自動車警ら隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
自動車警ら隊(じどうしゃけいらたい、英語表記:Mobile Patrol Force)とは、各都道府県警察本部に設置される部署であり、地域部に属する。毎年夏、年末に放映される警察24時の類の番組でよく取り上げられている。警察内部では自ら隊(じらたい)と略称されることが多い。なお兵庫県警察では「機動パトロール隊」と呼ぶ。
目次 |
[編集] 概要
自動車警ら隊は、府県警察本部においては地域部におかれる。警察本部警備部における機動隊と同様「執行隊」としての位置づけである。
その職務は、各警察署管内において文字通りパトロールカーで警邏(パトロール)し、不審人物や不審車両に乗った人物の職務質問、通信指令室からの指令に基づき事件現場に急行して初動措置、初動捜査を担当する。
隊長は警視。副隊長は本部により警視又は警部である。
静岡県警察では3ヶ所に方面隊庁舎がある。
新潟県警察にも1990年代まで存在したが、所轄警察署単位でのより地域密着型の警邏に重点を置く事を目指して隊を廃止、人員と車輌は各警察署の機動警邏係増強に充てられた。
[編集] 車両
車両は現在では旧型、現行型クラウンが大部分を占めている。他には、台数は少なくなっているが、クラウンセダン、クルーやセドリックが活躍している。
また、警邏パトカーであることからクラウン・クルーには散光式警光灯の昇降機が装備される。
一部の警察本部では、同様に警邏任務に従事している白バイがあり、該当車両は「MAP」の表示を付けている(Mobile Area Patrol―地域機動警戒の略)。
[編集] 実態
地域部に置かれる執行隊であり、隊員の身分は地域警察官である。
大規模警察本部においては、警察署地域課員と同様、隊員は三個中隊で編成され3交代制で勤務する。
警察署の警ら用無線自動車と連携して犯罪を検挙したり、まれに交番警察官の泥酔者保護等の応援等にあたることもあるが、地理案内や住民相談等の負担がないため、隊員は職務質問のプロとしてのプライドを持って、覚せい剤やけん銃所持者などの大きな犯罪の検挙に業績を上げている。
2004年6月兵庫県警察自動車警ら隊において、捜査書類捏造事件が発覚した。盗難にあった自転車が書類上では、被害者に返還という形になっていたことで発覚したもので、兵庫県警察監察官室の調査によって、同様な手口で書類が捏造さていたことが明らかになり、当時の地域部長、当時の隊長以下を懲戒処分にし、同年9月の人事異動で隊員の半数を入れ替え、「機動パトロール隊」と名称変更をした。警察官一名が懲戒免職にされ起訴されたが、<組織的犯罪ではない>とされている。
また、兵庫県警察においては、海岸線を警ら中の自動車警ら隊員が、不審車両を発見し職務質問した結果、トランクに縛られて閉じこめられた小学生を発見し、届出のなされていなかった現在進行形の小学生誘拐事件を解決した功労があった。