006年までにまだ外国産馬から優勝馬は出ておらず、2002年(平成14年)にシンボリクリスエスが2着に入ったのが最高成績である。

中央競馬が誇る八大競走の1競走で、皐月賞・菊花賞とで中央競馬の牡馬クラシック三冠競走を構成し、牡馬のクラシック三冠競走として、皐月賞は「最も速い馬が勝つ」、菊花賞は「最も強い馬が勝つ」と言われ、東京優駿は「最も運のある馬が勝つ」と言われ続けている謳い文句がある(近年では東京優駿が「最も強い馬が勝つ」と言う場合がある)。更には桜花賞・皐月賞のどちらかとNHKマイルカップを合わせて変則三冠競走と呼ばれることもある。

事実上、ダービーの名の下に行われる日本の3歳(旧4歳)の最強馬決定戦であり、日本の全てのホースマンが憧れる最高の舞台である。騎手にとってはこの東京優駿を制すと晴れてダービージョッキーの仲間入りを果たすことが出来る。

出走資格は、サラ系3歳(旧4歳)のJRA所属の牡馬・牝馬の競走馬(総収得金額上位3頭又は青葉賞で優先出走権を得た外国産馬)及び、優先出走権を得た地方所属の牡馬・牝馬の競走馬(最大8頭まで)、出走枠は18頭まで。ただし東京優駿優先出走権取得馬(最大9頭)が優先で出走でき、残りの枠(最低9枠)は収得賞金の金額上位馬が出走できるが、同額の馬が複数いる場合は抽選で出走馬が決まる。

負担重量は定量で、牡馬は57キロ、牝馬は55キロである。

2006年(平成18年)において総額賞金は2億8,600万円で、1着賞金1億5,000万円、2着賞金6,000万円、3着賞金3,800万円、4着賞金2,300万円、5着賞金1,500万円と定められている。1973年まではこのダービーが日本競馬での最高賞金額であったが、1974年からは天皇賞、1981年からはジャパンカップ、1987年からは宝塚記念も同じ賞金額となり、2000年からはジャパンカップが最高賞金額となっている。

現在の優勝レイの配色は、赤色地に金色文字となっている。

[編集] 主な前走

以下は東京優駿に出走する競走馬の主な前走。

競走名 格付 団体 施行競馬場 施行距離 備考
1 皐月賞 JpnI 中央 中山競馬場 芝2000m -
2 青葉賞 JpnII 中央 東京競馬場 芝2400m ダービートライアル
3 プリンシパルステークス OP 中央 東京競馬場 芝2000m ダービートライアル
4 京都新聞杯 JpnII 中央 京都競馬場 芝2200m -
5 NHKマイルカップ JpnI 中央 東京競馬場 芝1600m -

