言海
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言海(げんかい)は明治期に大槻文彦が編纂した国語辞典。日本初の近代的国語辞典とされる。
[編集] 成立
1875年、当時文部省報告課に勤務していた大槻文彦が報告課長の西村茂樹に国語辞典の編纂を命じられ製作を開始。1882年に初稿を成立させたが、訂正に4年をかけ、完成したのは1886年である。元々は文部省から刊行される予定であったが、出版が立ち消えそうになったため結局1889年に自費出版することとなった。最初は四六倍判の四分冊として出版され、その後一冊本や上下に分かれた二冊本、大きさの違う小形や中形のものが刊行されていった。また、後に大幅に改定がなされた『大言海』も大槻の死後発行されている。
[編集] 内容
言海は五十音引きの国語辞書であり、文語で記されている。また、固有名詞などは扱っていない。本編の辞書部分の他に漢文で書かれた「言海序」、西洋文法を参考に日本語を体系化した「語法指南」、索引の仕方を書いた「索引指南」なども載っている。
[編集] 刊行年譜
- 四分冊
- 1889年5月15日:『第一冊』発行
- 1889年10月31日:『第二冊』発行
- 1890年5月31日:『第三冊』発行
- 1891年4月22日:『第三冊』発行
- 1891年12月5日:第二版(一冊本)発行
- 1891年12月:第二版(二冊本)発行
- 1904年2月28日:小形言海発行
- 1909年8月23日:中形言海発行
- 2004年4月7日:文庫版発行