栃富士勝健

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

栃富士勝健（とちふじかつたけ、1946年 6月8日 - 2003年 4月28日）は埼玉県大里郡三尻村（現・熊谷市）出身（出生地は東京都渋谷区）、春日野部屋所属の元大相撲力士。本名は小暮晴男（こぐれはるお）。最高位は東前頭3枚目（1971年3月場所）。身長185cm、体重140kg。

[編集] 来歴

1961年5月場所初土俵。小兵力士の多い春日野部屋において珍しい大型力士として早くから注目されていた。幕下までは順調に昇進するもここで苦労する。特に1967年3月場所では東幕下筆頭で6勝1敗と好成績を挙げながら、番付削減のあおりを受けて翌場所は東幕下3枚目に下げられた。しかし腐らずその場所7戦全勝で幕下優勝し、翌1967年7月場所に新十両を果たした。さらに1968年9月場所には新入幕を果たした。幕内上位では大鵬や柏戸を倒して金星を挙げる活躍も見せた。

左を差して一気の寄りに威力があった。反面、取り口にムラがあり、鋭い切れ技も持ち合わせていなかったことから、体力を持て余し結局幕内と十両の往復に終わった。

1974年9月場所を最後に引退。年寄山分を襲名し、春日野部屋の部屋付き親方となった。栃錦逝去後は、玉ノ井親方の独立に同行、玉ノ井部屋で師匠の右腕として後進の指導にあたった。
協会内では木戸委員、指導普及部委員を務めた。2000年ごろより体の不調を訴えていたが、ついに2003年 4月28日、急性心筋梗塞のため死去。享年56。亡くなった当日は、来客にちゃんこを振舞うために自宅の台所で準備をしていた際に倒れたという。