鉄炮記
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鉄炮記(てっぽうき)は、江戸時代の1606年(慶長11年)に成立した鉄砲伝来に関わる歴史書である。戦国時代に種子島へ鉄砲が伝来された史実を領主である種子島久時が、祖父種子島時堯の鉄砲入手を薩摩国大竜寺の和尚である南浦文之に編纂させたものである。
日本への火器の伝来は倭寇などにより持ち込まれた先例があり、鉄砲記に記されているのは1543年(天文12)にポルトガル人による種子島へ鉄砲が持ち込まれたとする事件を意味する。鉄砲記の記述は詳細で、種子島への鉄砲伝来に関しての史料が他にないこともあり、1543年(天文12)伝来説の根本史料として利用される。
史料の成立が鉄砲伝来から60年近く経った1606年(慶長11年)であること、また成立の動機が種子島氏を顕彰する目的であることから、その信憑性を疑う声もある。