皐月賞は4着までの内国産馬、青葉賞は3着までの内国産馬・外国産馬、プリンシパルステークスは2着までの内国産馬に優先出走権が与えられる。

[編集] 歴史

1932年の第1回東京優駿大競走(右・ワカタカ 左・オオツカヤマ)
1932年の第1回東京優駿大競走(右・ワカタカ 左・オオツカヤマ)
  • 1932年 - 目黒競馬場の芝2400mの4歳(現3歳)牡馬・牝馬の定量の重賞競走、東京優駿大競走として創設。
  • 1934年 - 施行場を東京競馬場の芝2400mに変更。シアンモアが種牡馬として初の連覇。
  • 1936年 - 単勝5番人気のトクマサが優勝、同競走史上初の単勝払戻し限度額200円の配当を記録。
  • 1937年 - ヒサトモが牝馬として史上初の制覇。2着サンダーランドも牝馬。
  • 1938年 - 名称を東京優駿競走に変更。
  • 1939年 - 中山4歳牝馬特別・横濱農林省賞典4歳呼馬・阪神優駿牝馬・京都農林省賞典4歳呼馬と共にクラシック競走体系を確立。
  • 1943年 - クリフジが牝馬として2頭目の制覇。
  • 1944年 - 能力検定競走として施行(馬券発売なし・観客は少数の軍人と馬主など関係者のみ)。
  • 1945年 - 太平洋戦争の戦況激化により中止。
  • 1946年 - アメリカ進駐軍の競馬場占領により中止。
  • 1948年 - 名称を優駿競走に変更。
  • 1949年
    • 単勝19番人気のタチカゼが優勝、単勝5万5430円の史上最高額の払い戻しを記録。
    • 激しい大混戦のために競走中の馬群の各所で混乱が起き、競走後に騎乗した騎手全員が裁決室に呼び出されて戒告を受ける。
  • 1950年
    • 名称を東京優駿に変更。
    • 日本ダービーの副称が付く。
  • 1953年
    • 史上最多の33頭が出走する。
    • 日本放送協会(NHK)によるテレビ中継が始まる。
  • 1954年 - 元地方大井所属のゴールデンウエーブが優勝。
  • 1956年 - 1コーナーで俗に言う『エンメイ事故』が起きる。馬主であった作家の吉川英治はエンメイの死と鞍上の阿部正太郎の騎手生命を絶たれる瀕死の重傷に大きなショックを受け、程なく競馬界から身を退く。
  • 1958年
  • 1960年
    • 前年の9月1日から日本競馬の計時方式の変更に伴い、時計表示が1/5秒表示から1/10秒表示に変更。
    • バリヤー式スタートによる発走は本年まで。
  • 1961年 - スターティングゲートの採用により出走可能頭数を32頭に設定する。
  • 1969年
  • 1972年 - ストライキ及び流行性のウマインフルエンザの影響により7月9日に順延開催。
  • 1974年
  • 1984年 - グレード制施行によりGIに格付けされる。
  • 1986年 - 出走可能頭数を28頭から24頭に削減する。
  • 1988年 - 馬名入りゼッケンが採用される(前年1987年秋よりジャパンカップ以外のGIにも馬名入りゼッケンの拡大を行うことによるもの)。
  • 1989年
  • 1990年
    • 出走可能頭数を22頭に変更。
    • 世界最高となる入場者数19万6571人を記録する[1]
  • 1991年
    • 出走可能頭数を20頭に変更。
    • 入場券が前売り販売のみとなる(前年の19万人動員をきっかけに入場者の混雑防止を図る観点から。その後他の主要GI競走でも行われた)。
  • 1992年 - 出走可能頭数を18頭に削減する。
  • 1993年 - 皇太子殿下御成婚奉祝の副称が当年のみ付く。
  • 1995年 - 特別競走に指定。
  • 1999年 - 武豊騎手として史上初の連覇(2勝騎手は当時の歴代タイ記録)。
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳牡馬・牝馬」から「3歳牡馬・牝馬」に変更。
    • 外国産馬の出走枠を最大2頭設ける
  • 2002年 - 当時の内閣総理大臣・小泉純一郎が観戦。武豊、歴代新記録の当競走3勝目。
  • 2003年 - ミルコ・デムーロが外国人騎手として史上初の優勝。
  • 2004年
    • 安藤勝己が地方競馬出身の騎手として史上初の優勝。
    • コスモバルクが地方競馬所属馬として史上初の出走(8着)。
  • 2005年 - 外国産馬の出走枠を最大4頭に拡大。武豊騎手当競走4勝目で新記録更新。
  • 2006年 - 外国産馬の出走枠を最大5頭に拡大。
  • 2007年 - ICSCの勧告にともない、重賞格付けをJpnIに変更。

