BAMBOO BLADE

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『BAMBOO BLADE』（バンブーブレード。「ブレイド」ではない）は、土塚理弘原作、五十嵐あぐり作画の漫画作品。現在「ヤングガンガン」（スクウェア・エニックス刊）に連載中。

剣道を題材にした漫画作品はルールや部活動上の諸注意などの描写がおざなりにされることが多い中で、本作は比較的精緻な描写が為されており一定の評価を得ている。

原作の土塚理弘はネームの作成までを行い、五十嵐あぐりがそれに基づいて作画を行っている。現在も漫画家として活動中の土塚理弘が原作のみの担当である理由については「多忙であるため」と単行本中のコメントに記している。

しかし、土塚自身「BAMBOO BLADEは女の子を描くのが得意な人が描いた方が良い作品で、作画は五十嵐先生にやってもらうのが一番」と作品と自分自身の画風が合っていないことを認める趣旨の発言をしている。

それらの関係上、本作品中では土塚による作画の作品に登場するキャラクターや表現が一部に見られ、タイトルも全て「××と○○」で統一されている。

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] ストーリー

室江高校剣道部顧問の石田虎侍は、その日の食事にも困る貧乏生活の日々を送っていた。そんなある日、高校時代の先輩である石橋賢三郎から練習試合の話を持ちかけられる。自分が顧問をしている町戸高校剣道部に勝ったら、1年間寿司食べ放題。しかし、5対5の練習試合をするには室江側の部員が足りない。虎侍は翌日から早速、5名の女子部員を揃えるべく東奔西走するがなかなか有望な人材が見つからず苦慮していたところ、ある女生徒が竹ぼうきで難無く複数のボール（と教頭）を打ち返すのを目撃。何としてでもその女生徒を剣道部に入部させようと試みるのだが……。

[編集] 登場人物

一部の登場人物名は作品中に登場しないため、作画者のサイトに掲載されている「キャラクター紹介」に基づいている。

[編集] 室江高校

石田虎侍（いしだとらじ）: 室江高校剣道部顧問。主人公。通称「コジロー」。貧乏生活から脱出し、1年間寿司食べ放題をゲットすべく大張り切りで剣道部の新人勧誘と強化に乗り出す。かつては大会で先輩の賢三郎を打ち負かして優勝する程の腕前だった。ちゃらんぽらんな性格だが、珠姫入部を契機に己の顧問としての無力さを痛感する場面などもある。

川添珠姫（かわぞえたまき）: 室江高校1年。通称「タマちゃん」。剣道部のエースにしてマスコット的な存在。剣道場の一人娘で超高校生級の腕前だが、学校に来てまで剣道をやる意義を見出せず当初は部に所属していなかった。特撮やアニメ鑑賞が趣味で、特に幼少の頃見ていた「超剣戦隊ブレードブレイバー」がお気に入り。「ブレードブレイバー」の影響で正義感が人一倍強く、ある事件を契機に剣道部へ入部する。町戸高校との練習試合では先鋒（兼大将）、IH予選では大将。

千葉紀梨乃（ちばきりの）: 室江高校2年。受験で引退した3年生に代わって部長に就任。お気楽な性格でノリも軽く、時折言動や思考がコジローとシンクロする。成績優秀なはずが竹刀を「竹内」と書くのをはじめ、基本的にボケ倒しではあるが、時に珠姫を入部させるため機転を利かせたり、顧問のコジローに実績を残すよう促すなど、部長としてしっかりとした一面も。剣道は中学から続けており、部活を楽しんでいる事から剣道が好きである様子が伺える。家は惣菜屋。町戸高校との練習試合・IH予選では副将。

宮崎都（みやざきみやこ）: 室江高校1年。通称「ミヤミヤ」。中学時代は札付きの問題児で現在も裏では素行不良気味。栄花は相思相愛で、彼の前では一変して「お嬢様」を演じる。なぜ超絶美少女かつ不良だった彼女がぱっと見あまり見栄えのしない栄花に惚れたかは謎に包まれている。一説にはペットのセンザンコウが死んで落胆していた時に彼に慰めてもらったからだと言われている（しかし、センザンコウは輸入禁止動物でペットにできないので、結局のところは謎）。剣道の経験は全く無かったが、部活の練習でSに目覚め、竹刀をガンガン打ち込むスタイルを取る。ポジションは次鋒。

