離対気流
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離対気流とは、物体に衝突した気流が進入方向に逆流し、巻き戻しを繰り返して加圧される現象を指す、自動車工学で用いられる用語である。
車高調を装着して最低地上高を下げ、かつ十分なエアロ整形の伴わない車両(特に基本となるエアロパーツのみを装着した自動車)の高速走行時等に多く発生する。
本来、適正な車高で使用されるエアロパーツは、そうした風の流れを整えるためのエクステリアパーツとして機能するが、車高調により低重心化した場合は逆に前方に渦を巻く離対気流を発生させ、フロント部分の気圧を大きく上昇させる結果となる。
離対気流が一旦発生すると加圧された気流が狭められている車体下部に次々に入り込み、車体フロント部分に揚力を発生させ、前輪のダウンフォースを著しく低下させる。
その結果ドライバーは車体制御が行えなくなるため高速道路におけるローダウン改造車の単独事故の主原因ともなっている。
離対気流を発生させずにダウンフォースを高める為にはエクステリア全体のエアロ整形が必要不可欠である。