[編集] 歴代優勝馬

回数 施行日 優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1932年4月24日 ワカタカ 牡3 2:45 2/5 函館孫作 東原玉造 乾鼎一
第2回 1933年4月23日 カブトヤマ 牡3 2:41 0/5 大久保房松 前川道平
第3回 1934年4月22日 フレーモア 牡3 2:45 2/5 大久保亀治 尾形景造 土田荘助
第4回 1935年4月29日 ガヴアナー 牡3 2:42 1/5 井川為男 布施季三 高橋錬逸
第5回 1936年4月29日 トクマサ 牡3 2:42 1/5 伊藤正四郎 尾形景造 山中清兵衛
第6回 1937年4月29日 ヒサトモ 牝3 2:33 3/5 中島時一 宮崎信太郎
第7回 1938年5月29日 スゲヌマ 牡3 2:33 2/5 中村広 千明賢治
第8回 1939年5月28日 クモハタ 牡3 2:36 1/5 阿部正太郎 田中和一郎 加藤雄策
第9回 1940年6月2日 イエリユウ 牡3 2:34 2/5 末吉清 石門虎吉 石田一
第10回 1941年5月18日 セントライト 牡3 2:40 1/5 小西喜蔵 田中和一郎 加藤雄策
第11回 1942年5月24日 ミナミホマレ 牡3 2:33 0/5 佐藤邦雄 東原玉造 池得次
第12回 1943年6月6日 クリフジ 牝3 2:31 4/5 前田長吉 尾形景造 栗林友二
第13回 1944年6月18日 カイソウ 牡3 2:39 1/5 橋本輝雄 久保田金造 有松鉄三
第14回 1947年6月8日 マツミドリ 牡3 2:35 0/5 田中康三 茂木為二郎 松末博光
第15回 1948年6月6日 ミハルオー 牡3 2:33 2/5 新屋幸吉 上村大治郎 石川了吉
第16回 1949年6月5日 タチカゼ 牡3 2:33 4/5 近藤武夫 伊藤勝吉 熊谷八郎
第17回 1950年6月11日 クモノハナ 牡3 2:44 2/5 橋本輝雄 鈴木勝太郎 北竹清剛
第18回 1951年6月3日 トキノミノル 牡3 2:31 1/5 岩下密政 田中和一郎 永田雅一
第19回 1952年5月25日 クリノハナ 牡3 2:31 4/5 八木沢勝美 尾形藤吉 栗林友二
第20回 1953年5月24日 ボストニアン 牡3 2:34 3/5 蛯名武五郎 増本勇 岡本治一
第21回 1954年5月23日 ゴールデンウエーブ 牡3 2:34 4/5 岩下密政 藤本冨良 川俣欣也
第22回 1955年5月29日 オートキツ 牡3 2:36 3/5 二本柳俊夫 大久保房松 川口鷲太郎
第23回 1956年6月3日 ハクチカラ 牡3 2:36 1/5 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第24回 1957年5月26日 ヒカルメイジ 牡3 2:31 0/5 蛯名武五郎 藤本冨良 新田松江
第25回 1958年5月25日 ダイゴホマレ 牡3 2:31 1/5 伊藤竹男 久保田金造 醍醐幸右衛門
第26回 1959年5月24日 コマツヒカリ 牡3 2:38 1/5 古山良司 大久保房松 小松重雄
第27回 1960年5月29日 コダマ 牡3 2:30.7 栗田勝 武田文吾 伊藤由五郎
第28回 1961年5月28日 ハクシヨウ 牡3 2:30.2 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第29回 1962年5月27日 フエアーウイン 牡3 2:31.2 高橋英夫 松山吉三郎 溝本儀三男
第30回 1963年5月26日 メイズイ 牡3 2:28.7 森安重勝 尾形藤吉 千明康
第31回 1964年5月31日 シンザン 牡3 2:28.8 栗田勝 武田文吾 橋元幸吉
第32回 1965年5月30日 キーストン 牡3 2:37.5 山本正司 松田由太郎 伊藤由五郎
第33回 1966年5月29日 テイトオー 牡3 2:31.1 清水久雄 増本勇 北村平三郎
第34回 1967年5月14日 アサデンコウ 牡3 2:30.9 増沢末夫 藤本冨良 手塚栄一
第35回 1968年7月7日 タニノハローモア 牡3 2:31.1 宮本悳 戸山為夫 谷水信夫
第36回 1969年5月25日 ダイシンボルガード 牡3 2:35.1 大崎昭一 柴田寛 高橋金次
