2文字アルファベットシリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2文字アルファベットシリーズ(にもじあるふぁべっとしりーず)は、1990年4月~1999年3月まで、9年間、あかほりさとるとねぎしひろしが担当したアニメシリーズの総称。
4作品において、本来の(作品内用語としての)意味とは別の一般的な意味にも取れる2文字のアルファベットがタイトルに組み込まれているのでこう呼ばれている。
初作の『NG騎士ラムネ&40』と『VS騎士ラムネ&40炎』は同世界の出来事(VSがNGの続編。この2作だけを抜き出して「ラムネスシリーズ」とする場合もある)として描かれているが、それ以外の各作品間における関連性は存在していない。
目次 |
[編集] 主なシリーズ作品
- NG騎士ラムネ&40(1990年4月~1991年1月)
- KO世紀ビースト三獣士(1992年5月~1993年11月)
- SMガールズ セイバーマリオネット(1995年3月~1999年3月)
- 当作については一シリーズとして複数の作品が存在するため、どこまでを2文字アルファベットシリーズの範疇に含むか、ファンの間にて意見が分かれている(後述)ため、ここでは『セイバーマリオネット』全作品(ただし後継作である『大江戸学園』を除く)を含めたアニメーション作品の制作・発表期間をシリーズ作品の発表期間として記す。
- VS騎士ラムネ&40炎(1996年4月~9月)
[編集] 2文字アルファベットの意味
- NG
- 作品内用語としての意味では「Next Generation(新世代)」の略語。主人公が旧世代より戦いを受け継ぐため。
- 一般的な意味では放送用語である「No Good(没、使用不可)」の略語。
- KO
- 作品内用語としての意味は不明。
- 一般的な意味では格闘技用語「Knock Out(ノックアウト)」の略語
- SM
- 作品内用語としての意味では作名である「Saber Marionette(守護人形)」の略語。
- 一般的な意味では変態性欲を表すサディズムとマゾヒズム(SM)の略語。
- VS
- 作品内用語としての意味は物語後半に主人公の戦いの舞台となるフィールドの名。(VSフィールド)
- 一般的な意味では「競演」や「対決」を表す英語「Versus」の略語。シリーズ内における他作品の設定を踏襲させたキャラクターが登場したため。
[編集] シリーズ内における「SMガールズ」の特異性
「SMガールズ セイバーマリオネット」は、その作内に複数の作品が存在するため、それだけで一つのいわば「シリーズ内シリーズ」を形作っている。それぞれの作品は共有する一つの世界観にて作られているため、単純に「セイバーマリオネットシリーズ全作品が2文字アルファベットシリーズの一つの作品」と見ることもできるのだが、以下の点においてファンの間で意見が分かれる事がある。
まず1995年に製作されたシリーズ初作である『SMガールズ セイバーマリオネットR』(以下、SMR)は原作にねぎし・あかほり両名の名が連名されている事から、紛れも無い『2文字アルファベットシリーズ作品・セイバーマリオネット』として遇される。これについてはファンの間における基本的な共通認識と考えて間違いは無い。
次に同年より月刊ドラゴンマガジンにてあかほりさとるの手によって執筆されたライトノベル(小説)版の『SMガールズ セイバーマリオネットJ』(以下、SMJ)だが、これは元々あかほりと『SMR』製作スタッフとの認識の行き違いから、あかほりが単独で始めた作品である。そのため、ねぎしの介入がほとんど無く作者名義にも入れられていない。そのため「ねぎしが外れているため、2文字アルファベットシリーズの条件(ねぎしとあかほりの両名が作品に関わる)に当てはまらない」と言われる事がある。
しかし『SMJ』は、後に『SMR』と同様に1995年から1996年にかけてラジオドラマ化されている。また、小説発表当初から『2文字アルファベット』を交えた「SMガールズ」シリーズとして『SMR』を意識した形でのメディア展開も行っていたため、一般的なファンは『SMJ』(小説版および1996年1月~5月CD化のラジオドラマ版)もまた『2文字アルファベットシリーズ・セイバーマリオネット』として遇するべきであるとする場合が多い。
この議題において一番の問題は1996年10月よりスタートした、TVアニメ作品『セイバーマリオネットJ』シリーズ(以下、TVJ)の取り扱いについてである。当作は前述の小説『SMJ』を原作としたアニメーション作品であるが、あかほりもねぎしも『TVJ』には積極的な関わりを持っていない。ただ後にあかほりは原作者(小説執筆者)としての立場から、ゲスト的に脚本を提供している。しかし、それらの原作者提供ストーリーも完全な形で物語に左右する内容ではない。
そして、『TVJ』とそれ以外の「SMガールズ」シリーズ作品では、作品のキーとなる「乙女回路」の意匠や意義が全く異なる。(詳細は乙女回路を参照の事)
以上の事情により一般的には『TVJ』は、その後継作OVA『またまた セイバーマリオネットJ』(以下、OVAJ)および続編TVアニメ作品『セイバーマリオネットJtoX』(以下、JtoX)と合わせて「2文字アルファベットシリーズを原作とした別作品」もしくは「シリーズに組み込まれない、SMガールズのリメイク」と遇され「2文字アルファベットシリーズとしては認識されない」ことが多い。(第一『TVJ』を始めとする一連のシリーズには「SMガールズ」の文字が無い)
一方で『TVJ』を始めとする一連の作品群もまた、それまでメディアで取り上げられていた「SMガールズ」シリーズと同様の特徴を持つ(SMガールズシリーズと共通の声優陣が登用されている)こと、シリーズ最終総括として製作された音楽CD「SABER MARIONETTE BEST」(1999年製作)に『SMR』『SMJ』と同様『TVJ』『OVAJ』『JtoX』も組み込まれていること、などから「SMガールズシリーズに組み込んで『2文字アルファベットシリーズ作品』としても遇するべきだ」とするファンも存在する。