玉葉 (九条兼実の日記)
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『玉葉』(ぎょくよう)は関白太政大臣九条兼実(1149-1207)の日記。別名玉海、月輪兼実公記とも。平安時代末期から鎌倉時代初期の変動期についての基礎史料になっている。
記述は1164年(長寛2年)から1200年(正治2年)に及んでいる。公家の日記は、宮中行事の仕来りなどを後に伝える目的があり、儀式の次第が詳細に記されている。また、当時の源平の争乱についても多く記されている。公家から武家への激動期の関白の職にあった兼実の公私にわたる記録。
同時代の史料としては『吾妻鏡』もあるが、これは鎌倉幕府により編纂された正史であるから、朝廷側の人間の日記として記述された『玉葉』と相補的に用いられることが多い。
[編集] 参考文献
- 『国史大辞典 第4巻』吉川弘文館 国史大辞典編集委員会(編)ISBN 4642005048