蘇州
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行政区分 | 地級市 |
行政の中心 | 金閶区 (31°39′N 120°37′E) |
面積 - 計 - 市街地 |
8,488 km² 1,560 km² |
人口 - 計 - 市街地 |
6,062,200 (2004) 2,245,300 (2004) |
GDP - 計 - Per Capita |
¥4026.5 億 (2004) ¥66,826 (2004) |
主な民族 | 漢民族 |
市の花 | モクセイ |
市の木 | クスノキ |
方言 | 呉方言: 蘇州話 |
市外局番 | 512 |
郵便番号 | 215000 |
ナンバープレート | 苏E |
蘇州(そしゅう、 中国語 スージョウ Sūzhōu)は、中華人民共和国江蘇省東南部に位置する地級市(地区クラスの市)。古くから絹織物で発展した国家歴史文化名城であり、上海市に隣接する地の利があり、現在も省の経済的中心である。また東京都の東村山市との姉妹都市である。総面積8,488平方キロ、市区面積1,650平方キロ。総人口591万人、市区人口217万人(2003年)。
目次 |
[編集] 地理
長江の南側にあり、長江デルタの中心部、太湖の東岸に位置する。東北側には、上海蟹の産地として名高い陽澄湖がある。
北京から南京を経て、昆山、上海を結ぶ京滬鉄道が通り、蘇州駅には特急が停車する。
上海を起点に蘇州市街を通って西に延びる312国道と、常熟市街を通る204国道が幹線道路としてある。また、上海から南京に向かう滬寧高速道路が通っている。滬寧高速道路は蘇州で常熟、嘉興を結ぶ南北の蘇嘉杭高速道路と交差しており、2008年ごろには常熟から長江を渡って南通に通じる橋ができる予定である。滬寧高速道路は交通量の増加によって渋滞が起きやすくなったため拡幅工事を進めているほか、常熟を通る沿江高速道路が常州までのバイパスとして建設された。
古来、北京と杭州を結ぶ京杭大運河が通るなど、水運もよく利用されている。北部の太倉、常熟、連雲港の長江沿いの地域には、水運を生かせる大規模工場が作られている。
[編集] 歴史
古くから長江の南に位置する、江南の主要都市として栄えてきた。春秋時代に呉の都が置かれ、呉文化圏の中心であった。伝説によれば、諸樊がこの地を本拠と定め、孫の闔閭が都として整備したと言われている。秦以後には会稽郡、後には同郡から分離した呉郡の役所が置かれた(同時に呉県の役所も設置された)。隋代に蘇州の名が始まったが、南朝最後の陳末の民衆反乱(589年)で町が破壊されて郡の役所なども他の町に移されており、本格的な再建は役所を蘇州に戻した唐の太宗時代以後の事になる。五代時期には呉越国の都となり、宋の神宗時代に府(首都に准じる都市)への昇格に伴って平江府、元には平江路と呼ばれるようになった。この間、金の南宋遠征軍が平江府を攻撃して再度町は大規模な打撃を蒙った(1130年)が、南宋政府によって再建されている。元末の張士誠も呉王を称して蘇州に都した。明になると、蘇州府が置かれて以後は現在の蘇州という名称が固定化された。
古くから中国の先進的な絹織物産地として経済的富裕な町であったが、南宋時代に付近で木綿栽培が広まると綿織物の分野でも屈指の生産を図るようになる。だが、アヘン戦争後の上海開港にともなってその経済的地位を幾分か低下させた。
江蘇省の省都は現在南京に置かれているが、歴史的に清代には江蘇布政使が蘇州に駐在し、太平天国は蘇州を蘇福省の首府とした。南京に都した中国国民党時代には蘇州に江蘇都督行署を置き、日本軍占領期にも江蘇省会であった。
蘇州で話されている蘇州方言(蘇州語)は、北部呉語を代表する方言と考えられていたが、現在は上海方言(上海語)にその座を譲っている。蘇州方言と上海方言とでは、異なる語彙や発音があるが、暫く会話すれば意志の疎通に大きな支障はなくなる。
[編集] 行政区画
- 県級市 張家港市、常熟市、太倉市、昆山市、呉江市
- 市区 呉中区、相城区、平江区、滄浪区、金閶区
[編集] 経済
上海から高速道路で1時間の距離にあり、上海の国際マーケットと国内マーケットをつなぐ要所である。シンガポールの協力で建設された蘇州工業園区を始め、蘇州高新技術開発区、昆山経済技術開発区、張家港保税区などの投資区域を有する。繊維製品、精密化学工業、製紙工業、電子工業、機械工業などの産業があり、2003年の国内生産総額は2,802億人民元、一人当たり国内生産は47,700人民元、輸出総額は326億米ドルに達する。経済規模は江蘇省最大で、省都南京を凌ぐ。
蘇州の東北に位置する陽澄湖は、上海蟹の産地・養殖地として著名であり、淡水漁業も盛んである。
[編集] 教育
- 蘇州大学
- 蘇州科技学院
- 常熟高等専科学校
- 沙洲工学院
- 蘇州教育学院
- 蘇州市放送テレビ大学
- 蘇州職業大学
[編集] 観光
- 虎丘 - 春秋時代、呉の国王夫差が埋葬されたことに由来。北宋代、961年に建立された八角七層の虎丘塔(雲岩寺塔)は、現在少し傾いているためイタリア・ピサの斜塔と比されることもある。全国重点文物保護単位となっている。
- 寒山寺 - 唐代に建立された名刹。唐代の詩人張継の「月落ち烏鳴いて霜天に満つ」で始まる漢詩「楓橋夜泊」に登場することで有名である。
- 周荘、甪直、同里 - 明代・清代の建築物も残る、古い水郷の街として人気がある。
[編集] 蘇州を舞台にした作品
[編集] 音楽
[編集] 映画
- 春の惑い 蘇州恋歌(監督:田荘荘、2002年)
- 華の愛 遊園驚夢(監督:ヨン・ファン、2000年)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 蘇州市人民政府公式サイト(中国語及び英語)
カテゴリ: 中華人民共和国の都市 | 江蘇省