第37回 1970年5月24日 タニノムーティエ 牡3 2:30.0 安田伊佐夫 島崎宏 谷水信夫
第38回 1971年6月13日 ヒカルイマイ 牡3 2:31.6 田島良保 谷八郎 鞆岡達雄
第39回 1972年7月9日 ロングエース 牡3 2:28.6 武邦彦 松田由太郎 中井長一
第40回 1973年5月27日 タケホープ 牡3 2:27.8 嶋田功 稲葉幸夫 近藤たけ
第41回 1974年5月26日 コーネルランサー 牡3 2:27.4 中島啓之 勝又忠 久保谷唯三
第42回 1975年5月25日 カブラヤオー 牡3 2:28.0 菅原泰夫 茂木為二郎 加藤よし子
第43回 1976年5月30日 クライムカイザー 牡3 2:27.6 加賀武見 佐藤嘉秋 (有)三登
第44回 1977年5月29日 ラッキールーラ 牡3 2:28.7 伊藤正徳 尾形藤吉 吉原貞敏
第45回 1978年5月28日 サクラショウリ 牡3 2:27.8 小島太 久保田彦之 (株)さくらコマース
第46回 1979年5月27日 カツラノハイセイコ 牡3 2:27.3 松本善登 庄野穂積 桂土地(株)
第47回 1980年5月25日 オペックホース 牡3 2:27.8 郷原洋行 佐藤勇 ホース産業(株)
第48回 1981年5月31日 カツトップエース 牡3 2:28.5 大崎昭一 菊池一雄 勝本正男
第49回 1982年5月30日 バンブーアトラス 牡3 2:26.5 岩元市三 布施正 竹田辰一
第50回 1983年5月29日 ミスターシービー 牡3 2:29.5 吉永正人 松山康久 千明牧場
第51回 1984年5月27日 シンボリルドルフ 牡3 2:29.3 岡部幸雄 野平祐二 シンボリ牧場
第52回 1985年5月26日 シリウスシンボリ 牡3 2:31.0 加藤和宏 二本柳俊夫 和田共弘
第53回 1986年5月25日 ダイナガリバー 牡3 2:28.9 増沢末夫 松山吉三郎 (有)社台レースホース
第54回 1987年5月31日 メリーナイス 牡3 2:27.8 根本康弘 橋本輝雄 浦房子
第55回 1988年5月29日 サクラチヨノオー 牡3 2:26.3 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
第56回 1989年5月28日 ウィナーズサークル 牡3 2:28.8 郷原洋行 松山康久 栗山博
第57回 1990年5月27日 アイネスフウジン 牡3 2:25.3 中野栄治 加藤修甫 小林正明
第58回 1991年5月26日 トウカイテイオー 牡3 2:25.9 安田隆行 松元省一 内村正則
第59回 1992年5月31日 ミホノブルボン 牡3 2:27.8 小島貞博 戸山為夫 (株)ミホノインターナショナル
第60回 1993年5月30日 ウイニングチケット 牡3 2:25.5 柴田政人 伊藤雄二 太田美實
第61回 1994年5月29日 ナリタブライアン 牡3 2:25.7 南井克巳 大久保正陽 山路秀則
第62回 1995年5月28日 タヤスツヨシ 牡3 2:27.3 小島貞博 鶴留明雄 横瀬寛一
第63回 1996年6月2日 フサイチコンコルド 牡3 2:26.1 藤田伸二 小林稔 関口房朗
第64回 1997年6月1日 サニーブライアン 牡3 2:25.9 大西直宏 中尾銑治 宮崎守保
第65回 1998年6月7日 スペシャルウィーク 牡3 2:25.8 武豊 白井寿昭 臼田浩義
第66回 1999年6月6日 アドマイヤベガ 牡3 2:25.3 武豊 橋田満 近藤利一
第67回 2000年5月28日 アグネスフライト 牡3 2:26.2 河内洋 長浜博之 渡辺孝男
第68回 2001年5月27日 ジャングルポケット 牡3 2:27.0 角田晃一 渡辺栄 齊藤四方司
第69回 2002年5月26日 タニノギムレット 牡3 2:26.2 武豊 松田国英 谷水雄三
第70回 2003年6月1日 ネオユニヴァース 牡3 2:28.5 M.デムーロ 瀬戸口勉 (有)社台レースホース
第71回 2004年5月30日 キングカメハメハ 牡3 2:23.3 安藤勝己 松田国英 金子真人
第72回 2005年5月29日 ディープインパクト 牡3 2:23.3 武豊 池江泰郎 金子真人
第73回 2006年5月28日 メイショウサムソン 牡3 2:27.9 石橋守 瀬戸口勉 松本好雄

