Hyper Hybrid Organization
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『Hyper Hybrid Organization』(ハイパー・ハイブリッド・オーガニゼーション)は、高畑京一郎の連載小説。電撃文庫出版のライトノベルである。頭文字をとって『HHO』または『H2O』(どちらも「エイチ・ツー・オー」)と略される。
高畑京一郎、初の長編連載である。高畑は遅筆で知られているが、本作もその例に漏れず、出版速度が非常に遅い。あとがきで出版期日の宣言をするが、それを守れた試しはなく、読者をやきもきさせている。たとえば2006年に3冊出版を宣言したが、1冊もだせず終いとなった。
ライトノベルにありがちな萌えやステレオタイプとは程遠く、ほとんどの登場人物が男性である。なかでも「01-02 突破」は女性が一人もでてこなかった。
登場人物の名前からも明らかだが、仮面ライダーをモチーフにしている。『Hyper Hybrid Organization』の特異な点は、秘密結社が近代社会で成立するための条件を深く考えていることと、主人公が正義の味方ではなく悪の組織に属することである。
[編集] 概要
- 本編
- 日本では謎の組織ユニコーンが世間をさわがせていた。ユニコーンは綿密に計画された作戦をもって、警察からの追求を逃れ、しかも一般人にけが人をださず、作戦を成功させ続けていた。それには全身を堅い皮膚や甲殻に覆われ、圧倒的パワーをもったハイブリッドとよばれる怪人が大きな役割を果たしていた。しかしユニコーンにも天敵がいた。おなじく全身を甲殻に覆われたヒーローで、いく人もの怪人を倒していた。
- 主人公、山口貴久はただの学生であり、事件とは無縁の生活をおくっていた。ところがある日、恋人と会っていると、ユニコーンの作戦に偶然立ちあわせる。そこにヒーローがあらわれ、怪人との戦闘を繰りひろげるなかで、ヒーローが倒した怪人の下敷きになるという不慮の事故で、恋人が死ぬ。
- 山口はヒーローへの復讐を誓い、ヒーローを倒しえる力(自らがハイブリッドになる)を手に入れるため、ユニコーンに入団する。敵であるヒーローの名前は藤岡猛。復讐までの道のりは長い。
- 外伝
- 本筋より過去の話。暴力団斜道組に属する速水敬介は、阿部誠次との組内部の派閥争いに負け、苦境に立たされていた。そこに組長の息子、宮内志郎があらわれて苦境を助ける代わりに、天本秀夫・藤岡猛・佐々木隼人を匿い、3人がおこなう研究の援助しろという誘いにのる。
- 3人の研究とは、アスラ細胞という特殊な細胞を移植することで、失われた神経などを再生して現代の治療法では再起不能なけがを回復させる、画期的な治療法だった。ただアスラ細胞には副作用があった。アスラ細胞は全身を強靭な細胞につくりかえ、ハイブリッドとよばれる超人にする。
- 速水はハイブリッドに目をつけ、苦境打開の手段にしようと考える。藤岡はハイブリッド技術が暴力につかわれるのを嫌がり反対するが、佐々木は申し出をうけて将来誰の力も借りずに研究できる資金づくりをしようとする。やがて盟友、佐々木と藤岡の対立は決定的なものとなり、藤岡は一人その企てから離脱する。佐々木は野望実現のために、速水の政敵阿部をも組織に一枚噛ませ、二人を争わせている間に自らが力をつけることを画策する。
- かくして三者の利害が交錯する秘密結社ユニコーンが結成された。現代社会で秘密結社ユニコーンが、警察の追及から逃れ続けられる期限は、長く見積もって五年。果たしてユニコーン解散のときに、彼らの思惑はどうなっているのか。
[編集] 既刊一覧
- 本編
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- Hyper Hybrid Organization 01-01 運命の日
- Hyper Hybrid Organization 01-02 突破
- Hyper Hybrid Organization 01-03 通過儀礼
- 以下続巻
- 外伝
-
- Hyper Hybrid Organization 00-01 訪問者
- Hyper Hybrid Organization 00-02 襲撃者
- Hyper Hybrid Organization 00-03 組織誕生
- 完結詰み