航空機テロ・破壊行為の一覧
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航空機テロ・破壊行為の一覧(こうくうきテロ・はかいこういのいちらん)は、民間航空機に対して行われたテロ行為や破壊行為の一覧。なお、民間航空機に対するハイジャック行為やハイジャック行為が原因となった破壊、墜落事件は「ハイジャック」を参照。その他の航空機テロや故意の破壊行為でない航空事故は「航空事故」を参照のこと。
目次 |
[編集] 概要
テロ組織による民間航空機に対するテロ行為や、軍による民間航空機の撃墜などの破壊行為は、戦時中だけでなく平時にも偶然、故意を問わず様々な理由から多数起きている。この中には故意の破壊行為による「事件」と断定されたものの、被疑者が特定できず、その破壊行為の背景が解明されていないものも含まれている。
[編集] 一覧
[編集] 1930年代
[編集] 1940年代
- 1943年 6月1日
- 便名: 英国海外航空 (BOAC)777便
- 機種: ダグラス DC-3
- 死者: 乗員乗客17人全員が死亡。
- 状況: ポルトガルのリスボン発イギリスのホワイトチャーチ行きのBOAC機がイギリスのウィンストン・チャーチル首相搭乗機と誤認され、ビスケイ湾の公海上でドイツ空軍機に撃墜される。俳優のレスリー・ハワードが巻き込まれたが、チャーチル首相と誤認されたのは彼のマネージャーだった。
- 詳細:「レスリー・ハワード搭乗機誤撃事件」を参照。
[編集] 1950年代
- 1954年 7月22日
- 便名: キャセイパシフィック [*便名?]
- 機種: ダグラス DC-4
- 死者: 乗員乗客19人中10人が死亡。
- 状況: 南シナ海の公海上を飛行中、中国人民解放軍のラーヴォチュキンLa-7戦闘機から突如攻撃を受けエンジンと燃料タンクが被弾、墜落した。
- 詳細:「キャセイパシフィック航空機撃墜事件」を参照。
- 1955年 7月27日
- 便名: エルアル航空 402/26便
- 機種: ロッキード L-1049 コンステレーション
- 死者: 乗員乗客58人全員が死亡。
- 状況: 航法ミスによりブルガリア領空を侵犯したエルアル機が、緊急発進したブルガリア空軍機の攻撃を受け爆発炎上、空中分解して墜落。
- 詳細:「エルアル航空機撃墜事件」を参照。
[編集] 1960年代
- 1965年 7月8日
- 便名: カナダ太平洋航空 21便
- 機種: ダグラス DC-6B
- 死者: 乗員乗客52人全員が死亡。
- 状況: ブリティッシュコロンビア州上空を飛行中に保険金目当ての自殺者がトイレで酸性物質を爆発させたため空中分解し墜落。
[編集] 1970年代
- 1972年 1月26日
- 便名: JAT (ユーゴスラビア航空) 364便
- 機種: ダグラス DC-9
- 死者: 乗客乗員28人中27人が死亡。
- 状況: コペンハーゲンからベオグラードへ向かう途中、高度1万メートルを巡航中に貨物室に仕掛けられた手榴弾が爆発、チェコスロバキアのヘルムスドルフ近郊に墜落した。22歳の女性が下半身不随の重症を負いながらも奇跡的に生存。
- 詳細:「JATユーゴスラビア航空機爆破事件」を参照。
- 1972年 6月15日
- 便名: キャセイパシフィック航空 700Z便
- 機種: コンベア CV880
- 死者: 乗客乗員81人全員死亡。
- 状況: シンガポール発バンコク経由香港行きとして運行中の700Z便は、バンコクを離陸して南ベトナムの中央高地上空29,000フィートを飛行していたが、貨物室に仕掛けられた爆弾が爆発し空中爆発を起こし、サイゴンから300Km離れたプレイクのジャングルに墜落した。タイの捜査機関は、婚約者の女性とその娘を殺害して保険金を詐取することを目的に、彼女のスーツケースに爆弾を仕掛けた被疑者として男性を逮捕したが、証拠不十分として2年後に釈放した。ベトナム戦争中に戦闘区域内で発生したことから、アメリカ空軍機の誤射などによって撃墜されたという説も事件発生当時から取りざたされた。
- 詳細:「キャセイ・パシフィック航空700Z便爆破事件」を参照。
[編集] 1980年代
[編集] 1990年代
[編集] 2000年代
- 2001年 9月11日
- 便名: 1) アメリカン航空11便、2) ユナイテッド航空 175便、3) アメリカン航空 77便、4) ユナイテッド航空 93便
- 機種: 1) ボーイング 767、2) ボーイング 767、3) ボーイング 757、4) ボーイング 757
- 死者: 1) 92人、2) 65人、3) 64人、4) 45人。
- 状況: アルカーイダに所属する複数のテロリストによってハイジャックされた航空機4機がニューヨークのワールドトレードセンター、ワシントンの国防総省 ペンタゴン、ペンシルバニア州 シャンクスヴィルなどに次々と激突、墜落。ビルの火災や崩壊などにより、死者・行方不明総計2,996人という、航空機に関連した惨事としては史上最悪のものとなった。なお上記の犠牲者数は各航空機のみのもの、乗員乗客にはテロリストを含む。
- 詳細:「9/11 アメリカ同時多発テロ事件」を参照。