[編集] 東京優駿の記録

  • レースレコード - 2:23.3(第71回優勝馬キングカメハメハ・第72回優勝馬ディープインパクト)
  • 2着との最大着差 - 8馬身(第10回優勝馬セントライト・第22回優勝馬オートキツ)
  • 最高出走数 - 33頭(第20回)
  • 単勝最高支持率 - 73.4%(第72回ディープインパクト・単勝1.1倍)
  • 単勝最低支持率勝利 - 72票(第16回優勝馬タチカゼ・単勝554.3倍・19番人気)
  • 東京競馬場の1日の総観客動員数 - 19万6571人(競馬の総観客動員数世界最高記録・第57回)
  • 東京競馬場の1競走の勝馬投票券最高売上げ - 567億8692万400円(第57回)
  • 最多勝利調教師 - 尾形藤吉(旧名・景造) 8勝(第3回・第5回・第12回・第19回・第23回・第28回・第30回・第44回)
  • 最多勝利騎手 - 武豊 4勝(第65回・第66回・第69回・第72回)
  • 最多勝利種牡馬 - トウルヌソル 6勝(第1回ワカタカ、第5回トクマサ、第6回ヒサトモ、第8回クモハタ、第9回イエリユウ、第12回クリフジ)、サンデーサイレンス 6勝(第62回タヤスツヨシ、第65回スペシャルウィーク、第66回アドマイヤベガ、第67回アグネスフライト、第70回ネオユニヴァース、第72回ディープインパクト)

[編集] 史上初あれこれ

  • 牝馬 ヒサトモ(第6回)
  • 父持込馬 カイソウ(第13回)
  • 公営出身馬 ゴールデンウエーブ(第21回)
  • 持込馬 ヒカルメイジ(第24回)
  • 1競走の勝馬投票券売上げ100億円初突破 - 118億7436万円(第41回)
  • 連覇した騎手 武豊(第65回・第66回)
  • 3勝以上した騎手 武豊(第65回・第66回・第69回・第72回)
  • 外国人騎手による制覇 ミルコ・デムーロ(第70回)
  • 所有馬が連覇した馬主 金子真人(第71回・72回)

[編集] 父仔制覇

ダービー馬はダービー馬から(生まれる)」と言う競馬界での有名な格言があるが、過去に実現させているのは4組の父仔である。

父馬名 優勝回 仔馬名 優勝回
1組目 カブトヤマ 第2回 マツミドリ 第14回
2組目 ミナミホマレ 第11回 ゴールデンウエーブ 第21回
3組目 ミナミホマレ 第11回 ダイゴホマレ 第25回
4組目 シンボリルドルフ 第51回 トウカイテイオー 第58回

[編集] 兄弟制覇

過去に2組の兄弟制覇の例がある。以下は母馬から見た兄弟に限る。

兄馬名 優勝回 弟馬名 優勝回 母馬名
1組目 カブトヤマ 第2回 ガヴアナー 第4回 アストラル
2組目 ヒカルメイジ 第24回 コマツヒカリ 第26回 イサベリーン

