約束された場所で
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『約束された場所で―underground 2』は、村上春樹のノンフィクション文学作品。
[編集] 概要
1998年11月、文藝春秋刊。2001年文春文庫刊。
1995年3月20日、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の信者、元信者8人に村上春樹自身がインタビューをし、それを中心にまとめた。インタビューは『文藝春秋』1998年4月号から11月号に掲載された。
『アンダーグラウンド』とは、対になる作品である。
[編集] インタビュー
『アンダーグラウンド』を書き終えた時点で、村上はオウム真理教信者の存在を抜きに、この事件を考えることは出来ないと言う結論に至る。そのために、在家信者・元信者などにインタビューをする。
『アンダーグラウンド』と同様に、1人ずつ面接方式でインタビューが行なわれている。まず、簡単な育ち、家族関係、入信前の育ち様、入信後のオウムでの役割、事件後の職業と生活状況、最後に村上春樹の感じた風貌という順にまとめられている。
そして「インタビュー」。それぞれの出身、育ち、学歴など、そしてオウムとの出会い、入信の過程、その後の活動、オウム事件の前後の活動、その後のオウムをどのように思っているかなどをまとめている。
ただし、オウムの教義などの話し等になったりするために、村上春樹もただ聞き手ではなく、質問を積極的に行なったり、発言をしたりしている。
[編集] 河合隼雄
これらのインタビューを終えた後、村上は、オウム信者の人間としての苦悩や精神構造は似たものであるとして理解できたが、より深くオウムや現在の日本人を理解するために、河合隼雄氏との対話をすることになる。
河合隼雄氏とは、アメリカ在住時代からの面識があり、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』の共著がある。
村上春樹 | |
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作品 | |
長編小説 : | 風の歌を聴け | 1973年のピンボール | 羊をめぐる冒険 | 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド | ノルウェイの森 | ダンス・ダンス・ダンス | 国境の南、太陽の西 | ねじまき鳥クロニクル | スプートニクの恋人 | 海辺のカフカ | アフターダーク |
短編小説 : | パン屋再襲撃 | ファミリー・アフェア | TVピープル | トニー滝谷 | 東京奇譚集 |
随筆 : | 意味がなければスイングはない | 遠い太鼓 |
ノンフィクション : | アンダーグラウンド | 約束された場所で |
翻訳 : | キャッチャー・イン・ザ・ライ | グレート・ギャツビー | ロング・グッドバイ |
関連 | |
カテゴリ : | 村上春樹 | 小説 |