桑原鞘子（くわはらさやこ）: 室江高校2年。通称「サヤ」。紀梨乃とは小学校からの幼馴染み。1年の時から剣道部に所属しているが、ちょっとしたことで落ち込む癖があり部活にはしばらく顔を出していなかった。剣道は高校に入ってからだが、長身で力もあり、伸びる素質は持っている。本当に自分が打ち込めることを見つけるため色々なものに手を出しているが、しっくりくるものがないらしい。唯一小説の執筆は続いているが、納得のいくものは書けない様子。ポジションは中堅。

東聡莉（あずま　さとり）: 室江高校1年。泣きボクロとだて眼鏡が特徴。中学時代の剣道の活躍が耳に止まり、待望の女子剣道部5人目として白羽の矢が立つ。しかし授業の成績が悪く、一時は勉強に専念することを理由に断られたが、ミヤミヤの巧みな話術により「説得」され入部となった。極度のドジっ娘で、成績の悪さも（テスト範囲を間違えるなど）そこに起因している。が、一たび竹刀を握ればキリノとサヤを打ち負かすほどの実力を発揮する。剣道は曽祖父に誘われて始めたもので、本人も剣道はとても好き。ポジションは先鋒。

中田勇次（なかたゆうじ）: 室江高校1年。通称「ユージ君」。小学校の頃、珠姫の父が師範の剣道場に通っていて、珠姫とは幼馴染み。中学時代は県大会でベスト8に入り、珠姫曰く実力は外山以上。さらに真面目で爽やか、熱血漢な一面も見せる主人公キャラなのだが、コジローが男子部員を相手にしないため影が薄い上に、剣道でも次元が違う珠姫や成績も自分より上で彼女持ちの栄花が傍にいるため、自分が大してすごいとは思えなくなっているらしい。部の中で一番の常識人ゆえに、部員や顧問がかますボケへのツッコミも絶えない、何かと可哀相な人物。

栄花段十朗（えいがだんじゅうろう）: 室江高校1年。通称「ダン」。中田のクラスメートで、卓球部への入部を希望していたが室江高校に卓球部が存在しなかったため、都を連れて剣道部へ。マイペースな性格だが、意外にテキパキ行動する時も。勇次曰く、剣道の才能はあるらしい。成績は非常に良く、学年2位の実力を持つ。

外山（とやま）: 室江高校2年。紀梨乃曰く「剣道部一の実力者」。超ド級のサドで相手が激痛に苦しむ姿を見たいが故、新入部員にも容赦せずカーボン竹刀で小手を連発する。己の腕に自惚れているが、珠姫には完敗。結果として珠姫の入部のキッカケになった人物。その後出番は段々と…。

岩佐（いわさ）: 室江高校2年。いつも外山とつるんでいて、彼共々剣道部の幽霊部員であるが、剣道は好きらしい。外山と共に出番が無くなってきてはいるが、単行本のあとがきや4コマ漫画では何度か登場しており、外山ほど扱いは酷くない。; 尚、描写は無いが外山が段十朗に「稽古」を付けた際には、流れ上彼が段十朗に防具を付けてあげた事になる（…）。

[編集] 町戸高校

石橋賢三郎（いしばしけんざぶろう）: 町戸高校剣道部顧問で、他にもう1校でも顧問をしている。コジローの高校時代の先輩だが、ある大会の決勝で虎侍に敗れて準優勝に終わったことを今でも根に持っており、コジローに大会のトロフィーを賭け勝負の練習試合を持ちかける（コジローは寿司を食べる為と、トロフィーは昔粉々に壊してしまった為、負ける訳にはいかなかった）。
原田小夏（はらだこなつ）: 町戸高校3年。副部長で段位保有（二段）。一癖も二癖もある町戸高校剣道部員では一番の常識人。室江高校との練習試合では先鋒。メガネっ娘。
横尾摩耶（よこおまや）: 町戸高校3年。男勝りの気勢と破壊力を誇る故、試合で対戦相手をしばしば泣かせてしまっているらしい。室江高校との練習試合では大将をしたが、大将戦も名前を偽って出た珠姫にあっさりと倒されてしまい、しばらく放心状態になった。かなりの大食いのようで、室江高校との練習試合前には、朝からファミレスでパフェとスパゲティとグラタン、それにピザを食べていたがさすがに食べ過ぎて苦しんでいた。
安藤優梨（あんどうゆうり）: 町戸高校2年。一見穏やかだが腹黒で、試合ではよく汚い手段をとる。いつも「ブラック世渡りマニュアル」など怪しげな本を読んでいる。室江高校との練習試合では副将をし、相手をした紀梨乃とは性格や剣道の攻め方が正反対なので、試合が終わって戻る際に「相性が悪かった」とぼやいていた。朝には弱いらしく、本人曰く「甘いもの食べないと試合なんてとてもとても」。
西山佳恋（にしやまかれん）: 町戸高校3年。実力はかなりの物を持っているが、プレッシャーに異様なほど弱く大会にはほとんど出ていない。室江高校との練習試合では中堅。
浅川明美（あさかわあけみ）: 町戸高校2年。素質はあるが部活動よりも恋愛（彼氏）を優先してしまう。室江高校との練習試合では次鋒。