なお、1組目のカブトヤマとガヴアナーは父馬も同じ全兄弟である。

[編集] デビューから無敗制覇

過去に10頭がデビューから無敗で東京優駿を制覇しているが、ガヴアナーは本競走後に故障、トキノミノルは破傷風に罹患し、いずれも死亡している。

優勝回 馬名 無敗成績 備考
1 第3回 フレーモア 3戦3勝 1934年帝室御賞典優勝
2 第4回 ガヴアナー 3戦3勝 -
3 第12回 クリフジ 3戦3勝 牝馬
第6回阪神優駿牝馬優勝
第6回京都農商省賞典4歳呼馬優勝
4 第18回 トキノミノル 10戦10勝 -
5 第27回 コダマ 7戦7勝 第3回宝塚記念優勝
6 第51回 シンボリルドルフ 6戦6勝 第45回菊花賞優勝
第29回・第30回有馬記念連覇
第91回天皇賞(春)優勝
第5回ジャパンカップ優勝
7 第58回 トウカイテイオー 6戦6勝 第12回ジャパンカップ優勝
第38回有馬記念優勝
8 第59回 ミホノブルボン 6戦6勝 -
9 第63回 フサイチコンコルド 3戦3勝 -
10 第72回 ディープインパクト 5戦5勝 第66回菊花賞優勝
第133回天皇賞(春)優勝
第47回宝塚記念優勝
第26回ジャパンカップ優勝
第51回有馬記念優勝

