百姓読み
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百姓読み(ひゃくしょうよみ)は、漢語の音読みにおいて、形声文字の音符(旁や足の部分)につられて、誤った読み方をすること。たとえば鍼の音は、針と同じで「しん」であるが、「感」から「かん」、「減」から「げん」などとする読み方である。
直截(ちょくせつ)を「ちょくさい」、膏肓(こうこう)を「こうもう」、絢爛(けんらん)を「じゅんらん」、洗滌(せんでき)を「せんじょう」、正鵠(せいこう)を「せいこく」、とする読み方は、IME(パソコンの日本語入力ソフト)では、どちらからでも変換でき、膏肓は新聞や雑誌などでは誤った「こうもう」のルビが付いているほうが多い。
また本来は「ほうせん」と読むべき焙煎(ばいせん)や、「ひんぎ・ひんぎしょ」と読むべき稟議・稟議書(りんぎ・り・ぎしょ)、「しょうこう」とすべき消耗(しょうもう)は、誤った読み方のほうが定着してしまっている。
「百姓読み」は、無学な農民をからかってつけられた差別用語であり、別の語句に言い換える必要がある、と主張する者もいる。