職場いじめ
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職場いじめはいじめの一形態である。通常子供の間で行われるいじめが学校の規範に違反しながら行われているのと異なり、彼らは社会的な力・地位を用いていじめを行う。職場いじめは日本で言われる職場のモラル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントの総称である。
21世紀職業財団が2004年3月に行った「職場におけるハラスメントに関するアンケート」の調査報告によれば、パワーハラスメントは34.2%の職場に見られ、その他の職場のいじめ・嫌がらせも28.0%に見られた[1]。また、職員室のいじめは児童生徒間のいじめと直接的に連関した問題でもある。
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[編集] 概要
会社には労働者が快適に働けるように職場を管理する義務がある。労働契約は人身売買ではないため、会社は労働者が働くための環境を安全・快適にしておく必要があり、これは日本では職場環境配慮義務と呼ばれている。
こういったいじめは、例えば、仕事上の指導や注意を装った形で行われる。実際人間である以上、多少のミスや苦手な仕事があるのは当然である。だが、職場いじめはそれを必要以上に強調する。これは、周りの人たちの評判を落としたり、被害者に自身を喪失させることを狙って行われるに過ぎないのである。
また社員同士だけではなく、社員が派遣社員やアルバイトに対していじめや差別・冷遇を行うケースも多い。本来、派遣やアルバイトも雇用形態が違うだけで立場が低いという事はないのだが、日本では正社員が派遣やアルバイトより偉いという風潮が根強く、事件性がない限りは黙認される事が多い。(アルバイト、派遣社員の項目も参照)
[編集] 原因
原因についてははっきり分かっていないが、立場の弱い人間を軽視する事や、自己愛・利己主義的な感情を持っている場合があるという事がある。また、経営者にも責任があり、ワンマン経営・放任主義や社内教育の甘さといった事から、パワーハラスメントやいじめが起こっても見ぬ振りをしてシラを切る等、問題が起こりやすい環境を放置する事と職場の労働環境や労働条件において業務量が多かったり、目標達成が困難で長時間労働が行われていたり、閉ざされた環境であるなど、欲求不満を生み出す職場環境の場合は起き易くなる。個人的感情で行っている場合もあれば、人員削減や減給を狙って行っている場合もある。
精神医学的な研究からは、ADHD(注意欠陥性多動性症候群)や、躁うつ(双極性障害)、薬物依存・アルコール依存なども原因となりうる。
[編集] 影響
こういった職場におけるいじめの場合、ストレスが多く重なるため、高血圧などの症状を引き起こしやすい。
[編集] 対策
自分が被害者となったら、会社より仕事内容自体が好きな場合は他の会社へ転職を行う、また転職に見合う技術・ヒューマンスキルを身につける事を意識する。会社を辞めたくない場合は確実な証拠やメモを残しておき法的処置をとるか、いじめを行う者の上司へ相談し(但し自分の名前が出され、ますます酷い状況になる可能性があるので相談者は慎重に選ぶ事)、環境の改善を訴えていくしかない。
会社が経費削減・リストラのためいじめ行為を行っている場合だが、そのような会社は殆どの場合将来性が無いため見切りをつけて退社へ向かうべきであり、一人ひとりが雇用は会社との奴隷関係ではないことを意識する事が大事である。
[編集] 関連項目
- いじめ
- 職員室のいじめ
- リストラ
- モラル・ハラスメント
- パワー・ハラスメント
- セクシュアル・ハラスメント
- ドメスティックバイオレンス
- 猥談
- ハケンの品格※正社員による派遣社員への冷遇シーンが多い。
- 日勤教育