[編集] 本競走からの菊花賞の制覇

日本の牡馬二冠馬を参照。

[編集] エピソード

  • 競馬における東京優駿の位置づけは特別である。皐月賞など他のレースはスタンド改築などにより他の競馬場で代替開催されることはあるが、東京優駿は第3回に目黒の競馬場から現在の府中の東京競馬場への移転によるコース変更があっただけで、他の競馬場での代替開催は一切行われたことがない。過去に東京競馬場のスタンド改修などがあった時にも、時期をずらして施行されている。また、近年は東京競馬場の改修工事を東京優駿の開催は変更しない前提で日程を組んでいる。これは7大原則の7の「以上1.から6.を満たす競走は、国内において本競走のみとすること」に基づいているからである。
  • 日本中央競馬会成立以後の最年少勝利騎手は、第38回を優勝した田島良保の23歳7か月。ちなみにそれ以前では第12回をクリフジで優勝した前田長吉が最年少勝利騎手である(20歳3か月)。
  • フルゲートが20頭代後半(1970年代で概ね28頭。多い年は30頭を超すこともあった)であった1990年頃まではテレビによく映るからとの理由で距離がもたないと分かりながらも、大逃げを打つテレビ馬と呼ばれる馬が存在した。そのため東京優駿は概ねハイペースとなった。また、その頃まで第1コーナーに入る時点での10番手以内は「ダービーポジション」と呼ばれ、大外枠(8枠)は勝てないという至極真っ当なジンクスもあった。そのジンクスが破られたのはフルゲートが20頭となった1991年であった。この年の勝ち馬であるトウカイテイオーの枠番は、8枠20番だったのである(1992年からは馬番連勝複式の導入に伴う法令上の都合から出走頭数制限がなされ、最大18頭までの出走となる)。
  • 本競走の優勝馬の中にはその後故障による早期引退や成績不振に喘いでいる者が多いのに対し(過去10年のダービー馬で古馬になってからもGI競走を制したのはスペシャルウィークディープインパクトの2頭のみ)、2着入賞馬はその後1着馬以上に活躍・出世するケースが近年顕著になってきている。1990-2004年の2着入賞馬15頭のうち実に13頭がその後GI競走を制しており、ライスシャワービワハヤヒデナリタトップロードシンボリクリスエスゼンノロブロイハーツクライなどが名を連ねている。
  • 例年、東京優駿のファンファーレ、表彰式の演奏は、陸上自衛隊中央音楽隊が担当している(他にもジャパンカップや、年度にもよるが有馬記念でも同様に演奏を担当している場合がある)。ちなみにファンファーレは競走の出走可能頭数と同じ18人で演奏する。
  • 中央競馬の3歳クラシック競走では、ゼッケンは紺地に黄色の数字のものを使用するが、本競走に限り一般競走と同様の白地に黒の数字のものを用いる。但し一般競走のそれと異なり、金糸による縁取りが施されている。また、馬番の下に記載されるものは、スタンド側から見えるものについては馬名、内馬場側から見えるものについては第○○回日本ダービーの表示である。なお、その他のGI競走で使用されるゼッケンは、紺地に白色の数字を用いたものである。馬名も併記されるようになったのは1988年以降である(それまでは馬名入りゼッケンはジャパンカップ(1981年の第1回より使用)のみであった)。
  • 競走馬輸送を行う日本馬匹輸送自動車は馬運車に東京優駿の歴代優勝馬の名前をつけている(最近は名前が足りなくなり顕彰馬の名前をつけているものもある)。
  • ほとんどのGI・JpnI競走は第11競走で施行される[2]が、東京優駿当日は全体の競走数ならびに、メインとなる本競走の競走番号が他の競走と異なる[3]。1989年~2001年までは、当日は全部で10競走、東京優駿は第9競走で行われていた。2002年からは全体で1競走増加し、当日は11競走行われ、東京優駿は第10競走で行われていた。2006年からは東京優駿当日、薄暮開催を行い、最終競走に目黒記念を実施しているため、レース当日は全体で12競走行われるが、東京優駿は第10競走で行われる。通常の日程と勘違いして勝馬投票券を第11競走のものを購入してしまう観客も度々見られる。購入の際には注意が必要である。また馬券を発売している施設では注意喚起の放送が繰り返される。
  • 2005年までの段階で、デビュー戦を小倉競馬場で迎えた競走馬が東京優駿を制した例は無かったが、2006年の本競走においてメイショウサムソンが小倉デビューの競走馬として史上初めて優勝した。
  • 2006年現在、クラシック競走で唯一、連覇した調教師がいない。本競走を8勝した尾形藤吉でさえ成し得なかった。
  • 2006年12月、1997年サニーブライアンで制した大西直宏が騎手から引退したことにより、美浦トレーニングセンターに所属する現役ダービージョッキーが皆無となった[4]。美浦トレーニングセンター、またそれ以前の競馬場に厩舎が所属していた時代も含めて、関東圏に籍を置く現役ダービージョッキーが不在になるという事態は、日本近代競馬のクラシック路線の成立後、史上初の事態である。

[編集] 地方競馬のダービー

地方競馬でも東京優駿(日本ダービー)を範した競走がある。地区内での中央競馬の東京優駿と同等の機能を持った競走に設定されている。

競走名などは2006年度のものに従う。

競走名 格付 施行競馬場 施行距離 備考
札幌ダービー 北斗盃 北海道H1 札幌競馬場 ダート1700m 2006年ダービーWeek参加
北海道三冠第1戦
北海優駿 北海道H1 旭川競馬場 ダート2100m 北海道三冠第3戦
ばんえいダービー ばんえいBG1 帯広競馬場 ダート200m ばんえい競走
ばんえい三冠第3戦
岩手ダービーダイヤモンドカップ 重賞 水沢競馬場 ダート1600m 2006年ダービーWeek参加
ダービーグランプリ 統一GI 盛岡競馬場 ダート2000m -
ジャパンダートダービー 統一GI
南関東G1
大井競馬場 ダート2000m 南関東三冠第3戦
東京ダービー 南関東G1 大井競馬場 ダート2000m 2006年ダービーWeek参加
南関東三冠第2戦
東海ダービー 東海SP1 名古屋競馬場 ダート1900m 2006年ダービーWeek参加
兵庫ダービー 重賞 園田競馬場 ダート1870m 2006年ダービーWeek参加
福山ダービー 重賞 福山競馬場 ダート1800m アラブ系競走
福山アラブ三冠第1戦
高知優駿(黒潮ダービー) 重賞 高知競馬場 ダート1900m -
九州ダービー栄城賞 九州KG1 佐賀競馬場 ダート2000m 2006年ダービーWeek参加
九州三冠第2戦
九州皐月賞(荒尾ダービー) 九州KG3 荒尾競馬場 ダート2000m 九州三冠第1戦