[編集] 成明高校

林忠明（はやしただあき）: 成明高校剣道部顧問。厳しい指導方針で部員に恐れられているが、自身の方針に疑問を感じる節も。
小川芽衣（おがわ　めい）: 成明高校1年。通称「メイ」。気弱で小柄な少女。厳しい練習に付いて行けず退部を決意していたが、練習試合で珠姫と出会い彼女の中で何かが変化し始め、思いとどまる（練習試合の相手の都の気迫に押され、また折れそうになっていたが）。
小田島礼美（おだじま　れいみ）: 成明高校1年。写真部。都とは中学の同級生であり、恋愛絡みで何やら因縁がある様だが、実は…。

[編集] 東城高校

小西（こにし）: 東城高校剣道部の女子主将。糸目が特徴。「相手が試合前に怪我をした」「（対戦相手の）靴に画鋲が入っていた」「防具が傷つけられたり隠されたりした」など、何かと黒い噂の持ち主。

[編集] その他

珠姫の父: 名前は不明。剣道場を開いており、珠姫にも幼少の頃から剣道を教えていた。厳格な性格だが、親馬鹿な一面も見せる。栄花と誕生日が同じである。

ねこ: 土塚理弘作品ではお馴染みのねこ。土塚理弘・画の作品で出るねこと違い鼻が白い理由は「単なる塗り忘れ」から。50話目にはこれもお馴染みである「ブラックねこ」が登場した。

[編集] 超剣戦隊ブレードブレイバー

劇中劇。10年ほど前に放送されていた特撮番組で、珠姫が幼少の頃に正座して視聴するほどはまり込んでいた。背中に大きな剣（「超剣」?）を背負った五人の戦士ブレードブレイバー（人数はコジローの台詞から推察）が、世界征服の野望を抱くデスアーマーと死闘を繰り広げるというストーリー。クライマックスでは、デスアーマーの攻撃にブレードブレイバー達が次々と倒される中、最後の1人（レッド?）が人々の笑顔を取り戻す願いを込め、最終必殺技「アトミックファイヤーブレード」を繰り出す。この場面に幼少の珠姫は非常に強い印象を抱き、その結果「突き」を繰り出すと力を加減せず容赦無く相手をぶっ飛ばしてしまうという欠点を抱えることとなった。

なお、本作の連載開始時に放送されていた仮面ライダー剣（ブレイド）の前期オープニングテーマは「Round ZERO～BLADE BRAVE」（相川七瀬）であり、この曲が名前の由来になっている可能性がある。

またこの番組の他にも、『クリスマスクリスタルズ(全46話)』と言うテレビアニメや『エビルスレイヤー』と言う番組（特撮なのかアニメなのかは不明）が存在するらしい。また、コジローの世代ではビッタリマン（言うまでもなくビックリマンのパロディ）が流行ったこともあったようだ。

[編集] 試合一覧

対戦	話	決まり手
室江高校　対　町戸高校
川添珠姫　対　原田小夏	18～23話	面－面
浅川明美　対　宮崎都		面－胴
桑原鞘子　対　西山佳恋		引き分け
千葉紀梨乃　対　安藤優梨		小手－面
武礼葉(川添珠姫)　対　横尾摩耶		面－面
その他の試合
川添珠姫　対　外山	6～8話	突き
川添珠姫　対　石橋賢三郎	23～25話	中断