異種原子
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異種原子(いしゅげんし、exotic atom、エグゾティック原子とも)とは、電子、陽子、中性子以外の粒子を含んだ原子のこと。ここでの原子とは、電荷の力によって粒子が結合した状態を指す。
例えば、電子はμ粒子や π− のような負の電荷を持つ素粒子によって置き換えることができる。また、陽子も正の電荷を持つ素粒子によって置き換えることができる。
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[編集] 異種原子の例
[編集] 同種の粒子と反粒子の組み合わせ
- ポジトロニウム — 電子と陽電子が準安定な配置となったもの。水素原子の陽子を陽電子で置き換えた状態。
- パイオニウム — π+ と π− で構成される。
- プロトニウム — 陽子(プロトン)と反陽子が準安定な配置となったもの。水素原子の電子を反陽子で置き換えた状態。
- 励起子 — 励起した半導体や絶縁体における電子と正孔の束縛状態。
[編集] 異種粒子の組み合わせ
- ミューオニウム — 正の電荷を持つミュー粒子と電子で構成される。
- ミュオニック原子 — 電子の1つ、もしくは複数を負の電荷を持つミュー粒子で置き換えたもの。
- 中間子原子 — 電子の1つ、もしくは複数を負の電荷を持つ中間子で置き換えたもの。
- 反陽子ヘリウム — ヘリウム原子核、電子、反陽子からなる原子。ヘリウム原子に二つある電子のうち一つを反陽子で置き換えたもの。
- ストレンジマター — たくさんのsクォークの塊の周囲を電子がとりまいている、超濃密な物質。まだ仮説に過ぎず、発見されていない。
通常の原子に対して、異なる種類の原子を指して「異種原子」と呼ぶ場合があるので、注意が必要である。