岩手県競馬ではダービーに位置づけられているレースは長らく不来方賞であったが、現在はジャパンダートダービーへの出走馬の選定戦となっている3歳重賞のダイヤモンドカップに『岩手ダービー』の冠が付けられている。これについては「JRAのダート優秀馬と全国地方競馬のダービー馬を集めて雌雄を決する」という、ジャパンダートダービー及びそのトライアルイベントとして行われた「ダービーWeek」の趣旨に対応させた事による。

現在休止・廃止されている各地のダービーは数多いが、有名なのは楠賞全日本アラブ優駿であろう。一時は中央地方全国交流でアラブ系ダービーの最高峰であった。また東京優駿の直前に行われ、その結果の出目が東京優駿に連動するという時期があった。

[編集] ダービーフェスティバル

東京優駿(日本ダービー)の開催気運を盛り上げるために1983年から毎年開かれている日本中央競馬会主催のイベントである。

毎年、東京優駿が開催される週(原則5月最終日曜日)の月曜日に東京都内で開かれるこのイベントでは、その年の東京優駿に出走が予定されている注目馬の騎手や競馬愛好家のタレント、新聞・放送マスコミに携わる競馬ジャーナリストが一堂に会し、東京優駿のレース展望会や騎手インタビュー、クイズ大会などで盛り上がっている。なお2005年度は主催者の都合により都内ではこのイベントは行わずに、東京競馬場内でのサービスの拡充に費やした。

またダービーを題材にしたイベントが主としてダービーウィークの平日を中心に全国各地で展開されており、新潟市において「ダービーフェスティバル(西暦年数)」が新潟競馬場新潟放送の共催で毎年行われる。なお、現在イベントの形で残っているダービーフェスティバルは、この新潟で行われているものだけである。2005年度は2004年の有馬記念フェスティバルを受けて新潟でも元JRA職員で、格闘家の小川直也が招かれた。

[編集] その他

  • 東京優駿開催に因んで、1988年より東京優駿制覇騎手のみが騎乗出来るダービージョッキーズステークスと、東京優駿優勝馬の産駒のみが出走できるダービースタリオンズステークス(ともに準オープン)という競走が開催されていたが、ともに出走対象が激減していたために現在は廃止された。
  • 現在の中央競馬では草木の名前を冠した競走は3歳(あるいは2歳)馬限定で行われるが、本競走の前に行われる「むらさき賞」に限っては例外で4歳以上の競走として施行される。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ JRAの競馬場においては、再入場する際には新たに入場券が必要となること(地方競馬では再入場する際は退場時に再入場券を取得すれば新たに入場券を購入する必要はない)、また、東京優駿発走前に退場したものも少なからずいるため、東京優駿発走時に19万人が競馬場に滞留していたわけではないことに留意すべきである。
  2. ^ 1日の競走数が12にほぼ固定されるようになった1998年以降。
  3. ^ 他に、ジャパンカップ(第10競走)と有馬記念(第9競走)開催日は競走数が少ない。
  4. ^ 1998年以降9年連続で栗東トレーニングセンター所属の競走馬が勝利している。サニーブライアン以前は1990年のアイネスフウジン(同馬まで8年連続美浦トレーニングセンター調教馬)までさかのぼる。

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